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大森南朋を“正義の法医学者”に選んだのは…『サイン』プロデューサーが明かす2つの理由

遺体から“真実”をあぶり出す法医学者たちと不都合な“事実”を隠ぺいしようとする巨大権力の熾烈な攻防戦を描く、大森南朋主演ドラマ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』

©テレビ朝日

原作は、韓国の大ヒットドラマ『サイン』(2011年)。最高視聴率25.5%を記録し、「大韓民国コンテンツアワード」の放送映像グランプリ分野で大統領賞も受賞している人気作品だ。

今回、9月12日(木)の最終話を前に、同作を手掛ける飯田爽プロデューサーにインタビュー。

過去に『民王』や『ホリデイラブ』などの話題作を手掛けた飯田プロデューサーに、前編ではキャスティングの理由について、後編では韓国ドラマをリメイクしようと思った理由や作品を通して描きたかった思いについて聞いた。

―『サイン』、ハードな展開になってきていますが、毎週楽しみに観ています―

飯田爽プロデューサー(以下、飯田P):「ありがとうございます。台本の時点ではここまでのシリアスさは想像していなかったのですが、実際に演者さんが台本を演技に落とし込んでいくとより“重み”が増していまして…。

特に主演の大森南朋さんは1話の頃に比べたら、役作り上、結構痩せられたと思います。西田敏行さん演じる兵藤元院長が亡くなって自身が『偽証』をする5話までと、その後の6話以降はお芝居のトーンを変えられています。

それによって柚木もドラマ全体も、よりシリアスな雰囲気が増したと思います」

―役者をキャスティングするのもプロデューサーの仕事ですが、そのうえで多くの作品を観ることになると思います。映画・ドラマ・舞台などはどのくらいの本数や頻度で観ますか?―

「仕事柄たくさん観ますが、特に舞台が好きで、時間があるときは週に1回以上は観に行っています。役者さんの演技は映像より生で見たほうがよくわかるので、演技を確認するために観に行く、という意味合いもあります」

◆民放単独初主演の大森南朋、キャスティングの理由

©テレビ朝日

同作で主演を務める大森南朋は、今回が民放連続ドラマでの単独主演は初となる。

『ハゲタカ』(NHK)では主演としてクールな企業買収家を演じ、映画『アウトレイジ 最終章』にも出演するなどハードボイルドなイメージのある大森を、飯田プロデューサーはなぜ“正義を貫く法医学者役”に抜擢したのか?

―今回、大森南朋さんに主役をオファーした理由を教えてください―

飯田P:「まずひとつは、主役を選ぶとき原作の主人公を演じたパク・シニャンさんが頭にありました。

彼はいわゆる万人受けする端正な甘いマスクのイケメンではなく、個性的な魅力を持つ演技派俳優です。原作ドラマ『サイン』ではまっすぐ過ぎて道を踏み外してしまう、大人の男性の危うさがとても魅力的に見えました。

『ハゲタカ』をはじめ数々の作品で大森さんを拝見し、実力派俳優である大森さんにもアウトローな荒っぽさや危うさ、大人の色気など、パク・シニャンさん演じる主人公に通じるものを感じ、オファーさせていただきました

また、『サイン』は柚木が一人で事件を解決する話ではありません。『法医学者・柚木貴志の事件』とサブタイトルはついているものの、元恋人で管理官役の松雪泰子さん、飯豊まりえさん、高杉真宙さん、仲村トオルさんと織りなす群像劇です。

大森さんのような演技や存在が主張しすぎず、どんな作品にも役柄にもスッと溶けてしまう本当の意味で実力のある俳優さんにお願いしたい、と思ったことも理由のひとつです

©テレビ朝日

―柚木の元恋人で警視庁捜査一課の管理官・和泉千聖役には松雪泰子さんがキャスティングされています。松雪さんにオファーしたのはどんな理由からでしょうか?―

飯田P:「松雪さんは映像はもちろん、これまで舞台でも数多く作品を拝見し、前から一緒にお仕事をしたいと思っていました。

柚木の恋人役ということで大森さんと同世代であることと、クールに見えるけど実は情が深そうというキャラクターが私たちがイメージするヒロインの和泉千聖にぴったりだと思い、オファーさせていただきました。

ストイックに役を作り込む俳優という共通点があるからか、お2人はとても仲が良くて、2人のシーンの芝居についてはよく相談しあっていました移動車で次の撮影シーンの芝居についてLINEでやり取りすることも

ドラマ終盤は2人のアドリブも結構あります。本当に相性が良く共鳴し合っていました(笑)」

◆飯豊まりえは「“空気清浄機”みたいな方」

©テレビ朝日

―大森さんは後輩解剖医の中園圭を演じる飯豊まりえさんとも劇中で息ピッタリの掛け合いを見せてくれていますね。SNSの動画でも仲が良く微笑ましかったです―

飯田P:「飯豊さんは本当に“空気清浄機”みたいな方(笑)。撮影が進むにつれて現場はどんどん疲れが漂ってきてどうしても殺伐とするんですが、飯豊さんがいるだけで、キャストもスタッフも元気になりました。とにかくすごく明るいんです。

SNS動画も自発的にやってくれますし、子供みたいに無邪気に『サイン』を愛してくれました。

先日も、大森さんや仲村さんのクランクアップの日に、自分はすでにクランクアップしているのに久里浜という遠方のロケ地まで法医研メンバー(佐津川愛美さん、小久保寿人さん)を引き連れて駆けつけてくれたり、ドラマの打ち上げでは率先してMCをやってくれたり。まっすぐに番組愛を表現してくれました」

©テレビ朝日

インタビュー後編では、日本で韓国ドラマをリメイクしようと思った理由を明かしてくれる。飯田爽プロデューサーが作品を通して描きたかった“普遍的なテーマ”とは?

※番組情報:『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』最終話
2019年9月12日(木)午後9:00~午後10:09(※15分拡大)、テレビ朝日系24局

※テレ朝動画で1話~8話配信中!先週放送の8話はこちら