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センバツ開幕!優勝のカギは「フライ革命」と「パツパツユニホーム」

©テレビ朝日

春の選抜高校野球が23日、兵庫・甲子園球場で開幕した。今年は第90回の記念大会で、夏の甲子園も第100回大会とあって、例年以上の盛り上がりだ。

開会式で出場36校が入場行進。毎年見ていると、ユニホームの着こなしには時代ごとに流行がある。近年はよく伸びる素材の普及で、ピチピチな“スキニー派”が主流になった。その筆頭格は春の2連覇を狙う大阪桐蔭。智弁学園(奈良)、明徳義塾(高知)など西日本の強豪校を中心に、特に下半身はパツパツだ。鍛え上げた足腰は、強さの象徴。大手スポーツメーカーに聞くと、本来はLサイズでも、下はMやSの小さめサイズを着用して、アピールするこだわり派が多いそうだ。

大リーグ(MLB)の選手にならい、日本のプロ野球でもユニホームの裾(すそ)が長くなり、動きやすいようにブカブカな大きめサイズが流行った。高校野球はストッキングを上まで見せる伝統スタイルを順守。今年も大きな変化はないが、この日の開会式を見ていると、ユニホームの上は少し大きめにして、下はピチピチのチームが多く、微妙なこだわりを感じる。そのなかで星稜(石川)は松井秀喜氏(43)の頃のように、下もゆったりめで懐かしい雰囲気。一時、流行したハイネックのアンダーシャツが減り、帽子のつばは折り曲げず、MLBから流行った「まっすぐ派」が増えた。制限が多いなかでも、高校球児はおしゃれに工夫をこらしているのだ。MLBではストッキングをひざ上まで見せる選手も出現しているが、果たして制限されるだろうか。

着こなしが少しずつ変わる一方で、プレーや戦術面はどんどん進化している。MLBでデータ解析するシステム「セイバーメトリクス」が導入され、打順で主軸のつなぎ役とされてきた2番に強打者を置くようになり、2016年にマイク・トラウト外野手(26=エンゼルス)、クリス・ブライアント内野手(26=カブス)がリーグMVPを獲得。その「2番打者最強説」は日本でもすぐ広がり、高校野球でもバントをせずに、打って出る選手が増えた。さらにMLBでは、各打者の成績、特徴をデータ化して守備位置を柔軟に変化。それを打ち破るため、弾道測定器「トラックマン」を使い、ゴロを打つより、打ち上げた方が得点につながると「フライボール革命」が起き、本塁打の量産につながった。

日本のプロ球団も競うようにトラックマンを導入して、今季は「野球が変わる」という予想も。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(29)のフルスイングが、がぜん注目されている。流行に敏感な高校野球の強豪校でも、大阪桐蔭などは既にゴロよりフライを打たせている様子。昨年の選抜甲子園は、大会通算333得点、608安打、112二塁打の大会新記録を樹立。夏の甲子園では、大会通算68本塁打の新記録。それが“予兆”となって、今年はさらに爆発する可能性あり。延長戦のタイブレーク方式の導入などもあり、プレミアムイヤーを迎えた高校野球が、大きく変わるかもしれない。