日本人ゼロの強豪メジャー球団で異例の評価 米国で激レアな「鍼」の技術で活躍する日本人トレーナー

大谷翔平をはじめ、今年も多くの日本人が活躍を見せるメジャーリーグ。
その最高峰の舞台で輝いているのは、選手だけではない。選手たちを陰で支える裏方スタッフにも、欠かせない存在となっている日本人がいる。
テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、そんな日本人スタッフたちの知られざる現場に密着した。
◆米国で激レアな「鍼」の技術で支える日本人トレーナー
強豪が揃うと言われるア・リーグ東地区で、現在ヤンキースと首位を争っているタンパベイ・レイズ。
日本人選手は所属していないが、チームに欠かせないアスレティックトレーナーを務めているのが福田紳一郎さん(41歳)だ。
「プレーオフも入れると(年間)180試合以上になります。1年を通してケガをしないように、選手のケガ予防がメインゴールです」(福田さん)
福田さんは、メジャーでは非常に珍しいスキルを持っている。それは、日本でおなじみの「鍼」だ。
「筋肉が張っているところに鍼を当てると弾くことがあるんです。その反応を僕は重要視しています。筋肉が弾くことによって結構スパンと緩むので」(福田さん)
選手に鍼を打つのは主に試合後。興奮状態になっている体をリラックスさせ、体の回復を早める目的があるという。
「今、結構バンバンに張っているので、反応が落ち着くまで刺激を入れて、(筋肉の)張りを取っていきます。ここを触ると、もうだいぶ取れている」(福田さん)
福田さんの鍼の技術に、選手たちは絶大な信頼を寄せる。
昨季73登板し、WBCアメリカ代表にも選ばれたグリフィン・ジャックス投手は、「体全体をみてくれるのでチームに欠かせない人物です」と絶賛。昨季の開幕投手で11勝を挙げたライアン・ペピオ投手も「先発するたびに最も頼りにしている存在です。登板を終えた後は必ず鍼を打ってもらいます」と語る。
◆「ほかの人が絶対できないことができる」
福田さんがメジャーのトレーナーを目指して渡米したのは、2007年。猛勉強の末、2013年にアメリカのトレーナー資格を取得し、翌年レイズに入団。その後、日本で学んできた「鍼」を活かすため、アメリカの鍼灸師資格も取得した。
「アメリカで鍼灸が全然流行ってないというのはすごく感じていました。(アメリカの)鍼灸師資格を取れれば、ほかの人が絶対できないことができるので、チャンスでしかないと思いました。アメリカ人たちよりも僕らは上をいって、お金を余分に払ってでも雇いたいと思われる人材にならないとダメだなとわかっていたので」(福田さん)
「鍼」を武器に夢への道を自ら切り拓いた福田さん。そんな彼の周りには、同じ志を抱く2人の仲間がいる。
1人目は、過去に野茂英雄のトレーナーを務めた大ベテランの渡邊誉さん(51歳)だ。
「日本人がメディカルスタッフに3人いるのは心強いですね。やっぱり日本語を喋れるというのは、文化も食事も違うところで、すごく助けになっていると思います。いろんなチームで日本人選手が活躍していますが、同じように私たちスタッフが活躍できる場も、もっともっと増えていったらいいなと思います」(渡邊さん)
そしてもう1人は、3Aトレーナーの神谷努さん(32歳)。福田さんの後を追って鍼を学んでいるといい、「3日間のドライニードリング(鍼の施術)コースを受けたんですけど、紳さん(福田さん)から学んでやっています。もう少し頑張ります」と意気込みを語った。
2人の同志とともに、福田さんはメジャーの現場でさらなる可能性を広げ続けている。
※番組情報:『GET SPORTS』
毎週日曜 深夜1:55より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)