川谷絵音が絶賛した“すごいイントロ”曲!ラルクは「1番バリエーションのあるバンド」
2月23日(日)に『関ジャム 完全燃SHOW』で放送された「プロが選ぶすごいイントロ特集」。
この日の放送では、ゲストの川谷絵音と寺岡呼人、そして⼀流⾳楽プロデューサー&アレンジャー9人が選んだ“名イントロ”を発表。さらに川谷と寺岡は、自身が手掛けた楽曲のイントロについても解説した。
◆ J-pop史上に残る、アルペジオを使った名イントロ!
RCサクセション『雨あがりの夜空に』
RCサクセションの代表曲をチョイスした寺岡は「Dのコード1発で日本のロックの歴史を変えた、ロックイベントでのセッション定番曲。シンプルなコード進行で難しいメロもないが、ライブでは最初のコード1発で観客のボルテージが上がる」と絶賛した。
ヴァン・ヘイレン『JUMP』
back numberのアレンジを手掛ける島田昌典と、いきものがかりのプロデュースを務める本間昭光が選出したのは、誰でも一度は聴いたことのある世界的有名イントロ。島田は「このシンセのセリフが全てで、歌メロ以上にインパクトがあり歌のメロディーが思い出せない(笑)」と、本間は「これが流れると全員こぶしを突き上げたくなる、非常に印象的かつオンリーワンなイントロ」とコメントした。
ビリー・アイリッシュ『bad guy』
グラミー賞主要4部門を独占した18歳、ビリー・アイリッシュの楽曲。さかいゆうやCreepy Nutsを担当するShingo Suzukiは「打ち込みのドラムと、ベースのみ。すぐにAメロが展開。この削ぎ落とされたシンプルさが格好良い。最近の洋楽曲のイントロはできるだけ短くする志向。短いイントロの昨今の代表曲」と解説した。
レッド・ツェッペリン『Rock and Roll』
選出したmabanuaいわく、ROCK史上最も有名なドラムイントロで、「イギリスを代表するバンドが歴史に残したドラムイントロ。これから始まるという高揚感、疾走感がある」のが魅力だという。
山口百恵『秋桜』
さだまさし×レジェンドアレンジャーによる山口百恵の名曲。萩田光雄のアレンジによる素晴らしい情景描写が特徴で、ピアノのフレーズが秀逸だが、装飾音符が弾きにくく端折ったりするとこの雰囲気が出ないため「ピアニスト泣かせ」と寺岡は同楽曲を紹介。
「この曲や井上陽水の『東へ西へ』など70年代の楽曲は、イントロに命を懸けている感じがある。『秋桜』は改めて聴いてイントロのきめ細やかさに驚いた」と語った。
AC/DC『Thunderstruck』
世界的ロックバンドの約1分にわたる大作イントロ。SEKAI NO OWARIなどを担当する保本真吾は、「1分以上あるイントロだが、わかりやすいリフを繰り返すことでみんなが歌えるようになっていく。そしてどんどん音が足されていき、高揚感を煽って歌に繋げていく一連の流れがすばらしい。イントロだけでストーリーが見えてきて、気持ちが高鳴って一緒に歌いたい衝動に駆られる秀逸なイントロ」と解説した。
スピッツ『ロビンソン』
Superflyを手掛ける多保孝一ら3人がチョイス。多保は同楽曲のイントロを「ギターのアルペジオは本来伴奏に使うことが多いなかで、メロディーとして使うアイデアが新鮮」と注目ポイントを説明。
「サビで出てくる『宇宙』という歌詞にリンクしているかのような神秘的な響きのフレーズ。アルペジオは楽曲に透明感と気品を与えるが、一聴して覚えられるようなフレーズを作るにはやや不向き。そんなアルペジオを、計算しつくされた指使いと音階によってJ-POP史上に残る名イントロに昇華している」と絶賛した。
◆川谷絵音も絶賛の名イントロ。SMAP、ラルク…
SMAP『Let It Be』
メロディーやコード進行のワビサビを重視する邦楽と違い、バンドの演奏、フレーズ、アレンジ、すべてが洋楽的だという同曲。選出したKan Sanoは「初めて聴いたときジャミロクワイかと勘違いするほど、J-POPの要素がひとつもないのが斬新で当時驚いた」と、同楽曲を初めて聞いたときに感じた衝撃を振り返る。
さらに川谷は「SMAPのこの時代の曲はすごい」と絶賛、つづけて「演奏隊も海外のトップクラスの人で、ドラマーはオマー・ハキムやベースはウィル・リーとかフュージョンのスーパープレイヤーがレコーディングしている」と補足した。
L’Arc~en~Ciel『浸食 -lose control-』
川谷が大好きだという、冒頭のおどろおどろしいギターサウンドが印象的な同楽曲のイントロ。「L’Arc~en~Cielの楽曲は名イントロの宝庫。イントロに1番バリエーションのあるバンドだと思う。この曲は時計の音がめっちゃ怖い。ギターのアルペジオの最後の1音だけ、ミスタッチみたいに擦れていて、タイミングも違う。狙っているとは思うが、すごく耳に残る」とイントロに込められた繊細なこだわりを紹介した。
Mr.Children『フェイク』
川谷が学生の頃に驚いたという、ベッドフォンで聴きたいイントロ。「学生の頃聴いてどうなっているのか分からなかったギミック満載のイントロ。『フェイク』という曲名をうまく表現したイントロだなと思った」と切り出し、さらにこのイントロのスゴさを説明。「ヘッドフォンだとよく分かる」とし、「左右の耳で聴こえ方が違い、右から左に音を振ったり、鳴っているギターの音が左右で違ったり、“視覚的”に音を表現している」と、その魅力を語った。
◆ゲスの極み乙女。イントロの作り方
さらに川谷は、自身が手掛けたゲスの極み乙女。の楽曲『私以外私じゃないの』のイントロについても言及。
この曲の特徴は、演歌の歌フリを意識した2段階のイントロだという。
元々は別のイントロを作っていたが、それだけだと「弱い」と感じた川谷。「歌番組とかで司会の方がイントロ中に曲紹介しているのがいいなと思った。それでは聴いてください○○で××です、みたいな。それみたいに『(さあ聴いてください)私以外私じゃないの』って最初に入れるイントロを作った」と解説。
またiPadのアプリでイントロにノイズ音を足したという川谷。映画のオープニング風の「ジーッて音とか、プツッて音が入っている」と、さらなる“聴きどころ”も紹介した。
ゆずの『夏色』などを手掛ける寺岡が明かしたのは、自身が手掛けたゆずの楽曲『少年』のイントロについて。冒頭の2秒は、あの国民的アニメ『鉄腕アトム』の主題歌のイントロにオマージュを捧げたと、制作秘話を語った。
3月1日(日)に放送される『関ジャム 完全燃SHOW』では、バンドを支える「リズム隊」を特集。シンガーソングライター・さかいゆうと、バンド・Ovallが登場し「すごいバンドのリズム隊」について徹底解説する。
※番組情報:『関ジャム 完全燃SHOW』
2020年3月1日(日)午後11:10~深夜0:05、テレビ朝日系24局