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磯山さやか、志村けんさんとの共演は“一生の宝物”「自分があのセリフを言うときが来るなんて」

グラビアアイドルとして人気を集め、女性誌モデル、女優、タレント、野球やボートレース番組など幅広いジャンルで活躍を続けている磯山さやかさん。

何事にも一生懸命で有言実行なところも魅力。2010年に志村けんさんと出会い、志村けんさんが主催・主演していた舞台演劇『志村魂』や『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)に出演するなど“志村けんファミリー”の一員に。

 

◆「このおじさん、変なんです!」を言えるときが来るなんて

磯山さんは、志村さんの舞台『志村魂』やテレビ番組『志村でナイト』、『志村けんのだいじょうぶだぁ』、『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)など、さまざまな企画で共演することに。

-志村さんと共演されることになったときはいかがでした?-

「とにかく緊張でしかなかったです。志村さんは普段そこまですごくしゃべる方でもないので。でも、志村さんは、人のことをすごく見るんですよね。

だからすべてを見透かされているんじゃないかみたいな感じの緊張感がありました。話がすごく盛り上がるわけでもないし、大丈夫かなと思っていました、最初は。

舞台からスタートした1年目は、付いていくのに精いっぱいというか、“志村ワールド”を汚さないようにするのが精いっぱいで。コントの楽しさというよりも、見ている楽しさというか、自分が出ているところ以外はおもしろいみたいな感じでした(笑)。

テレビシリーズもその後ずっと呼んでいただいたりしていたので、不思議な気持ちはずっとありましたけど、すごく光栄でした。

やっぱり小さい頃から見ていたあの世界で、自分があのセリフ『このおじさん、変なんです!』というセリフを言うときが来るなんて思ってなかったので、すごく光栄でした。もう宝物ですね」

-志村さんの番組の収録は、スムーズに進んだのですか-

「志村さんは、NGがほとんどないんです。言い間違えてもそれをおもしろく変えてくれたり、『最後一言、言えよな』みたいなことも言って笑ってくれるし。

リアクションが思った通りじゃない感じだったときは、『もうちょっとこうして』みたいなこともありましたけど、それ以外はほとんど演者さんに対してはなかったです。おそらく演者さんが楽しまないとコントのおもしろさは出ないからということだと思いますけど、そこまできつく言われることはなかったです。

あと、『年だよ。昔はもっと言っていたし』って言っていましたけど、すごく楽しくやっていました」

-どういう風にやってもうまく受け止めてくれるという安心感はあったでしょうね-

「それはありました。最後は必ず志村さんなので、そこまでは絶対失敗させないというのは基本ベースでしたけど。たとえば、途中で笑っちゃっても、それがむしろ笑いを誘うみたいな感じだったので、本当に心から楽しいというか。志村さんのすごさですよね。

コントの世界に入ったときは、本当にいきなりおじいちゃんになるし、おばあちゃんになるし…という感じなのですごすぎて、その切り替えを見るのもしびれましたね」

 

◆何よりうれしかった「志村さんが褒めていたよ」

志村さんとの仕事では、プライベートの会話をしている中から新しいネタが生まれることもあり、いつもワクワクしていたという。

-臨機応変に対応する術(すべ)とか、いろいろ鍛えられたでしょうね-

「鍛えられました。何かあっても何とかするというか。基本的に志村さんってアドリブは少ないんですよ。舞台などもアドリブのようなものが、アドリブのように見えるお芝居なので、そのお芝居も鍛えられたんですけど。

だけど、たまにアドリブを出してくるんですよ。そういうときはハッと思いついてやってみて、笑いが起きたら次の日から使われるという流れだったので、それはそれで自分を認めていただけたという感じですごくうれしかったです」

-うまくいったときは褒めてくださったのですか?-

「人づてに『志村さんが褒めていたよ』って聞いたことはあります。私の場合は、打ち上げに毎回参加していなかったというのもあるんですけど、私が行ってないときに『昨日、さやかちゃんのことを褒めていたよ』って聞いてすごくうれしかったです」

