阿部サダヲ主演、7月スタート『しあわせな結婚』 脚本家・大石静の思いは「日本一の俳優でホームドラマを書きたかった」
昨年それぞれが国民的大ヒットドラマを誕生させた<脚本・大石静×主演・阿部サダヲ>という最強タッグが実現!
【映像】【SPインタビュー】主演・阿部サダヲ ネタバレぎりぎりトーク!
2025年7月期に放送されるオリジナルドラマ『しあわせな結婚』は、夫婦の愛を問うマリッジ・サスペンスだ。
◆独身主義を貫いてきた人気弁護士が…まさかの電撃結婚!
テレビ朝日の連続ドラマ初主演となる阿部サダヲが演じるのは、世間の注目を集めるセンセーショナルな事件の裁判でいくつも無罪を勝ち取りながら、テレビ番組にも多く出演しお茶の間から絶大な支持を得ている人気弁護士・原田幸太郎。
日頃から多くの人に囲まれて仕事をしている幸太郎だが、両親はすでに他界しており、ひとりっ子のため天涯孤独。
ただ、ひとりが好きな幸太郎は、仕事に支障をきたすことを嫌い、歴代の恋人たちにもそれが誠意だと信じて「結婚はしない」と宣言。50年間、完全なる“独身主義”を貫いてきた。
しかしある日、そんな彼がまるで雷に打たれたかのように、運命的な出会いをはたす。病院内のエレベーターで偶然出会ったある女性――鈴木ネルラだ。
ネルラのミステリアスな魅力にすっかりハマッてしまった幸太郎は、これまで頑なに貫いてきた独身主義をあっさり捨て、まさかの電撃結婚。
しかし、いざ新婚生活が始まると、ネルラがとてつもなく大きな秘密を抱えていることが発覚する。少しずつ明らかになっていく、愛する妻の秘密。それによって、幸太郎の運命は大きく動かされることに。
はたして幸太郎は、秘密を知っても妻を愛し続けることができるのか。
◆脚本家・大石静が究極の夫婦愛を描く
完全オリジナル作品となる本作『しあわせな結婚』の脚本を手掛けるのは、大石静。
ホームドラマから珠玉の恋愛ドラマまで多彩な連続ドラマを生み出してきたヒットメーカーは、最新作となる大河ドラマ『光る君へ』(2024年)では、終了後“ロス”に陥る人が続出するほど日本中を熱狂させた。
そして本作『しあわせな結婚』では、大きな秘密を前にしたときに問われる夫婦の愛にスポットを当てる。
大石静が紡ぎ出す令和の“マリッジ・サスペンス”は、一体どんな物語になるのか。2025年7月の放送開始に向け制作に取り組む大石に話を聞いた。
◆日本一の俳優でホームドラマを書きたかった
――『しあわせな結婚』というマリッジ・サスペンスの構想を思いついた経緯を教えてください。
大石:「私の中で、阿部サダヲさんと段田安則さんが日本一の俳優だと思っていて。阿部さんでホームドラマを書きたかったんです。
ただ、テレビ朝日の木曜9時という枠のイメージを考えると、ホームドラマだけでは視聴者の方々には物足りないでしょうから、サスペンス要素を加えマリッジ・サスペンスの構想が生まれました。
鈴木ネルラという謎めいた妻を、阿部さん演じる夫・原田幸太郎がどう愛し抜いていくかという物語です。サスペンスもありながら、ときに、家族でたわいないことを話すような場面もあるホームドラマにもしたいと思っています」
――阿部サダヲさんの魅力をどこに感じますか。
大石:「阿部さんは、恐ろしい人物も面白い人物もなんでも巧みに演じられる俳優です。例えば、『恋する母たち』(2020年/TBS)で落語をやる場面も堂々たるもので素晴らしかったけれど、仲里依紗さんとのラブシーンもセクシーで素敵でした。
坂元裕二さん脚本のドラマSP『スイッチ』(2020年/テレビ朝日)の阿部さんは、長いつきあいになるかつての恋人を支え抜く役をやっていて、それも素敵でした。『しあわせな結婚』はどちらかといえばそっち系の、素敵な阿部さんを描いてみたいと思っています」
――阿部さんの役を弁護士にした理由を教えてください。
大石:「今回、弁護士の方々を取材して、皆さん、法律家や法曹家としての矜持を持っていらっしゃることを感じました。法を守るということにおいて、人々の役に立つという高い意識や理想を持っていらっしゃいます。例えば、法律に触れるようなことが家族や妻に起きたとき、法曹人としてどう対処するか、夫としてどう思うか。そのせめぎあいをやろうと思っています」
――誰が演じるのかこれから発表される“鈴木ネルラ”という妻は、どういう人物なのでしょうか。
大石:「ネルラはキーパーソンです。なので、まず『ネルラという妻』というタイトルを考えたんですけれども、黒崎博監督を筆頭に、スタッフみんなから反対されました(笑)」
――ネルラは、現在は私立高校の美術講師で、過去には絵の修復学を学んでいたという設定です。その理由を教えてください。
大石:「大河ドラマ『光る君へ』を書いたとき、『源氏物語』の絵巻を修復されている方にお目にかかったんです。自ら絵を描いたり、彫刻したりするだけが仕事ではないんですけれども、誰かが作った芸術作品が傷んできたとき、再びそこに命を吹き込む仕事も素敵だなあと感じました。素敵なヒロインには素敵な仕事をしてもらいたいと思い、修復学を学んでいる設定にしました。
それが、ヒロインの過去を修復できるのか――というところにもかかってくればいいなと思っています」
――様々なアイデアが散りばめられていて、“考察”しがいもありそうです。
大石:「最近は考察を楽しみにされている視聴者の方が多いですが、私が脚本を書くとき、あまり深く伏線をはることや、それを回収するテクニックにこだわってもいないのです。でもうまくいくと、自然と伏線になっていたりして。出来上がったものを視聴者の方がどう受け取ってくださるかは自由なので、いろいろな楽しみ方をしていただければ嬉しいです。
独自の解釈でご覧になった方々にも、私たち作り手の思いは何かしら伝わると思っています。完全に伝わらなくても何かしら伝わればいい。そういう思いで、1時間の中で必ずひとつは、私らしいセリフを残したいと思って書いています」
――改めて、7月の放送スタートを楽しみにしている視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
大石:「面白くもあり、深くもあるドラマになるといいなと思ってやっています。毎度のことですが、大人っぽいドラマでも、お子さんが見ても面白いようにはつくります」
仕事へのこだわりについて、常に「既成の価値観を疑ってみる眼差しと、常識の向こう側にある真実のようなものを描き続けたい」と考えているという脚本家・大石静。
本作『しあわせな結婚』では、どのような道徳や常識の向こう側にある“真実”が描かれるのか。そして、それがどんな面白さや深さをもたらすのか。今夏のスタートの向け期待が高まるばかりだ。
<取材:木俣冬>
※番組情報:2025年7月期 木曜ドラマ『しあわせな結婚』
2025年7月スタート!【毎週木曜】よる9:00~9:54、テレビ朝日系24局
※TVerでは、スペシャルインタビューや特報&囲み取材会映像を配信中!