「女にできるわけないと言われ…」注目の女性落語家が歩んだ苦難の道 偏見跳ね返し女性初の快挙
8月28日(木)に放送された『徹子の部屋』には、女性落語家の桂二葉(によう)が出演した。
【映像】「女にできるわけない」偏見を跳ね返した女性落語家 歩んだ苦難の道のり
今、もっともチケットが取れない落語家と言われる桂。2021年には「NHK新人落語大賞」を満場一致の満点で受賞し、50年の歴史で女性初の快挙を成し遂げた。
落語との出会いは大学時代。テレビで偶然見かけた笑福亭鶴瓶に「素敵な人」と一目惚れし、彼が落語家だと知って寄席に足を運ぶようになったという。「大学生の時はちょっとタイプでした」と笑いながら振り返った。
しかし、これまでほとんど男性しか活躍していなかった世界だけに、弟子入りを許されるまでには苦労があった。入門してからは噺を覚えるのに四苦八苦。15分の噺を覚えるのに半年もかかり、師匠の桂米二を困らせたという。
入門当初はインパクトを狙ってアフロヘアで舞台に立っていたが、それにも深い理由があったそうで…。
「舞台袖から女性の落語家が出てきたら、お客さんが『うわぁ、女の人出てきた。なんかちょっと嫌やな』みたいな空気があったんです。でも、アフロの人が出てきたら、そんなことどっかいってしまって、『この人何考えてんだろう』って方向にいくと思った」
数少ない女性落語家として活躍するなかで、そうした偏見に直面することも少なくなかったという。
「飲みに行っても、知らんおじさんに『古典落語、女にできるわけないやろ』と言われたりしました。もちろん業界の人にも言われたこともありましたし、お客さんからの視線でそういうことを感じることもありました」と明かした。
黒柳徹子が「どうして女性がやると難しいんでしょうね。笑わせるのは」と投げかけると、桂は「落語っていろんな登場人物が出てきますけど、アホな人、東京でいうとバカな人と女性との間には、すごく距離があると思う。どうしても痛々しくなってしまう」と分析。
「子どもの時も廊下を走っているのは男の子だったと思うんです。私も走りたかったけど、冷たい目で見られるとわかっていたから。日本の社会が“女性とアホなこと”との間に距離を作っているのかなと思う」と語り、黒柳も「なるほど」と感心した。
それでも、「高座に座って、みんなが自分に対して好意的じゃないとわかったとき、どうなるんですか?」と黒柳が尋ねると、桂は「メラメラします。何とかしてやろうって」と返答。偏見がむしろ闘志をかき立てたようだ。
そして「笑わせられるって自信はありました?」という質問には、「あります」と即答し、「あんまり賢くないから、落語だと自然にアホな人ができる」と自信を見せていた。
そのほか番組では、師匠からの手紙や両親とのエピソードも紹介。さらにスタジオで落語を生披露し、黒柳との掛け合いで笑いを誘った。
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※番組情報:『徹子の部屋』
毎週月曜~金曜 午後1:00~午後1:30、テレビ朝日系列