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松坂大輔「まだ勝負できる」。こだわりを捨て、やりたくなかったピッチングで見出した“可能性”

3月15日(日)放送の『Get Sports』では、14年ぶりに古巣西武に復帰した松坂大輔と元ヤクルトでテレビ朝日野球解説者・古田敦也の対談が実現した。

©Get Sports

同じ時代に球界を沸かせた2人は、公式戦の対戦経験こそないものの、シドニーオリンピックのアジア予選(1999年)ではチームメイトとしてバッテリーを組んだ仲だ。

2020年2月、春季キャンプで開幕へ向けて調整を行っていた松坂は、キャンプ地を訪問した古田に22年目のシーズンに懸ける想いを語った。

◆「今はこの雰囲気が良い」22年目のキャンプ

1999年。松坂プロ1年目のキャンプ。

身動きが取れないほど大勢のファンが集まるなか、別の選手に松坂のユニフォームを着せる影武者作戦など、球団はあらゆる手を講じて松坂の身を守ろうとした。

しかし、松坂本人はどう思っていたかと言うと…。

©Get Sports

「逆に騒がれたいっていうのがあるので、隠れて裏から出たりというのは面白くないですね」

プロ1年目のキャンプで余裕すら感じさせるこの発言。とても高校生とは思えない。では、14年ぶりの古巣でのキャンプはどうだろうか?

©Get Sports

古田:「今年のキャンプでは笑顔が絶えないですけど?」
松坂:「楽しくはできているんですけど、あまり笑いすぎるのも…。あれだけ笑っていても怒られない。僕が入団した時は、コーチも厳しかったですから。今の時代なんですかね。首脳陣も笑っているので、今はこの雰囲気が良いのかなって」

古田:「身体の調子も非常に良さそうですね」
松坂:「思っていたよりも動けていますね。自分のなかで3パターンくらい想定していたんですが、一番良いパターン。理想というか。ただ、今までずっと良い状態できていて急に投げられなくなったこともあったので、慎重にやっています」

自分でも驚くほどの順調な調整をしている松坂。キャンプを視察した古田は、あることが気になっていた。

古田:「ブルペンで他のピッチャーをよく見ている。松坂をみんなが見に来るっていうのはわかるけど…」
松坂:「若いときから人のボール見るのが好きで。自分に持っていないものを持っている投手とか。どうにか上手くなるきっかけにならないかなって思いながら見ていますね
古田:「え?フォームを見ているの?球筋じゃなくて?」
松坂:「フォームを見ていますね。フォームを見ていると、どんなボールがいったか分かるので」
古田「それは僕らキャッチャーとは違う。投げ方よりも『すごく曲がる』とかボールばっかりを見てしまうけど」

あの松坂大輔が、後輩の投手からでも吸収できるものは吸収する。そこには、ピッチングのさらなる上達を目指す飽くなき向上心があった。

◆「やっぱり昔のようなボールは投げられない」

若い頃は豪速球を武器に勝利を積み重ね、ストレートに強いこだわりを持っていた松坂。しかし、2019年12月の西武入団会見ではこんな言葉を口にした。

球も遅くなりましたし、やりたくないと思っていた『ボールを動かす』ピッチングもしています。ストレートに対する考え方が変わってきました

2020年、40歳の節目を迎えた松坂の投球スタイルは、現在に至るまでに大きな変化を遂げていたのだ。

古田:「『本来やりたくないけど』と言っていた。そのあたりはどうなんですか?」
松坂:「やっぱり昔のようなボールは投げられないですし。(打者の手元で僅かに変化し、バットの芯を外す)カットボールやツーシームというボールが、今の僕にとってはメインになると思います。パ・リーグの投手はパワーピッチャーや綺麗なストレートで勝負するピッチャーが多いので、僕みたいなタイプは少ないから逆に良いのかなって思いますね」

古田:「僕のなかでは器用なイメージがあるんですよ。ツーシームを投げようと思えばいつでも投げることはできた?」
松坂:「そうですね。メジャーに行く前からたまに試合のなかで、遊びで投げたりはしていましたね。それをメインにすることはないだろうと若い頃は思っていました」
古田:「したくないというのもあった?」
松坂:「はい。ただ、入団したときから(当時の西武監督)東尾さんに『いつかはモデルチェンジが必要なときがくるから、投手としての引き出しを増やしていくように』という風には言われました」

かつて輝きを放った、うなるようなストレート。松坂はプロで生き抜くために、そのこだわりを捨てる決断をした。

復帰後初戦となったオープン戦では、昔とはまったく違い、バッターを打たせて取る姿が。この先、松坂が見据える野球人生とは?

松坂:「もうボールの勢いは勝てないなと思うけど、そのボールがなくても勝ち方はある。勝ち方を知っていると自分では思っているので、トータルでピッチャーとして考えたときにまだ勝負できると思っています
古田:「松坂怪物伝説をまたここから。『平成の怪物まだ令和でもやるよ』と」
松坂:「結果が全ての世界なので、できるだけ早い時期にまず1勝したいですね」
古田:「僕の経験だと出番がなくなって価値がないと判断されれば辞めるしかないっていう感覚ですよ。それまでは必死にやる」
松坂:「そういう状況になったときに先のことを考えればいいかなって思っているんで。明日起きたらめちゃくちゃ激痛で二度とムリだなと思うかもしれないし、先を見てできる肩じゃないと思っているので本当に1日1日を大事にというか、無事に」
古田:「これから『松坂伝説第二章』楽しみですよ。大いに期待していますから」
松坂:「ひっそりと」
古田:「ひっそりと期待しています。」

<執筆者:小野晋>

番組情報:『Get Sports

毎週日曜日夜25時30分より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)

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