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「人生の中でトップクラス」大谷翔平が認めた最高のホームラン。2024年の“進化”が表れた一打を振り返る

「人生の中でトップクラス」大谷翔平が認めた最高のホームラン。2024年の“進化”が表れた一打を振り返る

テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、歴史的偉業から紐解く「大谷翔平の進化」を特集。

2024年に大谷がカメラの前で発した数々の言葉を振り返りながら、ドジャース首脳陣や対戦相手、手術を担当した医師など総勢14名の関係者へ独自取材し、「54本塁打・59盗塁」の裏にあった独自の思考と大胆な改革を解き明かした。

テレ朝POSTでは、その内容を全4回に分けて紹介。今回は、大谷のホームランを徹底解剖する。

◆ライト方向へのホームランが増加

2024年、大谷がメジャーを席巻した打撃で最も象徴的だったのは、なんといってもホームラン。

自己最多54本のホームランの中で、大谷自身が「感覚的にも人生の中でトップクラス」と語ったのは、シーズン序盤の第6号、ライト方向への特大ホームランだ。

打球速度は自己最速の191キロ! この一打を筆頭にライト方向へのホームランを量産した。

2023年はセンター方向へのホームランがもっとも多かったのに対し、2024年はライト方向へのホームランがもっとも多い。ホームランを含めた全打球の方向割合を見ても、ライト方向が59%から62%に増えていた。

このライト方向への打球増加について、動作分析の専門家である筑波大学体育系・川村卓教授は、大谷の「構え」が大きく関係していると分析する。

川村:「それまでの大谷選手はどちらかというと力がグッと入ってしまっていた。力が入れば入るほど、体が伸び上がるような動きになるんです。そうすると、ボールに対して(芯を)ちゃんと捉えられず、ボールの上側を叩いてしまうことになる。(バットが)下から入るぶん、いわゆる煽るような打ち方になってしまう。ライト方向に飛んだ打球がファウル、もしくはライナーで2塁打のような打球になることが多かった」

以前の大谷は、体に力が入った状態で、インコースに来たボールに対して体が伸び上がり、バットが下から煽るような形でボールの上を打っていた。すると、ボールにドライブ回転がかかり、地を這うようなゴロやファウルボールとなるライナー性の当たりが多かったという。

一方で2024年の打球の傾向は…。

川村:「2024年はインコースをすごくうまく打って、ライトポール際でも切れない打球がでた。これはやはり無駄な力が入らなくなってきた証拠。力を抜くことによってグリップだけスッと動かして、あとからバットが遅れて出てくるような打ち方ができた。ライト方向のホームランが増えて、さらにはホームランが増えていく要因になったんじゃないかと思います」

力感の無い構えによって、増えたライト方向へのホームラン。とくに圧巻だったのは、7月に放った3本だ。

まずは第30号。ドジャースタジアムのライト場外に消えた打球の飛距離は特大144m! チームメイトも頭を抱えて驚愕した一打だ。

試合後、デーブ・ロバーツ監督は「ドジャースタジアムで大谷選手のようなホームランを打った左打者はいたか?」と記者に問われ、「ショウヘイのように右中間へあそこまで飛ばしたのは見たことがないよ!」と感嘆した。

飛距離の次は、滞空時間に注目。第31号は大きな放物線を描き、ライトスタンドに着弾するまで「7.1秒」という滞空時間の長い一発となった。

そして第32号は、2階席を越える鋭いホームラン。今季2番目に強い打球で、自己最速タイの191キロの打球速度を記録した。

試合後のインタビューで大谷は、こんな言葉を残している。

「打った感覚は今までの中でもトップじゃないかなというくらい、飛距離・角度も全部がよかったんじゃないかなと思います」

「上手く打てた打球がいい飛距離やいい速度でホームランになるのはもちろんいいことですし、自分のバッティングの可能性としては広がってくるので、いいことかなと思います」

こうして新たなバッティングの可能性を広げてきた大谷。2025年はどんな進化を見せてくれるのか。

大谷翔平特集、次回の記事では驚異の盗塁成功率93.7%の秘密に迫る。

番組情報:『GET SPORTS

毎週日曜 深夜1:55より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)

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