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須田亜香里、創作話芸ユニット「ソーゾーシー」の落語&浪曲を堪能!「ぜいたくな浸かり方ができた」

2021年8月27日、テレ朝動画logirl『WAGEI』で番組初のオンライン生配信がおこなわれた。

落語や講談、浪曲などの伝統芸能をテーマとする同番組だけに、配信は寄席形式で行われ、番組MCである浪曲師の玉川太福が所属する創作話芸ユニット「ソーゾーシー」が勢ぞろい。ほかにも太福イチオシのワゲイストたちが一堂に会した。

ゲストとして出演した須田亜香里は「ゆうきりんりん、あかりんりん〜〜〜」と、以前、太福から伝授された唸り自己紹介を披露しながら登場。「落語や浪曲は難しそうなイメージがあったけど、聞いているとクスッとするような場面があって、そんなとき自分が“大人の女になったなぁ”という気持ちになれる」と、その魅力を語った。

◆夏の終わりを彩るオンライン寄席がいよいよ幕を開ける

トップバッターを務めるのは、8月11日二ツ目に昇進したばかりの桂しん華。正直者は神様のご利益で栄え、怠け者は災難に遭うという古典演目『ぞろぞろ』を、登場人物のインパクトたっぷりに演じていく。特におばあさんのすっとぼけたキャラクターが魅力的で、須田も「声色の扱い方が天才ですね!」と称賛を送っていた。

続いて、ソーゾーシーのメンバーでもある立川吉笑が、新作落語『ぷるぷる』を披露。松ヤニを舐めてしまった男の上唇と下唇がくっついてしまい、終始唇をぷるぷる震わせながら会話が進んでいくという、吉笑ワールド全開の個性的な演目だ。

7月にネタ下ろししたばかりで、「1か月前に作ったばかりだけど、代表作(笑)」と吉笑が言うように、非常に人気が高い。トークコーナーでは、須田が太福から「ぷるぷる」自己紹介をムチャ振りされたが、意外と難しいことが発覚。「ぷるぷる」もれっきとしたWAGEIの技術に裏打ちされていたのだ。

◆創作らくごの鬼・林家彦いちも参戦!

寄席の中トリを務めたのが、林家彦いち。太福は「新作落語をやる人間でお世話になっていない人間はいないというくらい、男気にあふれた師匠」と紹介し、今回のオンライン寄席も「あまり詳細は伝えずに、騙すようなかたちで連れてきた」と笑わせる。

演目は絵本として出版もされた、自伝的創作落語の名作『長島の満月』。幼少期を過ごした鹿児島の離島でのエピソードを、あるある話ならぬ、“ないない”話に仕上げ、地方出身者の悲哀をおもしろおかしく表現している。

「ソーゾーシーの勢いがついていてうれしいね」と顔をゆるませる彦いちもまた、SWAや落語三銃師といった話芸ユニットを結成して、長く新作の腕を磨いてきた噺家。トークでは『長島の満月』の誕生譚や、ヒマラヤ山脈で高山病と戦いながら落語をしたエピソードが語られ、改めてその存在の大きさを感じさせた。

続いて、真打昇進を果たしたばかりの春風亭昇々が登場。新作落語『妄想カントリー』で、ひと夏のアオハル(青春)を追い求める夢見がちな田舎娘を堂々と演じ上げた。

「(落語会屈指のイケメンと称される瀧川)鯉斗師匠に負けず劣らずイケメンなのに、そう見られないのは中身の問題だと思う」と太福が評する、昇々らしさ満開の演目だ。

トークでは、YouTubeで公開している、落語の平和を守る「らくごマン」や、夏が終わる前に急いで作った「らくごマン音頭」のエピソードを語った。

◆玉川太福の唸りが配信のラストを締めくくる

ソーゾーシーのメンバーで、女性からの熱い支持を集める瀧川鯉八が続く。あと一歩のところでエラーで負けてしまい甲子園に行けなかった高校野球部を舞台にした新作落語『最後の夏』を披露。独自の視点から描く人間心理を、確かな話芸で描き出している。

トークコーナーでも、その飄々としたキャラクターを遺憾なく発揮。視聴者からの「どうすればモテますか?」という質問に応え、具体的なテクニックをさらりと披露すると、須田も思わず「惹き込まれちゃいますね」とまんざらでもない様子。

そんなふたりのことはさておき、大トリを務めるのは我らが玉川太福。この日は、代表作『地べたの二人』から、サウナ初心者であるふたりが、突然のロウリュサービスに出会い戸惑う様子をコミカルに描いた浪曲『地べたの二人〜愛しのロウリュ』を熱演した。

自身も大のサウナフリークである太福は、壇上のテーブルかけをバスタオルのように大胆に仰いで、大いに唸り上げる。

 

終わってみればオンライン寄席は、当初の予定を大幅に超え、2時間30分で大団円を迎えた。

今回、配信を終えたばかりの須田亜香里に番組の感想を聞いた。

◆「噺家さん一人ひとりの人間力が一番の魅力です」

──WAGEIのオンライン寄席に出演した感想を聞かせてください

「めちゃくちゃ楽しかったです! 現代的な世界観のお話が多くてわかりやすかったですし、最後の太福さんも流行りのサウナのお話だったりして、すごく身近なところにWAGEIってあるんだなと思いました。私が所属しているSKE48にも、高畑結希という落語好きなメンバーがいるんですが、この生配信のことを伝えたらすごくうらやましがられました(笑)。落語ファンの方には申し訳ないくらい、今日はぜいたくな浸かり方ができたなと思います」

──特に印象に残っている演目はなんですか?

「林家彦いちさんの『長島の満月』ですね。島で暮らしていたときの“あるある”が実は“なしなし”だったっていうのは、孤独感を味わった苦い思い出だと思うんですが、それを笑いにするってすごく前向きですよね。そういった切なさが暖かく表現されていたので“なしなし”なのに、彦いちさんの人生に少しだけ入らせてもらったような、落語の新たな魅力に触れた気がしました」

──ソーゾーシーのメンバー全員と共演するのは今日が初めてですよね。

「そうですね。昇々さんはずっと少年のような感じで、高座の上でも、横でお話ししているときもまったく変わらないところがすごく素敵でしたし、吉笑さんは脳内がおもしろいというか、発想の豊かさに驚かされました。イメージしやすい言葉を発してくれるので終始笑ってた記憶があります。鯉八さんも独特でしたね(笑)。たぶんこの短時間では魅力をすべて知れてないだろうなと思うくらい、底知れない世界観を持っていらっしゃいますし、ファンの方は女性が多いとおっしゃっていたんですが、みなさんがメロメロになる理由も、わかるような気がしました」

──そして、大トリはしっかりと太福さんが務め上げました。

「太福さんが眼鏡を外してオンになる感じがすごく好きなんですよ。落語家さんはみなさん流暢に話されるので、演目なのか枕なのかわからなくて時々難しいなと思うことがあるんですけど、あのスイッチが入る瞬間はすごくわかりやすいし、ギャップにグッときちゃいますね。あの惹きつけ方はズルいですよ。お話が上手な方は世の中にたくさんいるかもしれないですけど、今日出られた方はみなさん、人間としての器の大きさに多くの人を惹きつけるものがあるんだろうなと思いました。噺家さん一人ひとりの人間力みたいなものが一番の見どころで魅力だと思うので、生配信で観られなかった方も、アーカイブで楽しんでもらえたらうれしいですね」

※テレ朝動画『WAGEI生配信!夏のオンライン寄席!』特設サイトはこちら

※テレ朝動画『WAGEI
落語・浪曲・講談など、日本の伝統芸能が楽しめる番組。