「嫌われ者」をめぐる新展開がスタート!【やすらぎの郷・第9週おさらい】
「倉本聰がシニア世代に贈る大人のための帯ドラマ」として4月から放送を開始し、シニア世代のみならず大きな注目を集めている石坂浩二主演の平日昼の帯ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)。
5月29日から6月2日に放送された第41話~45話(第9週)では、42話より犬山小春(冨士眞奈美)と石上五郎(津川雅彦)が登場する新展開が始まり、元シャンソン歌手の及川しのぶ(有馬稲子)の周囲が騒がしくなってきた。
そんな第9週のストーリーを、まとめておさらいしていこう。(写真はすべて©テレビ朝日/無断転載禁止です)
◆もし、死んだ妻に会うなら…(涙の41話)
テレビに功績のあった者だけが入れる老人ホーム「やすらぎの郷」。
ここに入居している脚本家の菊村栄(石坂浩二)は、ひょんなことから遺産相続の煩雑さを知り、「死」を身近に考えざるを得なくなった。
そこで栄は、“お嬢”こと白川冴子(浅丘ルリ子)と水谷マヤ(加賀まりこ)に、“死”のことや遺産相続についてどう考えているのか話を聞いてみる。
すると、豪胆な水谷マヤは「自分が死んだ後のことなど知らない」と栄の憂を一笑に付す。
また、マヤと概ね同意見というお嬢は、相続問題を起こさないために生きているあいだに財産を使い切る浪費計画を実行してきたことを打ち明ける。しかし、自分が死ぬと考えた75歳より既に長く生きてしまったことで、その計画は“失敗”に終わってしまっていた…。
彼女たちの話を聞き、仲の良い“マロ”こと真野六郎(ミッキー・カーチス)と“大納言”こと岩倉正臣(山本圭)と一緒に釣りをしながら改めて“死”について話す栄。
次第に3人は、「“死後の世界”で会いたい人はいるか」という話をしはじめ、そのなかで大納言は、「(もし死んだ女房に会うなら)若い頃より、死ぬ間際の老けた女房に会いたい」と語り始める。「だってそのほうがさ、話すことがいっぱいある」と泣きながら話す大納言…。
同じく妻・律子(風吹ジュン)を亡くしている栄は、この大納言の思いに深く共感し、彼もまた涙を流すのだった。
◆42話から、新展開突入!
5月の連休に入り、「やすらぎの郷」には入居者の親戚や友人たちが多く訪ねてくるようになった。訪ねてくる人がいる者にとってはこの上なく嬉しく、訪ねてくる人がいない者にとっては非常に寂しいこの時間。
そんななか、多くの訪問客に混じって、好き勝手な言動で皆から嫌われ、日本のテレビ界を干されてしまった元女優の犬山小春(冨士眞奈美)が「やすらぎの郷」に姿を見せた。入居者の女性陣は、悪口まじりに小春の噂話に花を咲かせる。
そして、小春と一緒に訪れたのが、かつてテレビ局の敏腕プロデューサーとして鳴らしたハワイ帰りの石上五郎(津川雅彦)。石上はさっそく、栄の部屋を訪ねてくる。
石上がそこで栄に話したのは、自身が業績不振に喘ぐ某テレビ局のテコ入れを頼まれていることと、あるバラエティー番組をそのテレビ局の起死回生を狙って40年ぶりに復活させる構想があること。
その番組とは、「やすらぎの郷」の入居者のひとりである元シャンソン歌手の及川しのぶ(有馬稲子)が司会をつとめたバラエティー番組の草分け的存在『しのぶの庭』だ。
栄も大好きな番組だったが、復活するとして不安なのは、ボケたというウワサもある及川しのぶの体調。石上から、しのぶの体調について、そしてこの“復活構想”についてどう思うか聞かれた栄は、困って答えをはぐらかす。
ただし、栄の知らないところで、及川しのぶ本人は同居人の貝田英信(藤木孝)からこの『しのぶの庭』復活の話を聞き及んでいた。これにしのぶは、「夢みたい」と大乗り気。しかし、石上と一緒に来た犬山小春と会うよう貝田から言われると、それは頑として拒否する。
しのぶと小春は、昔は非常に仲が良かったものの、過去の因縁から絶縁状態が続いていたのだ。貝田に、「小春さんと会わないと『しのぶの庭』復活の話はない」と言われても、しのぶは首を縦に振らない…。
そんななか、栄は「やすらぎの郷」の中にあるバー・カサブランカで、小春と久々の再会を果たす。
日本の芸能界を追い出され、アメリカに渡った犬山小春。
栄がこの夜カサブランカで聞いたのは、小春がその後に送った波乱の人生だった。アメリカでうまくいかなかった小春は、あっちでいくつものアルバイトをし、そのなかには涙が出るほど辛い仕事もあったという。
この話に栄は心を揺さぶられるが、若き日の身勝手さが災いし、小春が「やすらぎの郷」を訪れても会いたがる者はひとりもいないのが現状。だが小春は、そんななかでも「やすらぎの郷」に入居したいと栄に告げる。
これこそが小春の真の目的だったが、栄が理事長夫妻の妻である名倉みどり(草刈民代)に頼んでみたものの、小春の「やすらぎの郷」への入居申請はにべもなく却下される。そして、この“却下”の噂もすぐに広まり、それを聞いて胸をなでおろす者も現れ、栄の心境は複雑だ。
一方、及川しのぶの周囲では対照的なドラマが進行していた。
『しのぶの庭』復活の実現性がいよいよ高まり、根回しのためにしのぶの同居人・貝田英信が東京で関係者たちと会うことになったが、貝田はその前にしのぶに対して小春と会うように強く説得する。
これは、今回の発起人でもある石上の頼みでもある…。そう思い、また貝田に強く懇願されたこともあって、しのぶはついに小春と会って仲直りすることを決断。小春のいるゲストハウスに会いに行くのだった。
◇◇◇
新展開が始まった第9週。とにかく嫌われ者の犬山小春だが、彼女が栄に話したアメリカでの苦労話は、視聴者の心を大いに動かし、彼女に感情移入させたことだろう。
そんな小春と及川しのぶの再会から始まる第10週。これからの展開も見逃せない!
※ドラマ『やすらぎの郷』は、こちらにて無料の見逃し配信も展開中
※これまでのおさらい
第1週(第1話~5話)までの「おさらい」
第2週(第6話~10話)までの「おさらい」
第3週(第11話~15話)までの「おさらい」
第4週(第16話~20話)までの「おさらい」
第5週(第21話~25話)までの「おさらい」
第6週(第26話~30話)までの「おさらい」
第7週(第31話~35話)までの「おさらい」
第8週(第36話~40話)までの「おさらい」
◆第46話あらすじ
犬山小春(冨士眞奈美)との和解を受け入れた及川しのぶ(有馬稲子)は、いまだ昔の仲間と会えずにいる小春のためにパーティーを開くことにする。準備を待つ間、入江へと散歩に出た小春は、ぎっくり腰のリハビリで浜を歩いていた高井秀次(藤竜也)に遭遇。
秀次は、かつてとは違う小春の顔に興味をひかれ、絵のモデルを依頼する。
※番組情報 帯ドラマ劇場『やすらぎの郷』
毎週月~金・午後0:30~午後0:50、テレビ朝日系24局
<再放送:【BS朝日】毎週月~金 午前7:40~午前8:00>