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柄の意味を知ると深い…武井咲が『黒革の手帖』で見せた着物ファッション振り返り

7月から放送してきた武井咲主演の木曜ドラマ『黒革の手帖』がついに最終回を迎えた。

これまでに何度も映像化されてきた本作への出演に対し「プレッシャーを感じていた」という武井だが、見事に“最強の悪女・原口元子”を演じきったといえるだろう。

©テレビ朝日

ハラハラドキドキな展開はもちろんのこと、武井が劇中で見せたファッションもこのドラマの魅力のひとつだったが、なかでも“着物姿”はとても美しく、その着こなしは話題となっていた。

スタイリスト亘つぐみさんとともに着物のスタイリングを担当した秋月洋子さんによると「ここまで夏から秋への移り変わりを厳密に表現しているドラマはなかなかない」という。

たしかに前半から中盤には夏らしい涼し気な着物、クライマックスに向けて秋を感じさせる重厚感のある着物が次々と登場し、ストーリー以外でも楽しめたのではないだろうか。

ということで、番組公式サイトの「原口元子のファッション手帖」にて秋月さんのコメントともに紹介されている、主人公・元子の美しい着物姿を振り返っていこう。

 

◆ブルーのクロコバッグが新鮮!

こちらは第4話冒頭の元子。白地の紗紬に藍の濃淡で芭蕉を描いた個性的な訪問着に、黒と墨色の段ぼかしに蜀江文様が織り出された袋帯を合わせている。

©テレビ朝日

「白の着物に黒の帯というのはコントラストが強すぎて合わせるのが結構難しい」そうだが、武井の黒髪とマッチし、絶妙なバランスになったという。

©テレビ朝日

また、鮮やかな青のクロコダイルのバッグと黒の日傘など、クセがありつつも品の良い小物が「コーディネートに新鮮な印象を与えている」のだとか。

たしかにこういったバッグはなかなか着物に合わせる発想にならなそうだが、実際に持ってみると意外にしっくり。“こなれた着こなし”といった感じだ。

 

◆“昼仕様”の着付けに注目

©テレビ朝日

続いて、こちらは同じく第4話より料亭「梅村」を訪れたシーン。鉄紺地に百合と鉄線が描かれた絽の訪問着に、菱文様の紗の袋帯を合わせたコーディネート。

©テレビ朝日

クラブ「カルネ」での接客時など夜のシーンでは、帯幅もかなり広く、高めの草履を履き、裾を長めにした“銀座のママらしい着付け”にしているところ、ここでは襟も詰め気味、帯幅も少し狭く、草履も低めで一般の女性に近い着こなしにしているそう。

着物そのものでなく、そういった着付けの工夫でも印象が変わるとは驚きだ!

 

◆着物の柄に込められたメッセージ

さらにこちらは、安島富夫(江口洋介)の事務所開きのお祝いに訪れた際に見せた着物姿。

©テレビ朝日

透け感の強い夏の素材である紋紗に波が描かれた訪問着、そして白地に金銀横段模様が織り出された絽の袋帯を合わせている。

この着物に描かれた「波」は、「波に乗る」や「永遠」を表す意味があり、とても縁起のいい柄とされている。着物の柄に安島へのメッセージを込めるとはなんとも粋な図らい!

©テレビ朝日

小物は着物の鮮やかさを活かすためにあえてホワイト系で統一。華やぎはありつつも品の良いフォーマルさも感じるコーディネートだ。

 

◆暴走する元子の心情を捉えた一着

こちらは第5話、橋田常雄(高嶋政伸)のもとへ乗り込む元子。

©テレビ朝日

付下げ風に仕立てられた檸檬色と鶸色(ひわいろ)の段ぼかしの絽の小紋に、淡い檸檬色の紗の袋帯を合わせ「こんな着物見たことない!」というほどに印象的なスタイル。

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「第2話で見せた鮮やかなピンクのワンピースを着こなす元子ならこんな着物を選ぶかも」という感覚と、「いろいろな意味で元子の若さが暴走するシーン」ということでこの着物を選んだとのこと。

普段使いのバッグをさらっと取り入れているのもおしゃれ。“ワンピース感覚”の着こなしは参考になりそう!

 

◆「酔芙蓉」の花言葉が元子にぴったり

そして最後はこのドラマ用に特注でデザインし染めてもらったという、黒の紋紗地に大きな芙蓉の花が描かれた訪問着。

©テレビ朝日

芙蓉の花は昔から女性の美しさの象徴とされてきた花。なかでもこの着物に描かれている「酔芙蓉」は、時間が経つにつれ花の色が移り変わるという特性を持ち、その花言葉は「繊細な美」「しとやかな恋人」「熱い想い」「心変わり」。まるで元子そのもののような花というわけだ。

©テレビ朝日

また、よろけ縞が織り出された紗の袋帯をはじめ、着物の裾のぼかし、アメジストの帯留めなど、黒のなかに甘すぎない抑えたピンクの色を入れることで「元子の心情を表している」のだとか。

 

◆着物を美しく着るためには?

©テレビ朝日

秋月さんは、元子の着物をスタイリングする上で「実際の銀座のママが見てもリアルに思えて、抑えつつも若さも出てくるように」と意識していたという。

そのため、着方は地味でも小物使いで透明感を出していたり、しかしそんな小物はすべて“本物の素材”だったりとさりげない工夫がされていた。

また、実際に着物を着ていた武井に対し、「武井さんの所作が本当に美しい。とっさにできない仕草をさっとやってのける」と大絶賛。着物を美しく着るためには、その人自身の“意識”も重要だと話した。

昔に比べ、現代では着物を着る機会が減っているが、『黒革の手帖』で武井が見せた“最年少ママ”としての着こなしは、普段あまり馴染みのない人たちにも“着物”という存在を身近に感じさせたのではないだろうか。

元子の着物ファッションを参考に、ぜひトライしてみては?

原口元子のファッション手帖では、スタイリスト・亘つぐみさんと秋月洋子さんのコメント付きで“元子ファッション”を解説!

※紹介しきれなかった“秋の着物姿”が満載の最終回は、テレ朝動画で無料配信中!(期間限定)

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