167.8cmの小さな大投手・石川雅規「身長2mあったら…」引退後に語った本音と背が低くても活躍できた理由
今年10月3日、現役最後のマウンドに立った石川雅規(46歳)。
ヤクルト一筋25年。167センチの身体で188勝を積み上げ、「小さな大投手」として長きにわたりファンに愛されてきた。
テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、石川とかつてバッテリーを組むなど師弟関係にあった古田敦也が対談し、激動の25年間を振り返ってもらった。(全3回の1回目)
◆「古田さんに受けていただきたい」
古田:「僕と石川さんの出会いは、シドニーオリンピック予選の1999年。あの時石川さんは(大学)2年生でJAPANに選ばれて、僕と5、6人のプロが助っ人という形でチームに入った。その時に初めて会ったの、覚えてます?」
石川:「覚えてます。覚えてるというか衝撃が強すぎて。韓国での予選、台湾戦だったと思うんですけども、その時に初めてバッテリーを組んだとは思えないような…投げていて『気持ちいい』『楽しい』というのはすごく感じたので」
古田:「その時は一応オリンピック(出場権獲得)を決めて。そこから大学3年、大活躍してね。で、プロ野球に来られて、偶然ですけどスワローズに。…偶然でいいですか?(笑)」
石川:「いや、偶然ではないと思います(笑)。当時、逆指名といいますか自由獲得枠というものがあったので、やはり一度プロの舞台で野球をするのであれば、古田さんに受けていただきたいという思いがすごく強かったので、それが実現できて、夢が叶ってすごく嬉しかったのを覚えています」
そんな石川に今回用意したのは、スワローズファン100人からの質問だ。
古田:「実はですね、スワローズファンに石川さんに聞きたいことを聞いてきました。もうみなさん直筆でメッセージを書いてくださって」
石川:「直筆ですか!嬉しいです」
古田:「その質問に答えてもらってもいいですか?」
石川:「もちろん、よろしくお願いします」
「今まで一番嬉しかったことは?」「憧れの左投手は?」「好きな球種は?」など多くの質問が寄せられたなかで、まず石川が選んだのは「一番印象に残っている試合はどの試合ですか?」という質問だった。
石川:「印象ってなると、やはり初登板と、古田さんの引退試合がすごく印象深いですね。初登板は真中(満)さんと一緒にヒーローインタビューをさせていただいたんですけど、真中さんが高橋(建)さんからホームランを打って、最後(五十嵐)亮太が締めくくるというゲームでした。当時のスワローズ打線も広島打線もそうそうたるメンバーで、その中での初三振は前田智徳さんから。それがすごく覚えているというか、印象深いですね。
あとは古田さんの引退試合で僕、先発させていただいて、古田さんの最後だという思いがあったので勝ちたかったんですけど、6回かなんかに前田さんにスリーランを打たれて負け投手になってしまったんです。それはすごく印象深いというか、悔しい気持ちが強いゲームですね」
◆「壁を作らないのが一番」
続いて石川が選んだ質問は、「野球選手としては小さな身体で素晴らしいピッチングを続けてこられた秘訣は何ですか?」。
石川:「小さい人は自分の小さい身体が世の中のすべてなので大きい人の感覚はわからないですけど、『チームの中でこれだったら自分は試合に出られそうかな』とか、いろいろ己を知るというのがすごく大事かなと思うんです。自分で『小さいから無理だ』とか『これはできない』っていう壁を作らないのが一番かなと思います。トレーニングを含めいろんなことをやるなかで、結局最後は気合と根性も大事だと思うので、そこを持ってたら大丈夫かなと思いますね」
古田:「身体の大きな人って結構のんびりした人が多いんですよ。やっぱり普通にやってれば勝てると思うから。身体が小さい人は『負けたくない』と思って小さい頃からやってるから負けん気が強い。それを試合でも全面に出す選手が多くて、その闘争心みたいなのがいいんだろうね。でも僕が知る中で、本当に唯一『身体が小っちゃくて闘争心が見えない人』が石川さん。それでこれだけ成績を残してる。表には出さないようにしていた?」
石川:「そうですね。試合だと頭に血が上る時が結構あって、打たれた時とかピンチの時は、古田さんとかがマウンドに来られても結構覚えていないことが多いというか、それくらい短気というかカッカしている部分はありました。そういうのをなるべく出さないようにしているわけではなくて、これが普通って感じですね」
古田:「でも気持ちはあった?」
石川:「気持ちはありました」
古田:「やっぱりそのあたりのコントロールができるってことですよね。(気持ちを)出すほうがいいと思っている人と、あんまり出さない人もいるなかで、それがホントに珍しい人だと思ってました」
石川:「ありがとうございます(笑)」
3つ目の質問も石川の身体に関するもので、「身長2mあったらどんなピッチングをしていましたか?」。
古田:「実際には身長いくつなんですか?」
石川:「167.8cmですかね」
古田:「それぐらいの身長でここまで勝ったというのがね(通算188勝・歴代29位)。なかなかプロでは見られない。身体が大きかったらどうなってたんですかね。想像でしかないんですけど」
石川:「もっと力の勝負だったり、そういう方向に振り切っていたのかなと思いますね。やっぱり150キロとか投げたかったので(自己最速144キロ)。2mあったら150キロとか、大谷(翔平)選手のように160キロ投げたかった」
古田:「150キロ投げたやつは160キロ目指してたからね、五十嵐亮太みたいに」
石川:「そうですね。そういう意味では、スピードボールを投げたかったなという思いはありますね」
◆「ヤクルトの選手になってよかった」
4つ目の質問は、「ヤクルトの選手になって一番良かったこと」。
石川:「ヤクルトって結構ファミリー球団というか仲良しっていうイメージがあるんです。入った時からすごく雰囲気が良くて。当時はクラブハウスに娯楽室がありまして、試合前に先輩・後輩が集まってゲームしたり。ヤクルトのすごいなと思うのは、仲良くそうやって遊ぶんですけど、やる時のスイッチの入れ替わりがすごいんですよね。
キャンプでも練習前は和気あいあいとウォーミングアップしても、チームプレーとか投打になると本当にみなさん雰囲気が変わるので。そのオンとオフの切り替えが『本当にプロすごいな』と思いました。だから長くできたんだと思います。プロとしての礎を築かされたという意味でも、ヤクルトに入っていろんな先輩、後輩、同級生に出会えて、本当にヤクルトでよかったなってすごく思いますね」
古田:「辞めたばっかりですけど、いつかは監督やコーチをやってみたい気持ちはありますか?」
石川:「将来的にといいますか。やはりスワローズに野球人としても人としても育てていただいた思いがあるので。僕は古田さんのプレイヤー兼監督時代も一緒にさせていただきましたし、近くの先輩やヤクルトOBで指導者になられている方がたくさんいらっしゃるので、先輩たちのようになりたい思いはすごくあります。
僕はプレイヤーとしてやってきましたけども、(指導者としての)知識はまだまだ薄いので、いろんなものを見ながらですね。ご縁とタイミングだと思いますけど、そんなお声がけをしてもらえるように、またイチから勉強して、いつか恩返ししたいなと思います」
※番組情報:『GET SPORTS』
毎週日曜 深夜1:55より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)








