走行なくともドライバー大忙し。「ル・マン」現地レポ【写真17枚:ル・マン24時間レース】
今年で85回目の開催を迎える「ル・マン24時間レース」(通称ル・マン)。
レースは現地時間6月17日(土)の15時スタートだが、それに向けて現地ではさまざまな行事が開催中だ。
現地の6月13日(火)は、まだ走行もなくゆったりとした雰囲気かと思いきや、意外にもドライバーは忙しい1日を過ごしている。まず、午前10時から全ドライバー参加のブリーフィング、11時から全ドライバー参加の記念撮影。
その後少し休憩があるが、午後はチーム内のミーティングや取材対応などが続き、午後3~4時前後にはコースチェックをすべくドライバーはコースを歩く。そして、午後5時からはファンに向けた全ドライバー参加のサイン会。これが午後6時半まで続き、そのままピットストップ練習へと続く。
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非常に興味深いのは、全ドライバー参加の公式写真撮影のとき、いったん撮影が終了すると、今度は今年初めてル・マンに参加するドライバーだけが集まり記念撮影を行うこと。つまり、ルーキードライバーの集合写真だ。
このなかには、アメリカのレースで大成功しているトニー・カナーンや、元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ、日本からは国本雄資が参加していた。非常に興味深いので、撮影を終え自分のチームのガレージへ帰るバリチェロに声をかけ、「すでにF1で成功し、モータースポーツの経験も多いあなたが“ルーキー”と呼ばれる気分はどうですか?」と聞いた。
すると返ってきた答えは、「うん、なんかルーキーと呼ばれると若返った気分だよね。別に嫌じゃないよ。新人として扱ってもらえるのは、非常に嬉しいね」と笑顔。
さらに、国本はサイン会について、「こんな長いサイン会をした経験はないので、ちょっと疲れましたけど、楽しかったですね。ファンもすごく熱狂的なトヨタファンがいたりして」とのことだった。<文・写真/田口浩次(モータージャーナリスト)>
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以下、現地の写真を紹介していこう。
今年のTOYOTA GAZOO Racingのホスピタリティテント。ここがドライバーやスタッフの食事場所や休憩場所となる。また、メディア向けの会見なども行われる。
全ドライバー集合の公式写真撮影は午前10時半からだが、9時半過ぎにはこのようにカメラマンが集まりだす。
安全確認などをするドライバーズミーティングが少し長引き、予定より少し遅れてドライバーたちがグリッドに集合。
なかなか全員が撮影ポジションに並ばないので、最後はスタッフがせかすようになる。
全ドライバー参加の公式記念撮影の舞台裏はこんな感じ。世界中のカメラマンが撮影している。
メインストレート手前の最終シケインには、大きなル・マンの文字が路面に描かれていた。
今年もコースが一部変更となったため、各チームのドライバーたちはコースチェックなどをする。
夕方からは全ドライバー参加のサイン会。90分と長く、ドライバーの忍耐力が試される(?)
初参加の国本も90分間フルに笑顔でサインしていた。本人曰く「楽しいけれど、大変でした」とのこと。
仕上がりはこんな感じ。オートメーションのごとく、3人のドライバーが次々とサインしていく姿は圧巻。
9号車のドライバーたちは、3人ともレーシングスーツをしっかりと着ていた。暑いから大変なのだ。
ポルシェドライバーも人気。自分で描いた画の作品を持ち込む熱狂的なファンもいる。
フォードは今年4台のマシン体制。トニー・カナーンとスコット・ディクソンが同じチームに参加。
アメリカの人気ドライバーはフランスでも人気だった。また、ル・マンにはアメ車ファンが意外と集まってくる。
コルベットには、F1ドライバー、ケビン・マグヌッセンの父で、元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンも参加。
アストン・マーティンのチームシャツは、F1チームなどがレース後に着用するオレンジや黄色のウエアに似たカラーリング。
車検チェックに訪れたコルベットチームが、トヨタ前で駐車してピットストップ作業を見学。