-志村さんは照れもあって直接おっしゃらなかったのでしょうね-

「そうですね。基本的に照れ屋さんなので。『ありがとうございました。褒めていただいて』って言っても、ニヤッて笑うだけなんです(笑)。でも、うれしかったですね。

他の現場で『志村さんのところでやっているから大丈夫だね』とか『さすが志村さんに鍛えられているだけのことはあるね』って言っていただけて、それを志村さんに話すと照れながらもうれしそうしてくれていました。

(志村さんが)亡くなる前に、私が番組でちょっと密着していただいていて、志村さんとのコントの現場にも来ていただいたときに、隣同士で座っていたんですね。

そのときに密着番組のディレクターの方が志村さんに『磯山さんはどうですか?』みたいな感じで聞いたときに、すごく褒めてくれて。目の前で初めて褒めてくださるのを見たので、それはうれしすぎて感激でした。聞けて良かったなあって」

-磯山さんを見ていると、志村さんに鍛えられた部分が大きいのだろうなと感じます-

「そう思っていただけるのでしたら、とてもありがたいです。私は志村さんと出会ってコントの世界を経験させていただいて、志村さんには感謝してもしきれないほどたくさんの経験とご縁をいただきました。志村さんに教えていただいたことは一生の宝物です。

志村さんのおかげで、それまで経験がなかったコントというジャンルを経験させていただいて、コントで学んだことがお芝居の仕事にもつながっていて。

志村さんのコントは日常的なことをおもしろく見せるので、お芝居をやりすぎてもダメなんです。だから、ほかのお芝居の現場でも、自然な演技をするように心がけています」

 

◆芸能生活21年目で個人事務所を設立

2021年、磯山さんは21年間在籍した事務所から独立し、新事務所を立ち上げた。

「ちょうどコロナ禍だったんですけど。でも、楽しみが一番というか、不安ももちろんすごくありましたけど、やってみなきゃわからないというほうが大きかったので、1回やってみてダメだったらまた考えるみたいな感じでした(笑)」

-浮き沈みの激しい芸能界でずっとコンスタントにお仕事を続けているのはすごいことですよね-

「ありがたいです。いただけるお仕事はありがたいと思って頑張ってやらせていただいています。何もわからない高校生のときから前の事務所には本当にお世話になったので、恩返しの意味でも頑張らなきゃいけないなと思っています」

-仕事を決める最終判断はご自分で?-

「そうですね。基本的なスタイルは、今も変わってはないんですけど、相談してお仕事させてもらっています。

あと、将来的には自分でも誰かを育ててみたいというのもちょっとあったので、今後そういうこともできたらいいなと思っています」

コロナ禍での独立だったが、『鎌倉殿の13人』(NHK)で大河ドラマ初出演を果たし、『再雇用警察官』シリーズ(テレビ東京系)、『君が、おにぎり好きだから。』(中京テレビ)、映画『虎の流儀 ~激突!燃える嵐の関門編~』(辻裕之監督)、CM、ラジオ、バラエティ番組などに多数出演。

18年ぶりとなる主演映画『愛のこむらがえり』(髙橋正弥監督)が2023年6月23日(金)から公開される。次回後編では撮影エピソードなども紹介。(津島令子)

ヘアメイク:渡辺順子
スタイリスト:竹川尚美

©『愛のこむらがえり』フィルムパートナーズ

※映画『愛のこむらがえり』
2023年6月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
2023年6月30日(金)よりシネ・リーブル梅田ほかにて公開
配給:ブラントフィルムズエンタテインメント
監督:髙橋正弥
出演:磯山さやか 吉橋航也 篠井英介 菜葉菜 京野ことみ しゅはまはるみ 浅田美代子 菅原大吉 品川徹 吉行和子 柄本明

「幸せなお母さん」になるのが夢だった香織(磯山さやか)は、地元の鉾田メロン映画祭で受賞した無名の映画監督・浩平(吉橋航也)の自主映画に感動し、スクリプターになるべく上京。浩平と運命の再会を果たし、浩平にいつか誰をも感動させる映画を撮ってもらう日を目指して同棲生活をはじめるが、8年の月日が流れ…。

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