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ヤクルト石川雅規、25年の現役生活を支えた恩人・古田敦也の金言「だから長生きできたのかな」

今年10月3日、現役最後のマウンドに立った石川雅規(46歳)。

ヤクルト一筋25年。167センチの身体で188勝を積み上げ、「小さな大投手」として長きにわたりファンに愛されてきた。

テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、石川とかつてバッテリーを組むなど、師弟関係にあった古田敦也が対談し、激動の25年間を振り返ってもらった。(全3回の2回目)

◆「古田さんのサインにほぼ首を振ったことがない」

石川がプロの門をたたいたのは2001年。自由獲得枠でヤクルトに入団すると、入団会見ではこう宣言した。

「若松(勉)監督が現役時代に『小さな大打者』と呼ばれていたので、僕は『小さな大投手』と呼ばれるように頑張りたいと思います」

「小さな大投手」を目指すと誓ったプロ1年目。12勝を挙げ新人王に輝くと、5年連続2桁勝利を果たし、2008年には最優秀防御率を獲得した。プロ21年目、41歳の時には初の日本一に貢献。24年連続勝利の新記録も打ち立て、通算188勝。25年の現役生活に幕を下ろした。

そんな石川へ、ヤクルトファン100人が寄せた質問でもっとも多かったのは、「長年活躍してきたなかで頑張れた一番のモチベーションは?」。

古田:「これ、野球選手はよくわかるじゃないですか。やっぱり大変なんですよね。35歳ぐらいから大変なんで。そういうのはファンの方も考えてらっしゃるね。メンタルコントロールとか『つらい時もあったんでしょ』って意味なのかな。そういうのありましたか?」

石川:「プロに入って最初は本当にがむしゃらに古田さんのミットめがけて投げるなかで、自分の感覚では『バッターが古田さんと勝負してくれてる』感じがすごくあったんです。僕は古田さんのサインにほぼ首を振ったことがないんじゃないかというぐらい」

古田:「本当に振らなかったね」

石川:「なので年数を重ねていってほかのキャッチャーとやるようになると、やはり勝てる時と勝てない時が出てきて。負けた試合とかでも“全部ダメだった”ではなく、『今日負けたけどここは良かった、じゃあそれを残しながら課題をつぶしていく』ということに集中して、つらい気持ちを払拭していったというのはありますね」

古田:「悪いところばかりを追うと、想像力も豊かになるので、どんどん広がっていって、嫌な気持ちになる。いいところがあったらできるだけそれを思い出して、バランスをとっていかないと、やっていられないと」

石川:「そうです。ダメな時はもう割り切って、『朝起きたら新しい1日だ』という思いで前を向いて球場に足を運んでいました」

◆古田のリクエストと石川の答え

続いての質問は、「どうしてそんなにキレのある変化球を投げられるのか?」。

古田:「もともとプロに入ってきた時はまっすぐとスライダー、あと大きなシンカーの3種類しかなかったよね。変化球ピッチャーで先発やろうと思ったら、この3種類だと正直大変だなと思ってたけど、それなりに勢いもあったし良いスライダーを投げていた。

でも石川がすごいのは、2年に1回ずつぐらい(僕が)リクエストを出すんですよ。『大きなシンカーをもう少し小さく投げられないの?』とか『カットボール投げられない?』とか『シュートそろそろ勉強しようぜ』って。石川はリクエスト出したらちゃんと1年以内に『これどうですか』ってキャンプとかで持ってくる。ちゃんと会得してきたと言いますか、それがやっぱすごいよね」

石川:「ありがとうございます」

古田:「大学の時もかなり抑えていたから『このままでいいんじゃないか』って思ったり、壁にぶつからないとなかなか聞く耳を持ってくれない人も多いんだけど、探究心というのかな。言うのは簡単なんです。練習して操れるようになるのが大切なんですけど、石川はその後きちんと投げられるようになって武器にしていった」

石川:「いやぁ、褒められたかったからですね(笑)」

古田:「だから長生きできたのかなと思いますよ。やっぱり自分の得意な球ってあるんだけど、プロは相手があるんでね。最後は『シュート投げられない?』ってリクエストしてね。シュートは高橋由伸対策だったんですよ。一時高橋由伸にカモにされて、スライダー投げてもカチコーン打たれた。

それでシュートを覚えて、本当に真っすぐ向いて打つ間際でちょこっと落ちるぐらいのイメージかな。そうしたら高橋由伸がブーンってフルスイングしてファーストゴロを連発する時期があったんですよ。『これだよ!』って。高橋由伸は石川を苦手にしていたらしいよ」

石川:「本当ですか? それこそ古田さんが仰ったようにシュートを覚えるまでは本当にカモにされてたんで」

古田:「なんかスピード感が打ちにくいみたい。『打てそうで打てないのがすごい嫌』って。ちゃんとシュートを覚えたから」

古田の助言でシュートを習得したことが投球の幅を広げ、長い現役生活を支える武器になった。

◆「シュートを本当にやらないと終わってしまう」

石川は、自身に大きなターニングポイントをもたらしてくれた古田へ、次のように感謝を語る。

石川:「10敗はするけど曲がりなりにも10勝して、ローテーションは守れるというなかで、古田さんには『いろいろな球種を覚えたほうが武器になるぞ』と仰っていただきました。

慢心していたつもりはないんですけど、『なんとなくこれでプロでいけるかな』と思っていたら、2007年ですかね。4勝で終わったんです。その時勝てずにファームに落ちた時に、『古田さんが常々仰っていたシュートを本当にやらないと終わってしまう』という危機感を持ちました。

それからファームの試合で『ブルペンで10球投げるよりもまず試合でやってみよう』とどんどん試合で試して、ある程度投げられるようになって。左バッターがすごく苦手だったんですけど、『これいけるかも』っていうターニングポイントになったシュートを覚えた2007年は、自分の中ですごく大きかったですね」

古田:「その後、タイトル取ったんだよね?」

石川:「2008年は防御率のタイトルをいただきました。自分から一番遠いタイトルだと思っていたので嬉しかったですね」

古田:「それなりに打たれるけどなんとか粘るというピッチャーだから、防御率はなかなか取りにくいんだよね。素晴らしいよ」

石川:「ありがとうございます」

※番組情報:『GET SPORTS』

毎週日曜 深夜1:55より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)

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