濱田龍臣、1000人の中から選ばれた“坂本龍馬”役。当時10歳、福山雅治との初対面では「似ているね」
2010年、10歳のときに大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)で、福山雅治さん演じる坂本龍馬の幼少時代を演じ、注目を集めた濱田龍臣さん。
実写版『怪物くん』(日本テレビ系)、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(アベ ユーイチ監督)などに出演。2017年、史上最年少のウルトラマンとして『ウルトラマンジード』(テレビ東京系)の主人公に抜てきされ、近年は舞台でも活躍。
3月24日(金)には、人生初の“殺し屋役”に挑んだ映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(阪元裕吾監督)が公開される濱田龍臣さんにインタビュー。
◆芸能界入りは祖母の夢がきっかけ
エキストラ事務所に入っていた濱田さんの祖母の夢が孫と共演することだったため、濱田さんは2歳半のときに同じ事務所に所属することになったという。
「祖母がエキストラ事務所に入っていたんですけど、自分の子どもか孫、血縁者と共演がしたいという夢があったので、子どもたちが物心ついたときに『やってみない?』って全員に聞いたんですって。そうしたら全員『イヤだ!』と言ったらしくて(笑)。
それで、僕が生まれたときにまだ祖母が仕事をずっと続けていたのもあって、『どう?』って親に聞いたら、『いいんじゃない』って親がふたりとも言ったみたいで、同じ事務所に入ることに。2歳半くらいだったみたいです」
-2歳半だと記憶もないでしょうね-
「ないですね。本当にぼんやりと、何か見覚えのないオフィスにいた記憶がちょっとだけあるんですけど、それ以外のことは何も覚えていないです」
-おばあさまとの共演は?-
「まだできてないんです。今もまだ祖母も仕事を続けていて、2021年に公開された『軍艦少年』(Yuki Saito監督)という映画に出演させていただいたときに、僕が監督に祖母の話をしていたんですね。
『軍艦少年』の撮影をやったちょっとあとに監督のワークショップがあって、そこに祖母が行ったみたいで、Yuki監督からのLINEで、『龍臣くんのおばあちゃんに会ったよ』って、祖母との2ショットの写真が送られて来ました(笑)」
-共演が実現するといいですね-
「本当にあるといいなあと思っています。共演したいですね」
-実際にお仕事をされたのは、いつ頃からだったのでしょう?-
「入った当初は、赤ちゃん雑誌にちょっと出るくらいだったみたいですけど、映像のデビューとしては、5歳くらいのときに『熟年離婚回避スペシャル2』(フジテレビ系)の再現VTRに出演していて。それが一応テレビに出た最初ということになるのかなと。
連続ドラマの作品としては、『まるまるちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)が最初かな? その頃ぐらいにオロナミンCのCMにも出させていただいたりしていました」
-『まるまるちびまる子ちゃん』の撮影はいかがでした?-
「遊んでもらって楽しかった記憶のほうが強いですね。役的にはそんなにすごく出てくる役ではなかったんですけど、子どもたちの年齢の幅が結構広かったんです。
僕が一番年下で幼稚園から小学1年生になるくらいの頃で、一番上は小6までいたので、いっぱいお兄さん、お姉さんがいるという感じで、僕は遊んでもらったりしながら東京テレポートまで電車でお母さんと一緒に行っていました」
※濱田龍臣プロフィル
2000年8月27日生まれ。千葉県出身。2006年、子役としてデビュー。大河ドラマ『龍馬伝』で坂本龍馬の幼少期を演じて話題に。その後、実写版『怪物くん』でヒロシ役を演じるなど人気子役として活躍。2010年、『ゴールド ドリーム アワード 2010』金の卵部門を受賞。『ウルトラマンジード』、『モブサイコ100』(テレビ東京系)、映画『ガッチャマン』(佐藤東弥監督)、映画『ハイヒール革命!』(古波津陽監督)、舞台『大地』、FMシアター『オレンジ色は僕らの夢』(NHK―FM)などに出演。3月24日(金)に映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』の公開が控えている。
◆『龍馬伝』で福山雅治の幼少時代を演じることに
愛くるしいルックスで人気子役として多くのテレビ、映画に出演してきた濱田さんだが、広く知られるようになったのは、10歳のときに出演した大河ドラマ『龍馬伝』。福山雅治さんと似ていると話題に。
「『龍馬伝』は、1000人集めて7次くらいまでオーディションをやっていたんですけど、4次くらいから2人だったんですよ。香川(照之)さんの幼少時代をやっていた渡邉甚平くんと2人で、どっちが龍馬かみたいな感じで、最終的に役をいただいたんですけど」
-自信はありました?-
「全然。自信とかそういうレベルではなかったですね。オーディションのときは小3でよくわかってなくて(笑)。『何回も行くなあ。いつになったら終わるんだろう?』みたいな気持ちでした、あの頃は」
-決まったと聞いたときは?-
「びっくりしました。何回もやっていたし、だめなんだろうなあみたいな感じが若干あったんですけど、家族で出かけていた夕方ぐらいに、当時のマネジャーさんから母親に電話がかかってきて。半泣きみたいな状態で『受かりました』って。
