『相棒』元日SPの監督が驚く水谷豊の“すごさ”「画面にも間違いなくあらわれている」
2019年1月1日(火・祝)に放送される『相棒』元日スペシャル「ディーバ」。
今回の元日スペシャルにはゲストとして大地真央と西岡德馬、さらに産休後初のドラマ出演となる仲間由紀恵や、及川光博ふんする2代目相棒・神戸尊が約2年ぶりにレギュラー放送に登場することも決定。平成最後の『相棒』元日スペシャルを盛り上げる超豪華キャストの共演に、放送前から注目が集まっている。
そんな2019年の元日スペシャルのメガホンをとるのは、権野元(ごんのはじめ)監督。最新シリーズとなるseason17では、第3話「辞書の神様」、第6話「ブラックパールの女」、第8話「微笑みの研究」、第9話「刑事一人」を監督した人物だ。
意外にも「もともと映画が好きだったわけではないんです」という権野監督。196cmの長身を生かし、中学時代はバレーボール、高校時代はアメリカンフットボールに打ち込んできた彼に、映像の世界へ進むことになったきっかけと、監督になるまでの経緯を聞いてみた。
権野:「“ひねりたい”という思いがあって…この体格でスポーツ選手ってわかりやす過ぎるじゃないですか(笑)。だから『スポーツ以外で飯を食いたい』という気持ちがあったんです。
そうしたら、浪人時代にたまたま映画を扱う深夜番組で映画制作スタッフの募集を見つけて。そこから約2年間、アルバイトしながら映画の制作スタッフをやらせてもらいました。
でも映画に詳しくないし、この先どうしたらいいのかと悩んでいたら、周りの人達から『映画学校というのがあるから、そこで勉強してみたら?』と教えてもらいました」
そして映画学校に通い、26歳で監督デビューをはたす。30歳を過ぎたころ、再び勉強しなおすため助監督に戻り、その後さまざまなタイトルに携わるなかで転機となる作品と出会う。
権野:「今回の『相棒 元日SP』にも出演してくださる及川光博さんが主演の『悪貨』(2014年 WOWOWで放送)というドラマです。全話を通して撮らせてもらったことが、監督として大きな転機になりました」
◆『相棒』はドラマの雰囲気が独特
その後、『相棒』season15で第7話「フェイク」、第8話「100%の女」を、season16では 第15話「事故物件」、第17話「騙し討ち」、最終回「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」を担当。権野監督は、初めて『相棒』の撮影に参加したときの感想を以下の言葉で振り返る。
権野:「『相棒』は、ドラマの雰囲気が独特。撮り方もそうですし、世界観にも特徴があります。あと、やっぱり水谷豊さんの長ゼリフがすごいです。
最初、現場に入るときは緊張しましたが、映画畑の人が多かったのもあって、やりやすかったです。
演出に関しては、この長い期間の中で、水谷さん、反町さんが紡いでいた右京さん、亘さんのキャラクターを大事にしつつ、ポイントで相談すると云う感じでしょうか。だって、誰よりもお2人がキャラのことは分かっていますからね」
そして今回、初めて挑戦することになった『相棒』元日スペシャル。同エピソードの撮影や演出で、こだわった点について聞いてみた。
権野:「演出において『右京と亘が一緒にいるところを見たい』と、つねづね思っていて。2人で “相棒”ですからね。『2人がどうするか』『2人でどうするか』がよく出るようにしたいなということを考えています。
シーンによっては1人だけで動いていることもありますが、そのベースとなる部分に“もう1人の相棒”が感じられる作品になるよう心がけています。
あと“表情を想像したい”というシーンのときは背姿にしたりして、あえて表情をあまり見せないようにしています。水谷さんと反町さんは、表情以外の部分でもしっかり“表現”ができる俳優なので、安心して背姿を撮れる。
今回もそういうシーンがいくつかあるので、みなさんがご覧になるときはそのあたりも注意して見てもらえれば嬉しいです」
◆水谷さんは「“空気づくり”がすごい」
さらに『相棒』元日スペシャルの撮影で印象に残ったことについて、権野監督は以下のように答えてくれた。
権野:「水谷さんには毎回ながら驚かされます。お芝居への取り組み方は勿論、リラックスできる撮影現場の“雰囲気づくり”や“空気づくり”がすごく上手で。水谷さんご自身も映画監督をされているのも関係しているかもしれませんが、そうした“良い空気感”は画面にも間違いなくあらわれていると思います。
あと、反町さんのアクションシーンは撮影していて楽しかったです。元日の放送ですし、派手にやれてよかった。反町さんは、やっぱりかっこいいですね。
あと、せっかくなので冠城亘(反町隆史)と神戸尊(及川光博)の共演も見たいよなと思い、アクションシーンを盛ってみました。それを知った及川さんのベイベー(ファンの方)さんからのメッセージがたくさん来ています(笑)」
最後に、『相棒』元日スペシャルの見どころを語ってくれた。
権野:「ストーリーに関しては、いろいろな事件が起こるなかで、その全てが最終的に一点に帰結していく。その時点で『誰が一番悪いのか』に注目して最後までじっくり楽しんでもらえればと思います。最後まで見ないと分かりませんよ(笑)。あと、右京&亘の変装もお見逃しなく!!」
※番組情報:テレビ朝日開局60周年記念『相棒season17』元日スペシャル「ディーバ」
2019年1月1日(火・祝)午後9:00〜午後11:15、テレビ朝日系24局