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詐欺、土下座、そして自殺…『やすらぎの郷』衝撃の第11週をおさらい

「倉本聰がシニア世代に贈る大人のための帯ドラマ」として4月から放送を開始し、シニア世代のみならず大きな注目を集めている石坂浩二主演の平日昼の帯ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)。

6月12日から6月16日に放送された第51話~55話(第11週)では、前週に発覚した“詐欺事件”のてん末、そして、その後に起きた衝撃の出来事までが描かれた。

そんな第11週のストーリーを、まとめておさらいしていこう。(写真はすべて©テレビ朝日/無断転載禁止です)

 

◆小春、「やすらぎの郷」を去る

テレビに功績のあった者だけが入れる老人ホーム「やすらぎの郷」。ここで、警察も介入する大きな事件が起きた。

入居者の元シャンソン歌手・及川しのぶ(有馬稲子)とその同居人でパートナーの貝田英信(藤木孝)が、「やすらぎの郷」のゲストハウスを訪れていたテレビ局の元敏腕プロデューサー・石上五郎(津川雅彦)による“隠し財産”狙いの詐欺に遭ったのだ。

石上はすぐに行方をくらましたが、そこで疑いの目を向けられたのが、石上と一緒に施設を訪れていたアメリカ帰りの元女優・犬山小春(冨士眞奈美)。かつて好き勝手な言動で皆から嫌われ日本のテレビ界を干されてしまった小春だが、今回の訪問の目的は“昔仲が良かった及川しのぶとの仲直り”であって、それ以外にはない。詐欺にも関係していない

しかし小春は、警察で事情聴取を受けることになる。

事情聴取を追えて「やすらぎの郷」に戻ってきた小春は、詐欺によって精神状態が崩壊寸前となっている及川しのぶの部屋を訪れた

しのぶがなぜそこまで落ち込んでいるのかといえば、隠し財産を盗られただけでなく、今回の詐欺は彼女がかつて司会を務めたバラエティ番組の草分け『しのぶの庭』の復活を謳ってお金を引き出した詐欺であり、しのぶはこの“復活”の話に大喜びし夢をもっていたからである…。

そんなしのぶに、詐欺事件とは無関係だと訴えながらも「やっぱり私、来なければよかったんだ」と詫びる小春。すると、しのぶは小春に、飲んでいた酒を2回も浴びせかけた。そして、騒動を持ち込み、「やすらぎの郷」での静かな暮らしを踏みにじったとして、入居者全員への謝罪を要求する

翌朝、小春はこれに従い、皆が食事をとっているときに、「皆様のやすらぎの場に、招かれてもいないのに現れて申し訳ありませんでした」と土下座しながら謝罪をした

そんな彼女に優しく近づいて慰めたのは、脚本家の菊村栄(石坂浩二)と大女優の“姫”こと九条摂子(八千草薫)、そして、元任侠スターでここ数日小春と親しくしていた高井秀次(藤竜也)だ。

栄と秀次は、小春を海辺へと連れ出し、彼女もまた石上五郎に騙され一文無しになってしまったことを知ると、小春にお金を融通。秀次はさらに、身に付けていたペンダントをお守りとして渡し、「忘れましょう!」と不器用ながらも優しさが伝わる言葉をかけた。

そして、その日のうちに小春は「やすらぎの郷」を去る。見送る者はひとりもいないと思われたが、門の前には九条摂子と“お嬢”こと白川冴子(浅丘ルリ子)の姿が…

彼女たちも「みんなから」と言って小春に餞別を渡し、優しい言葉をかけ、傷つきながら去っていく小春のことを見送った…。

 

◆及川しのぶの様子が!そして…小春の衝撃の死

そんななか、及川しのぶの様子が急変する。

以前から認知症の疑いがあると言われていたしのぶだったが、今回の事件のショックからか、ボケが進行したかのような行動をとり始めたのだ

テレビ局の車が迎えに来ないと文句を言いながら玄関ホールに出てきたり、『しのぶの庭』のテーマソングをピアノで弾き始め、集まってきた入居者に笑顔を振りまきながら得意満面で歌を披露したり…。

ついには、「しのぶの庭、40年ぶりの再開!」を宣言し、その場で妄想のように“復活番組”の進行をし始めた…。この姿に、見ていた入居者たちは言葉を失い、ショックを受ける。

そしてさらに、翌朝の新聞に衝撃のニュースが掲載された。

犬山小春が、投身自殺をしたのだ。これまでにも自殺未遂を起こしたことのある彼女だったが、3階以上から飛び降りることはなかった…。しかし記事には、“ビルの10階から”飛び降りたと書かれていた。

このニュースが「やすらぎの郷」にもたらした衝撃は当然非常に大きく、入居者たちは、大騒ぎするのではなく、みな自分の部屋から出ず静かに重苦しく過ごした。

そして、小春の自殺を報じる新聞記事はあまりにも小さく、また「女優」とも書かれていなかった…。テレビでは、まったく報じられない。

そんな、忘れられた女優のてん末は、「やすらぎの郷」の入居者一人ひとりにより重苦しい衝撃をもたらすことになる。

そんななか、小春の身内がなかなか見つからないと聞いた菊村栄は、誰もいなければ自分が引き取ると決め、急きょ東京へと向かう。そこで、小春の自殺の報道を見てやってきた中山保久(近藤正臣)と会った。中山は、栄と共にテレビの黄金期を築いた“戦友”のディレクターだ。

中山も“小春の死”に対して報道陣が誰も駆けつけていないことにショックを受けるが、ふたりはそこから小春の葬儀をおこなうために奔走。小春の遠い親戚だという若者と一緒に、寂しく小春をおくった。

◇◇◇

文字通り“衝撃”の展開だった、犬山小春の投身自殺。

この報を受け、“姫”こと九条摂子(八千草薫)が眠っている及川しのぶ(有馬稲子)に「あの人いい人よ。(過去のことは)水に流してあげてね。許してあげてね」と涙ながらに語り掛けるシーンは、多くの視聴者の心を揺さぶったことだろう。

『やすらぎの郷』は第55話までの放送を終え、全130話に向けまだまだ続いていく。

 

※ドラマ『やすらぎの郷』は、こちらにて無料の見逃し配信も展開中

※これまでのおさらい
第1週(第1話~5話)までの「おさらい
第2週(第6話~10話)までの「おさらい
第3週(第11話~15話)までの「おさらい
第4週(第16話~20話)までの「おさらい
第5週(第21話~25話)までの「おさらい
第6週(第26話~30話)までの「おさらい
第7週(第31話~35話)までの「おさらい
第8週(第36話~40話)までの「おさらい
第9週(第41話~45話)までの「おさらい
第10週(第46話~50話)までの「おさらい

 

◆第56話あらすじ

犬山小春(冨士眞奈美)の死から2カ月。

夏を迎えた『やすらぎの郷』に恒例のヌーディスト・ビーチが出現する。一糸まとわぬ姿で海水浴に興じる井深凉子(野際陽子)と三井路子(五月みどり)。いつもの磯釣り中にその光景を目にした菊村栄(石坂浩二)は、迷惑なようなそうでもないような…。

その晩、その凉子から栄は、大事な話があると相談を持ちかけられる。

 

※番組情報 帯ドラマ劇場『やすらぎの郷

毎週月~金・午後0:30~午後0:50、テレビ朝日系24局
<再放送:【BS朝日】毎週月~金 午前7:40~午前8:00>