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西島いつか(関水渚)はなぜよくわからないのに設楽紘一(藤ヶ谷太輔)を押し倒してしまうのか<ハマる男に蹴りたい女>

西島いつか(関水渚)はなぜよくわからないのに設楽紘一(藤ヶ谷太輔)を押し倒してしまうのか<ハマる男に蹴りたい女>

<恋愛コラムニスト・DJあおいの『ハマる男に蹴りたい女』第8話分析コラム>

再就職先は女だらけの下宿管理人! 人生の沼にハマッた元エリート・設楽紘一(藤ヶ谷太輔)が、住人のズボラお仕事女子・西島いつか(関水渚)と“オトナの一つ屋根の下ラブ”を繰り広げるラブコメドラマハマる男に蹴りたい女

毎話“じれキュン”必至のストーリーを、Twitterやブログで独自の恋愛観を語り著名人にもファンが多い謎の主婦・DJあおいが深掘り&考察する恋愛コラム連載。毒舌(?)ながらも愛のある言葉でストーリーを分析していきます。

説明しよう、マウントポジションとは、上の選手が下の選手の胴体に正体し、馬乗りになる状態になることである。

総合格闘技では絞め技、関節技、そして上からの打撃など、絶対的に試合を支配するポジションであり、マウントポジションを取られることはつまり敗北を意味することなのである。

いつかちゃんは設楽くんにマウントポジションを取り、そして海より深いキスをお見舞いした。

これは失神KOでもおかしくない会心の一撃であり、私がレフェリーだったら迷わず試合を止め、いつかちゃんの右手を勝者として高々と挙げたでしょう。

しかし、これはレフェリーの存在しないデスマッチ、設楽くんは朦朧としたダメージを抱えながらもいつかちゃんのマウントポジションを見事スイープ。

そして、逆にいつかちゃんを相手にマウントポジションを取り返すという起死回生の胸熱展開。

設楽くんが反撃の狼煙を上げる「あんた、俺のことが好きなのか?」

ここでいつかちゃんが「YES」と言ってしまえば試合終了、設楽くんの一本勝ちになったわけですが、まさかの「わからない」という答えが…。試合は決着が付かず無念のドロー、近年稀に見る名勝負でしたね。

なぜいつかちゃんは「わからない」と言ったのか。それは元々人を好きになる感情に意味なんて存在しないからです。

いつかちゃんはたしかに設楽くんに好意を抱いているのに、なぜ好意を抱いてしまっているのかがわからない。そういう意味での「わからない」という答えだったのだと思います。

たとえば、香取くん(京本大我)の告白に対していつかちゃんは「まだ感情が追いつけない」と言いました。理性では香取くんが素敵な人だとわかっているのに、感情に火が付かない状態だったのでしょう。

しかし、設楽くんに対するいつかちゃんの気持ちはこれの正反対。感情に火がついてしまっているのに、何が好きなのか、どこが好きなのか、その理由がまったくわからないという状態です。

これは恋愛感情として至極当然のこと、わからないのが恋愛感情であり、理由なんて便宜上の後付けでしかないんですよ。

「イケメンだから好き」ではなく「好みの顔じゃないけど好き」。「優しいから好き」ではなく「ムカつくけど好き」。「だから好き」より「だけど好き」が恋愛の本質であって、理由なんてわからないのが正解。

もし藤ヶ谷くんの姿形が変わってしまったとしても、もし京本くんの姿形が変わってしまったとしても、熱心なファンならその人が藤ヶ谷くんである以上、その人が京本くんである以上応援し続けるでしょう? それと同じこと、人を好きになることに理由なんて存在しないのです。

強いて言うのならその人の存在そのものが好き、もっとわかりやすく言えばその人の命そのものが好きということですからね。それがいつかちゃんにはまだわからなかったということですね。

さて、今回はついにいつかちゃんの二年前の遺恨である当事者が設楽くん自身であったことが判明してしまいます。

自責の念に駆られた設楽くんはすずちゃん(久保田紗友)のナイスアドバイスもあり(すずちゃんは要所要所でいい仕事をしてくれますね)、いつかちゃんを追いかけ一路浜松まで謝罪の旅へ。

さてここで問題です。設楽くんは一体何を謝りたかったのでしょうか?

おそらく、二年前のいつかちゃんに言った言葉は正論だったのだと思います。いくらミスター傲慢の設楽くんでも、間違ったことを力技でゴリ押しするようなクズではなかったはず、仕事に対しては誠実だったのだと思います。

しかし、「言い方」が悪かったのです、そこに傲慢が出てしまったのでしょう。設楽くんはその「言い方」を謝りたかったのです。

人は何かと「何を言うか」に囚われがちで「どう言うのか」をおざなりにしてしまいます。それが正論であればあるほど「言い方」が雑になり、人を傷付けてしまう結果になってしまう。

日常生活でも陥りがちなコミュニケーションの落とし穴ですので、正しいことを言うときほど「言い方」に気を付けるように注意しましょう。

設楽くんは二年前の自分の非を詫びました、いつかちゃんはそれを許しました。「許すこと」と「愛すること」は同義ですので、このときいつかちゃんは設楽くんを愛したのです。

おそらくはずっと許したかった(愛したかった)のでしょう。二年間という積年の恨みが、オセロのようにひっくり返り、すべてが愛に変わった瞬間ですね。

設楽くんも改心した、いつかちゃんも改心した、二年前の遺恨も解決した、三角関係や四角関係の問題も精算した。これでもう二人を隔てる理由は何もない状態(無職問題はあるけども…)。

あとはハッピーエンドへ一直線かと思いきや、ここで設楽くんのママンが満を持して登場するんですね。

はたして設楽くんのママンは二人にとって救世主となるのか、それとも二人に立ちはだかる大きな壁になるのか、まだまだ気を抜けない状況が続きそうですね。

※番組情報:オシドラサタデー『ハマる男に蹴りたい女
毎週土曜よる11:00~11:30、テレビ朝日系24局
藤ヶ谷太輔、関水渚、京本大我、久保田紗友、西垣匠、サーヤ(ラランド)、田渕章裕(インディアンス)、金子隼也/西田尚美、大地真央

※ 『ハマる男に蹴りたい女』 最新回は、TVerにて無料配信中!(期間限定)

※動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」では、地上波放送終了後にドラマ本編を配信!

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