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「彼もヨガをやっているのかも」片岡鶴太郎、牛尾刑事30周年で思い語る

寡黙にして実直、執念の捜査で事件の奥底に潜む真相に迫る新宿西署のベテラン刑事、“モーさん”こと牛尾正直(うしお・まさなお)。

彼が森村誠一氏の原作に初めて登場したのは、1987年1月刊行の『駅』。今年は“牛尾刑事誕生30周年”に当たる。

©テレビ朝日

そんな牛尾刑事30周年を記念し、4月22日(日)に『森村誠一ミステリースペシャル 殺意を運ぶ鞄』が放送。番組に先駆け、1996年から約22年に渡って牛尾刑事を演じ続けている片岡鶴太郎が、役柄への思いを語った。

 

◆主演・片岡鶴太郎「今年いちばん面白いミステリー」

牛尾正直刑事は、その名のとおり正直で実直。どんな事件でも足を棒にして捜査に当たり、複雑に絡み合った謎を丁寧に解きほぐして真犯人を見つけ出す。

22年間牛尾刑事を演じてきた片岡は、「彼は名前のとおり、“正直”な人。常に事件の謎について考えていて、ストイックでもある…。まるでヨガをやっている私のようです。たぶん牛尾刑事もヨガをやっているんじゃないかな(笑)」とジョークを交えながら語る。

また、「僕は22年間、ずっと牛尾刑事の生き様に感銘を受け、彼を敬服している。“彼のような人間でありたい”という思いから役に入っていきます」と、常に牛尾刑事へのリスペクトを胸に作品に携わってきたことを明かした。

©テレビ朝日

記念作の『殺意を運ぶ鞄』は、大都会の片隅で製薬会社の元社員の撲殺死体が見つかったところからはじまるストーリー。被害者は生前、電車で乗客に荷物を取り違えられたことがきっかけで人生を大きく変えていたことが判明。そんな一瞬の偶然が生んだ悲しくも切ない事件の真相に牛尾が迫っていく。

片岡は、「ありふれた日常の中で起きたちょっとした出来事から歯車が乱れ、大きな事件につながっていく…そんな人間の持つ儚さ、脆さを描いた物語が長期にわたって支持されてきた理由だと思います」とシリーズの魅力を分析。

そして、「『殺意を運ぶ鞄』も、まさに日常に潜む脆さを描いた作品。いや、もうこの作品は今年いちばん面白いミステリーじゃないかと思いますよ!」と自信を込めてPRした。

牛尾刑事というキャラクターが生み出されて30周年。記念作『殺意を運ぶ鞄』では、改めて同シリーズの魅力が再確認できそうだ。

 

◆片岡鶴太郎 コメント<全文>

――牛尾刑事が誕生して30周年を迎えましたが、今のお気持ちは?

片岡:「当初は、こんなにも長きに渡って演じさせていただけるとは思ってもいませんでした。1本1本、そのときの自分が持っている限りの力を出し尽くす形で演じてきました。

長寿シリーズとなりましたが、これはひとえに池広一夫監督やスタッフのおかげ。まず、なんといっても台本が面白いんですよね。毎回台本をいただくたびに、一視聴者として本当に面白いなと心底、感じ入ってしまうんです。

さまざまな人物が登場し次第に集約されて最終的に犯人にたどり着く…というのは、森村誠一先生の作品ならでは!

罪を犯してしまった人間もまた抗えない運命や性を背負っていて、牛尾刑事を通して“人間”が描かれているところに、このシリーズの大きな魅力があるのだと思います」

――牛尾刑事は片岡さんにとってどんな存在ですか?

片岡:「牛尾刑事は名前のとおり、本当に正直な人。常に事件の謎について考えていて、ストイックでもある…。まるでヨガをやっている私のようです。

たぶん、牛尾刑事もヨガをやっていると思いますよ(笑)。というのはジョークですが、僕は22年間ずっと牛尾刑事の生き様に感銘を受け、彼に敬服しています。

常に、“彼のような人間でありたい”という思いから役に入っていきます」

――牛尾刑事らしさを象徴するエピソードはありますか?

片岡:「衣装が超シンプルなんです。基本はスーツ、ワイシャツ、ネクタイで、1作品につき、ひと揃えしかないので、衣装替えもなくて楽です(笑)。

牛尾は捜査には没頭しますが、ファッションに関してはおそらく無頓着。

岡江久美子さん演じる妻・澄枝さんに選んでもらったものを着ているのではないかと考えてのことなのですが、最近はヨガをやっている僕の体型に合わせてちょっと詰めてもらったりしています。

それも、澄枝さんは夫にダボダボのスーツは着させないだろうな、と考えてのことです」

――撮影期間でも早朝からのヨガを欠かさず続けていらっしゃるとのことですが?

片岡:「もちろんそれは変わらないですね、1日も休んだことはないですから。そうやって身体と精神を整えて撮影に入るのがベストだと思っているので、やらないで現場に行ったら、どうなっちゃうのかわかりません(笑)。もう自分の1日のはじまりのルーティンになっています」

――牛尾刑事30周年記念作『殺意を運ぶ鞄』の面白さは?

片岡:「いわゆる刑事モノには派手なアクションや劇的な展開がつきものですが、この『終着駅シリーズ』が描き出すのは“日常”。

ありふれた日常の中で起きたちょっとした出来事から歯車が乱れ、大きな事件につながっていくという展開で、そんな人間の持つ儚さ、脆さを描いた物語が長期にわたって皆様に支持されてきた理由だと思います。

『殺意を運ぶ鞄』も、まさに日常に潜む脆さを描いた作品。いや、もうこの作品は今年いちばん面白いミステリーじゃないかと思いますよ!」

――これからも牛尾刑事を演じ続けていく“決意”をお聞かせください!

片岡:「御年88歳の池広監督の情熱がこの作品を引っ張ってくださっているので、僕は監督がメガホンを取り続ける限り、ついていきます!」

※番組情報:日曜プライム『森村誠一ミステリースペシャル 殺意を運ぶ鞄』
2018年4月22日(日) 午後 9:00 ~午後 10:52放送、テレビ朝日系24局