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<高校バスケ>前年王者でありながら“リベンジ”へ闘志!福大大濠、群雄割拠の中で目指すウインターカップ連覇

<高校バスケ>前年王者でありながら“リベンジ”へ闘志!福大大濠、群雄割拠の中で目指すウインターカップ連覇

12月23日(金)より開幕する「SoftBank ウインターカップ2022」(令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会)。

この高校バスケ最大の大会、昨年の覇者は福岡大学附属大濠高校(以下、福大大濠)だ。同校の体育館では、真っ赤なチャンピオンフラッグが輝く。

昨年、28年ぶりのウインターカップ優勝を経験した身長190cm超えの選手が3人残っており、今年も当然、優勝候補筆頭に挙げられている同校。

しかし、前年王者でありながら、福大大濠がいま目指すのは“リベンジ”。

現在の高校バスケ界は、まさに群雄割拠。「王者=勝者」とシンプルに定義づけることは難しい状況となっている。

◆福大大濠の“2枚看板”

福大大濠のゲームキャプテンは、湧川颯斗選手(3年生)。

最高学年になってからPG(ポイントガード)に転向した湧川選手は、同校の片峯聡太コーチが「やる競技を間違えたんじゃないか」と言うほどの強い肩をもち、その肩から繰り出されるレーザービームのようなロングパスで一気にファーストブレーク(速攻)を決める様は圧巻だ。

「将来を見据えて、やってみたい」と自ら志願したPGへの転向。これまで一度も経験したことがないポジション。もともとはドライブでゴールへとアタックする(切り込む)ことが得意で“点取り屋”としてチームに、そして昨年のウインターカップ優勝にも大きく貢献してきた湧川選手にとって、ゲームコントロールというのは未知の経験で難しさもあるという。

そんな湧川選手が、PGとして、そして人生で初めて務めているというキャプテンの立場でどのようにチームを引っ張っていくのか、注目だ。

そして、身長2mの2年生、川島悠翔選手は今年のウインターカップ主人公候補の1人。

U16・17・18代表の3つのカテゴリー全てで選出され、U16のアジア選手権では八村塁以来の大会MVPを獲得。高校ナンバーワンプレーヤーともいわれている。

昨年のウインターカップ以降は3ポイントの練習を積みその成功率を上げ、世界と戦うフィジカルをつくるべく特別なアスレチックトレーニングにも励んでいる川島選手。ウインターカップでの躍動に、今から期待せずにいられない。

湧川選手、川島選手をはじめスター選手が揃い、スタメンの平均身長は196cm。もはや盤石とも思えそうな福大大濠の連覇。

しかし前述の通り、福大大濠はウインターカップ前年王者でありながら、現在はライバル校を追い、リベンジを狙う立場なのだ。

◆「これまでの中で一番悔しい負けです」

福大大濠のライバルといえば、同じ福岡県で全国大会9度の制覇を誇る福岡第一高校。

これまで幾度となく対戦してきた両校は、今年も11月3日に行われたウインターカップ福岡県予選決勝でぶつかった。

この決勝前にすでに本戦出場を決めていた両校だが、“バスケ王国”福岡県で毎年のように行われるこのカードは「事実上の全国決勝」と言われることもあり、高校バスケファンの間や県内では非常に注目が集まるビッグイベントとなっている。

そして今年の両校といえば、福大大濠はウインターカップ前年王者、福岡第一は今年の夏のインターハイ王者。まさに頂上決戦となった。

このライバル対決、結果は83―76で福岡第一の勝利。平均身長196cmの“大・福大大濠”が、比較的小柄な選手たちを中心に堅守をつくり上げる“小・福岡第一”に完敗する展開となった。

試合序盤から1-3-1の布陣で身長約2mの3選手による壁のようなゾーンディフェンスを組んだ大濠だったが、より勝っていたのは福岡第一のライバル対策。湧川選手と川島選手を完全に封じ込め、試合を優勢にすすめた。

この敗戦、とくに悔しい思いをしたのは2年生エース・川島選手。

福岡第一のスピードとスタミナで“攻める”ディフェンスに何度もボールを奪われ、リバウンドも上手くいかず、最後にはブロックまでされてしまっていた。試合後には、小さな声でこう話した。

「本当に悔しいです。自分がチームのエースとして役割をまっとうできなかったことが一番悔しい。全部が敗因です。技術が足りない。これまでの中で一番悔しい負けです」

これまでの中で一番悔しい――。そう漏らしてしまうほどの敗戦。自信を失う選手たちに、片峯コーチは強く熱く檄を飛ばす。

「ただただ、おれたちは詰めが甘かった。やられたんだ。リバウンド、ルーズボール、泥臭いバスケで(福岡第一に)負けていた。もう一度ウインターカップに向けて、あと1ヵ月半、第一さんより練習量上回って、第一さんより質の高い練習をやっていこう。負けた顔するな! 今できることをやってこの結果なんだ。下を向くな!」

そして、湧川選手は次のように話した。

「(身長が)大きいぶん、リバウンドの部分でちょっと油断してしまったところが途中出てしまいました。大きいから取れるっていう考えを、もうここから捨てて、常に泥臭くプレーしていってもっとチームのレベルアップをしていきたいと思います」

前年王者でありながら、現状の“勝者”ではない福大大濠。彼らは、今年のウインターカップで“リベンジ”し優勝することを目指している。

あれから1カ月――。

福大大濠に代々伝わるエース背番号“14番”を背負った川島選手は、真のエースとして、より課題としていた3ポイントを磨く。「14番に恥じないよう、エースとしてチームを優勝に導きたい」。

湧川選手は、ゲームキャプテンとして、PGとして、これまで以上に声を出し、チームを引っ張る姿があった。「最後は第一さんに勝って、もう一度同じ景色を全員で見たい」。

敗戦によって自分たちの油断に気づいた福大大濠が、ウインターカップ本戦でどんな逆襲をみせてくれるのか。目が離せない。

(取材:青木美詠子)

※関連番組・放送情報:

・『SoftBank ウインターカップ2022』
<男子決勝>
2022年12月29日 (木) 午後1時~、テレビ朝日系列にて生中継
<女子決勝>
2022年12月28日 (水) ひる12時~、BS朝日にて生中継

・『熱冬高校バスケ SoftBankウインターカップ2022ハイライト』
テレビ朝日にて放送(関東地区)
12月23日(金)深夜1時25分~
12月24日(土)深夜1時~
12月25日(日)深夜1時~
12月26日(月)深夜0時15分~
12月27日(火)深夜0時45分~
12月28日(水)深夜0時45分~
12月29日(木)深夜0時30分~

・『熱冬~高校バスケSoftBankウインターカップ2022~』
2022年11月5日(土)スタート、毎週土曜日よる10:55~11:00(全8回)、テレビ朝日

・『バスケ☆FIVE 日本バスケ応援宣言』
毎週土曜午前11:00~11:15、テレビ朝日(一部地域のみ)

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