『さんま大先生』出演で注目集めた落合モトキ、当時の共演者がバンドで活躍する“あるアーティスト”に
4歳のときにスカウトされ、6歳で『やっぱりさんま大先生』(フジテレビ系)のレギュラーとなり、人気子役として注目を集めた落合モトキさん。以降、『ドラマW 4TEEN』(WOWOW)、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)ほか、数多くのドラマ、映画、舞台、CMに出演。
映画『MONSTERZ モンスターズ』(2014年)では初のゲイ役に挑戦し、映画『日々ロック』(2014年)ではロックバンドのロッカー役を白目をむいて熱演するなどさまざまな役柄に挑戦。イケメン俳優としてだけでなく、演技派俳優として熱い視線を集めている落合モトキさんにインタビュー。
◆『やっぱりさんま大先生』はもうひとつの学校?
-4歳のときにスカウトされたそうですね-
「母親が事務所の人から名刺をもらったみたいですけど、自分ではまったく覚えてないです。でも、この仕事をちゃんとやったというのは『やっぱりさんま大先生』からです。
あの番組は日曜日に撮っていたんですよ。2本撮りなので、月に2回フジテレビに行っていたんですけれども、みんな子どもは月に2回行っているもんだと思っていて(笑)。もうひとつの学校みたいなものだと思っていたんですけど、違っていたんですよね」
-テレビの放送を見て学校のお友だちはどのように?―
「何も言われなかったですね。日曜日の午後1時の放送だったので、小学生は外で遊んでいて見てなかったんじゃないかな」
-『やっぱりさんま大先生』の収録は楽しかったですか?―
「楽しかったと思いますよ。でも、番組が終わって、土日に何か習い事ができるっていうことを知ったときが衝撃的でしたね。
『収録がなければミニバス(ミニバスケット)ができるんだ、このとき』って(笑)。4年ぐらいレギュラーで出ていたんですけど、途中でフジテレビがお台場に変わったという記憶があります」
-収録にはお母様と一緒に?-
「はい。母が連れて行ってくれました。あの番組は母もテレビに出たときがあったんですよ。今考えたら変だなぁと思いますけどね(笑)」
-お母様に「いっぱいしゃべらないと映らないよ」と言われていたそうですね-
「言われてました。だけど、小学校2年とか3年生でエピソードトーク持っているわけないじゃないですか(笑)。『九九』を覚えたてぐらいの子どもにエピソードトークって言っても難しいと思う」
-自分ではご覧になっていたのですか?—
「見てないです。ビデオで録画をしていたので、実家には多分あると思うんですけれども、見てなかったですね。見た記憶がないです」
-テレビに出ているという意識は?―
「なかったです。普通のことだと思っていました。みんながやっていることだと思っていましたから」
-(明石家)さんまさんとは、その後会ったことは?―
「会ってないです。会っても覚えているのかなあ?わからないなぁ。もう一回会っておきたいですね。会ったら『落合です』ってあいさつして。
1番理想なのは、『さんまのまんま』(フジテレビ系)に出ることなんですよ。どこかであいさつをしに行っても『なんで?誰?』ってなるのなら、『さんまのまんま』が1番理想的なんですけどね(笑)」
-さんまさんとはどんなお話をされていたのですか?-
「『出っ歯だから矯正したほうがいいんじゃない?』って言った記憶があります(笑)。そうしたら『矯正をやって、これや』みたいな感じで返されましたけど。
そんな感じのことばっかり言っていた気がします。子どもだったから怖いもの知らずですよね」
-あのとき一緒に出てらした方で今も芸能界でやっている方は?—
「ロックバンド『OKAMOTO‘S』のドラムのオカモトレイジがいるんですけど、5、6年前に久々に会ったんですよ。『やっぱりさんま大先生』以来初めて。
そうしたら、『いやあ、俺たちは、やっぱりさんま大先生から輩出されたからな』って言って、それを聞いて、『この人はギャグというか、ちゃんと向き合ってるんだ』って。あと、声優の花澤香菜ちゃんも出ていましたね」
-一番記憶に残っていることは何ですか?—
「『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)の収録が、隣のスタジオでやっていたんですよ。お台場に移る前のフジテレビで。ダウンタウンさんとか今田耕司さん、東野幸治さん、YOUさんとかみんないて、あのメンバーを生で見たときのことは今でも覚えています」
※落合モトキプロフィル
1990年7月11日生まれ。東京都出身。4歳のときにスカウトされ、1996年4月から2000年3月まで『やっぱりさんま大先生』にレギュラー出演。『ドラマW 4TEEN』(WOWOW)、『あまちゃん』(NHK)、ドラマ『おっさんずラブ(2016)』(テレビ朝日系)、映画『ヒーローショー』(2010年)、『ハイザイ~神さまの言うとおり~』(2012年)、映画『台湾より愛をこめて』(2018年)など数多くのドラマ、映画に出演。11月23日(土)から29日(金)まで短編映画『歩けない僕らは』が新宿K‘s cinemaほかで公開される。
◆14歳で“役者として生きる”と決意!