そうしたら父親が、『よし、今日の夜飯は寿司だ!』って言って、そのままいつも行っている回転寿司屋さんに行って、お寿司をたらふく食べました(笑)」
-福山さんとはどんなお話をされました?-
「本読みのときに、福山さんにお会いさせていただいたんですけど、『似ているね』って言われました」
-撮影で印象に残っていることは?-
「カツラをつけるのが嫌でした(笑)。痒(かゆ)くなるじゃないですか。坂本龍馬って天然パーマだから、パーマをかけて半ガツラだったんですけど、半ガツラでも付けたくなくて、NHKの中を袴のままメイクさんから逃げ回っていました。毎回『たつおみー』って言われながら『イヤだー』って、脱兎(だっと)のごとく逃げ回っていました(笑)。
パーマも人生初パーマだったんですけど、キューティクルが全然開いていなかったもので、1回目にかけたあと、駅まで5分くらい歩いていたんですけど、その途中でパーマが落ちちゃったりして、パーマを維持するというのがなかなか大変でした。
結構パーマをかけて、そのまま学校に行ったら友だちにアフロと言われ、『アフロじゃねえよ、パーマだよ』って言っていました(笑)」
-学校では皆さんに何か言われました?-
「テレビを観てくれていた友だちもいました。今でもたまに中学校の頃の同級生とか、地元の友だちが舞台を観に来てくれたり、『この前映画見たよ』ってLINEが飛んで来たりするので、『ありがとう』って」
-『龍馬伝』の2010年は『怪物くん』もありました-
「『怪物くん』の撮影も楽しかったです。本当に毎日毎日たくさんのキャストの皆さんに遊んでいただいて。生田スタジオで走り回ったりしていました。撮影に行くのが楽しかった時期です」
◆ウルトラマンになることが夢だった
濱田さんは、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』にウルトラマンゼロに変身するランの弟・ナオ役で出演。ウルトラマンシリーズの大ファンだった濱田さんの幼少期の夢は「ウルトラマンになること」だったという。
「出演させていただいて、ちょっとうれしい半分、残念半分みたいな感じでしたね、あのときは。『ウルトラマンに変身したい』というのが夢だったので、『変身できないんだ』って(笑)」
-2017年には念願叶って『ウルトラマンジード』の主人公を演じることに-
「はい。夢が叶ったのでありがたい限りです。ジードのオファーをいただいたときは、驚きのほうが大きくて。10歳で映画に出て、もしウルトラマンに変身できるとしても20歳を越えてからだよなという話を家族でしていたんですよ。そうしたら16歳で、17歳になる年だったので、『えっ?やるんですか?』みたいな感じで(笑)。
撮影していたときは最年少で、放送が始まってからは最年少タイになるんですけど、やらせてもらえてすごくうれしかったです」
-夢だったウルトラマンの撮影はいかがでした?-
「2010年の映画のときと同じスタッフさんも多くいて、『お帰り』って言ってもらえてうれしかったです」
-子どもたちから声をかけられることが多くなったのでは?-
「たまに他の撮影をしているときとかで、マスクをしてないタイミングとかフェイスシールドだと言われたりしますけど、普段マスクをしているのであまり言われなくなりましたね」
-濱田さんが小さいときに、テレビを見て憧れたように、濱田さんのウルトラマンを見て憧れたり、ウルトラマンになりたなと思う子役の方もいるでしょうね-
「そう言ってくれる子役さんもいたりします。でも逆に戦隊ライダー派の子役さんもいたりするので(笑)。
最近だと、お子さんがいらっしゃる役者さんと共演させていただいたとき、お子さんが5歳だと言われたので、『ウルトラマンを観ていたりするんですか?』って聞いたら、『戦隊を観ています』って言われて、『あー、戦隊にいっちゃったかー』って(笑)。もちろんそっちはそっちですてきなんですけど」
念願のウルトラマンを演じることになった濱田さんは、撮影と高校生活で多忙な毎日を送ることに。さらにウルトラマンのイベントで地方各地を回り、主演ドラマ『モブサイコ100』の撮影も始まる。次回は撮影エピソードなども紹介。(津島令子)
ヘアメイク:高野雄一
※映画『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』
2023年3月24日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開
配給・宣伝:渋谷プロダクション
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
出演:髙石あかり 伊澤彩織 水石亜飛夢 中井友望 飛永翼(ラバーガール) 橋野純平 安倍乙/新しい学校のリーダーズ/渡辺哲 丞威 濱田龍臣
殺しの腕はピカイチ、でも社会にはなかなか馴染めない殺し屋コンビ、ちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、さまざまな支払いに追われ、途方に暮れていた。時を同じくして殺し屋協会アルバイトのゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)兄弟も途方に暮れていた。ふたりは「ちさととまひろのポストを奪えば、正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、実行を決意することに…。