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「勝つために鬼に」侍ジャパン・栗山監督、WBC大会中に下した苦渋の決断。チームに発表した「4番レフト、吉田」

4月2日深夜放送のGET SPORTSでは、侍ジャパン・栗山英樹監督がゲスト出演し、番組ナビゲーターの南原清隆と対談。WBC世界一の舞台裏に迫った。

テレ朝POSTでは対談の模様を全6回に分けてお届け。2回目は「主砲・村上宗隆、5番降格の裏側」に迫る。

◆苦渋の決断の裏にあった想い

準々決勝のイタリア戦。栗山監督は打順変更に踏み切った。

南原:「村上宗隆選手を4番から5番に変えたというのがかなり大きな決断だったと思うんですけど、いかがでしたか?」

栗山:「いろいろな意味があって、ここで変えても決勝戦では必ず4番に戻ると思って変えたんですけど、この試合の意味や早くムネの状態を上げないと間に合わないという思いもありました。勝つためには何でもする、鬼になるって決めていたので

僕だって本当は変えたくないんです。ムネがこの大会終わったら世界の4番になれるという評価を得られると思って進んでいたので。でも今の状態や(打線の)つながりを考えたら、この並びの方が点を取れるというのはあったので、やらなければいけないことだったんです」

南原:「言ったときに村上選手はどういう表情だったんですか?」

栗山:「本人は『わかりました!』って感じだったんですよ。こちらがあれだけ思い悩んで伝えたんですけど、『わかりました!監督勝ちましょう!』って言いましたね」

南原:「球場で『4番吉田、5番村上』って聞いたとき、栗山監督決断したな。これはもう本当に勝ちにいっている。周りも応援しようって(雰囲気に)なりましたよ。やっぱりみんな村上選手を心配しているんですね。いくら凡打しても『行け!行け行け行け!』って。ヒットを打ったときは、『やっと打ってくれた』というエネルギーがスタジアム全体を包んだ感じがしました」

栗山:「それも含めてだと思うんですね。特に(1次ラウンドは)日本だったので、そういったみんなの思いが村上のタイムリーにつながったのかもしれません」

1次ラウンド、打率1割4分3厘と不振に喘いでいた村上宗隆にようやく飛び出した大会初タイムリー。栗山監督の打順変更で悩める主砲が目を覚ました。

南原:「この舞台裏について、栗山監督を長年支えているマネージャーの岸さんが証言してくれたんですよ」

栗山:「本当ですか。岸のインタビュー!?」

栗山監督にとって高校の後輩でもあり、日本ハム時代から現在にかけてマネージャーを務めてきた岸七百樹さん。村上の不振に悩む栗山監督の様子をそばで見守っていたという。

岸:「どうやったら村上を打たせられるか(栗山監督は)ずっと僕に言っていました。『どうやったら村上が打つんだ』と。たぶんずっと朝まで考えて結論が出たんでしょうね。当日の昼に『本人と連絡を取りたい』と僕のところに連絡が来て、村上選手に『今日これでお前を出すよ』と話されていました

この証言を受けて、栗山監督はこんな本音を漏らした。

栗山:「それは考えましたよ、考えました。僕だってずっと4番で出してやりたいし、世界の4番になるよってスタートしているわけで。でもそれよりも村上をなんとか打てるようにしてあげることが大事でした。悔しかったりこの野郎と思わせたり、力を発揮させれば何でもいい。大事なゲームだからこそ動かなきゃいけないと思いました」

南原:「チームに伝えたときは、どういう空気になったんですか?」

栗山:「『1番センター、ヌートバー』って言うところから僕が発表するわけじゃないですか。『4番レフト、吉田』と言った後に間があったんですよ。吉田も自分が呼ばれると思っていなかったと思うんです。『4番レフト、吉田』って言ってから『はい』って言うまでにかなり間があったんですね。それでもうみんな気が付いているというところはありました」

南原:「村上選手が打ったときのベンチの雰囲気はどんな感じですか?」

栗山:「それはもう優勝したような感じですよ」

南原:「みんなが心配していた?」

栗山:「心配していました。普通あそこまでの選手にベンチで『今こうなっているよ』みたいなのはやらないじゃないですか。でも(大谷)翔平も言っていたし、(吉田)正尚も『ちょっと(体の)開き速いぞ』みたいなのをやっていましたね」

栗山英樹監督×南原清隆対談、次回は準々決勝でチームを盛り立てたもうひとりの選手・源田壮亮との秘話に迫る。

番組情報:『GET SPORTS
毎週日曜 深夜1:25より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)

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