ミラノ五輪“日本の顔”は、天国の母へ金メダルを誓う25歳。8人きょうだいの末っ子、父と歩んだ「1カ月3000キロ」の夢の軌跡
ミラノ・コルティナ五輪の開幕まであと9日。
テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』は、スピードスケート500メートルと1000メートルに出場する日本代表・森重航(25)を特集した。
【映像】「次は真ん中に日の丸を立てたい」ミラノでの決意を語る森重
前回の北京五輪では銅メダルを獲得し、ミラノ五輪では日本代表選手団の旗手という大役を任された森重。「今大会で絶対に金メダルは獲得したい」と語る彼の決意の裏には、亡き母への感謝と胸に刻んだ誓いがあった。
◆「スケートに気持ちが入った」あの日
北海道・別海町の酪農の家に生まれ、8人きょうだいの末っ子として育った森重。スケートをやるには決して恵まれた環境ではなかった。
父・誠さんは、「中学校の頃は、冬になると練習のために釧路まで毎週送っていかないといけなかった。本当に大変でしたよ。1カ月に車、3000キロ乗ったからね」と当時を振り返る。
それでも両親は息子の背中を押し続け、高校時代の森重の日誌には「オリンピックメダル」という目標がはっきり書かれていた。
しかし2019年、その夢を誰よりも応援していた母・俊恵さんが逝去。大学1年の夏だった。
「自分が変わろうと思ったきっかけ。夏に母が亡くなってから、気持ちがぐっとスケートに入った」(森重)
その決意は形となり、2020年にジュニア世界選手権で表彰台に上ると、翌年には全日本距離別選手権を初制覇。シニアの舞台で存在感を示すようになり、2022年の北京五輪で初出場ながら見事銅メダルを獲得した。
父・誠さんは「我が息子を褒めてやりたいです。妻も生きていたらもっと喜んだと思う」と涙を浮かべて喜んだ。
森重は両親への感謝とミラノへの決意を次のように語る。
「母親に限らず、両親ともに支えてくれたスケート人生でした。本当にずっと応援してくれていた人なので、前回大会の銅メダルを取った時から、今大会で絶対に金メダルは獲得したいと思っています」
◆「過去の自分を超えたい」旗手として挑むミラノへの道
北京五輪後、森重はさらなる高みを目指し、ナショナルチームを離脱。己と向き合い、自らを鍛え上げる道を選んだ。
さらに、2025年からは新たにトレーニングコーチをつけた。
「過去の自分を超えたい。4年前のあの時を超えるには、何かを変えないといけない」(森重)
過去2シーズンは怪我に泣かされることが多かったが、春からは股関節まわりの出力向上や、怪我をしない強靭な身体作りを徹底。その結果、筋力アップによって体重は2キロ増加した。
そんな森重のトレーニングを見た長野オリンピック金メダリストの清水宏保氏は、次のように評価する。
「スケーティング技術もコーナーワークも非常に安定していると思います。コーナーワークも斜め45度で入ってきたらずっと一定で回るし、非常に身体の使い方が安定している。全然ブレない。中に1本の鉄の棒が入っているぐらいピッと決まる」
金メダリストをも唸らせる体幹が、安定感のあるコーナリングを実現させた。
「コーナリングは誰にも負けたくない思いがあって、ミラノまで完璧に仕上げられれば世界で戦っていけると思うので、そこだけは負けずにやっていきたいなって思っています」(森重)
まもなく開幕する五輪では、日本選手団の顔である旗手として臨む森重。支え続けてくれた家族への想いを胸に、いざミラノへ。
「ミラノに近づくにつれて4年前の表彰式の光景が浮かんできて、次は真ん中に日の丸を立てたいという思いがあったので、そこからこの4年間やってきました。本番、自分の力を出すのみかなと思っています」(森重)
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※番組情報:『GET SPORTS』
毎週日曜 深夜1:55より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)