2000年3月に『やっぱりさんま大先生』が終わった後も次々とドラマ、映画への出演が続いていた落合さんだが、14歳までは、まだ仕事として捉えていなかったという。
-主演作も多いですが、オーディションですか?—
「そうです。オーディションに受かってでしたけど、これを生業(なりわい)にするという覚悟は全くなかったです。お金を稼いでとかじゃなくて、本当にお年玉ぐらいの感じでしたけど、嫌でしたね」
-オーディションに行くのがですか?-
「学校から帰る途中に親がいて、『この後ちょっとオーディションが入ったから』っていうのがトラウマになっていた時期があったんですよ。『いやいや、◯◯君と遊ぶって決めていたんだけど』って。
だから、それが嫌でした。母親に『ゲームを買ってあげるから』とか言われて行ってましたね(笑)。受かったら受かったで、大人にもまれて楽しかったんですけどね」
-結構な頻度でオーディションはあったんですか?—
「ありましたよ。CM、ドラマ、映画のオーディションは多かったです。子役の事務所だったので。子どもの学校が終わる6時ぐらいから始まるんですけど、ほぼ毎週だった気がします」
-かなり忙しかったと思いますが-
「夏休みはまるまる8月から9月まで、何かやっていました。あとお台場のビッグサイトのイベントに出たりして」
-俳優でやっていこうと決めたのは?—
「14歳のときに出た『ドラマW 4TEEN』です。楽しかったんですよね。この仕事は楽しいって思って。同い年の柄本時生、若葉竜也とかと仕事して。それで廣木隆一さんという良い監督さんだったので、そこで役者としてやっていこうって決めました」
-多感な思春期のときの出会いというのは大きいですよね-
「大きかったですね。でも、一つ後悔しているのが、中学では一人でやる競技の部活に入れば良かったなあって。バスケット部に入っちゃったので、団体行動じゃないですか。将棋とか囲碁とかをやっていたほうが良かったなって。
急にオーディションが入ったりして迷惑かけましたからね。先生にも結構怒られました。バスケ部は人数が少なくてカツカツの状態でやっていたので、俺がいなくなると人数が足りなくなるし、俺が一番下の代で後輩がいなかったんですよ。
そこで廃校になると決まっていたので、3年になったらバスケ部に誰もいなくて、俺一人だって(笑)。それでテニスをやることにしたんですけどね」
-そのときのバスケット部の皆さんとはいまもお付き合いがあります?—
「1番仲が良いかもしれないです。ちょうど今、結婚ラッシュで結構会うんですよ。しかも女性が結婚するから、『今度◯◯しようよ』って予定をたてるので、バーベキューとかするようになりました。
そういうときに子どもを連れてきている友だちもいるので、楽しそうだなあと思って。『将来俺にも子どもができたら、友だちの家族と一緒にハワイに行こう』って約束してるんですけどね(笑)。
今29歳だから、30代に向けて色々準備して、30代になったら結婚して子どもができたらハワイに行くっていうのが楽しそうだなあって。毎年冬になると1日だけめちゃくちゃハワイに行きたい日があるんですよ(笑)」
-お子さんがいらっしゃる方も結構多いですか-
「いますね。子どもができて遊べなくなった友だちも結構いますよ。お嫁さんが家のことをやっていて旦那だけが遊び歩くわけにいかないじゃないですか。
それで家に遊びに行ったら、お嫁さんに酒やつまみを用意してもらうのも罪悪感を感じるので、そういうことがなくなりました」
-俳優として生きていく決意をされてから、仕事に対する姿勢も変わったと思いますが-
「そうですね。高校は目黒にある日出学園高校に入ったんですよ。芸能界の仕事に寛容な学校だったので、入ったらもう後には引けないなぁと思って。そこから考え方がもっと変わりました。
でも、変な感じでしたけどね。クラスで『明日何時入り?』なんて言葉が飛び交っていて(笑)」
-同級生にはどなたが?—
「本郷奏多とか、中村蒼、Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)の千賀健永君がいました。
でも、面白かったのが芸能コースなのに、年間無遅刻無欠席というやつがいて(笑)。『なんでお前は芸能コースに行ったんだ?』っていう感じの不思議なやつもいて、それが面白かった。彼は芸能界ではなく、パソコン系の仕事についたって聞きましたけど」
-高校時代にされたお仕事で1番印象に残っているのは何ですか?—
「『探偵学園Q』(日本テレビ系)に出たときかな。神木隆之介君、志田未来ちゃん、山田(涼介)君が一緒で。今のマネジャーさんと初めてやった作品でした。
あと、要潤さんも一緒で、小6のときに『新・愛の嵐』(東海テレビ)というドラマで、要さんの幼少期を俺がやっていたんですよ。だから10年ぶりぐらいに久々にお会いしたのでうれしかったですね」
-久しぶりに再会されて要さんは何ておっしゃっていました?—
「大きくなったねって(笑)。要さんの方がもっと大きかったですけどね」
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穏やかな表情で話すソフトな声が耳に心地良い。次回後編では初めてゲイの役に挑んだ『MONSTERZ モンスターズ』の役作り、転機となった映画『ヒーローショー』と『桐島、部活やめるってよ』、公開間近の映画『歩けない僕らは』の撮影裏話を紹介。(津島令子)
ヘアメイク:田坂たかえ
※映画『歩けない僕らは』
11月23日(土)~29日(金)まで新宿K‘s cinema
にて公開ほか全国順次。(同時上映『ガンバレとかうるせぇ』)
監督・脚本・編集:佐藤快磨
出演:宇野愛海 落合モトキ 板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大 山中聡 佐々木すみ江
配給・宣伝:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES