テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
未来をここからプロジェクト
menu

五輪スポーツクライミング出場内定・野口啓代を支える父親の「大胆行動」とは?

今週7日(土)に東京・稲城市若葉台で開かれるスポーツクライミング・ボルダリング種目の大会「第6回 牛乳石鹸プレゼンツMaster of BLoC 2019 in INAGI」。

BLoC(ブロック)は、「Bouldering Local Circuit」の略で、2009年から始まったボルダリングシリーズ大会。これまで8年に渡り、年4〜8大会を関東各地のクライミングジムで開催してきた。

そんな今年のBLoCで、注目を集める一人の選手がいる。

野口啓代(のぐち・あきよ)選手(30歳)だ。

小学5年生の時に家族旅行先のグアムでフリークライミングに出会った彼女は、その後スポーツクライミング3種目のうちの1つ「ボルダリング」を本格的にスタート。

すると、翌年行われた全日本ユース選手権で、小学生ながら中高生を抑えて優勝するなど瞬く間に頭角を現し、「天才少女」と注目を集めるようになった。

その後も国内外の大会で次々と輝かしい成績を残し、2008年には日本人女性として初めてワールドカップのボルダリング種目で優勝。さらに、2009年、2010年、2014年、2015年とワールドカップ・ボルダリング種目で4度の年間総合優勝を飾った。

そして、2016年8月にスポーツクライミングが東京五輪の新種目に決定すると「五輪金メダル」を目標に掲げ、今年8月の世界選手権で銀メダルに輝いたことで東京五輪の日本代表に内定した。

◆引退覚悟で掴み取った東京五輪の切符

「もともと東京五輪で(競技生活を)最後にしたいなと思っていました。日本の皆さんの前で最後のクライミングにしたいと思っていたので、今回の世界選手権で、もし五輪代表に決まらなかったら、日本じゃない場所での大会が私にとって選手として最後の大会になっていました。やはり日本で応援して欲しかったので、率直に嬉しかったです」

そんな野口が東京五輪出場内定後初めて出場する今年の「Master of BLoC」の舞台は、昨年に続いて東京都稲城市にあるテレビ朝日若葉台メディアセンター特設ウォール。

以前は、既存商業ジム内にあるスペースの制限された会場での開催だったが、昨年から特設ウォールでの開催となったため、競技も観戦もよりグレードアップした大会へと進化している。

ここで、簡単に東京五輪で採用されたスポーツクライミング3種目を主要国際大会のルールに沿って説明しよう。

スポーツクライミング競技にはボルダリング、リード、スピードの3種目がある。五輪や世界選手権では、この3種目の総合成績を争う複合競技として男女別で行われる。

まず、ボルダリングとは、高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を、制限時間内にいくつ登れたかを競う種目。予選、準決勝は1ボルダー5分間を合計4~5ボルダー行う。決勝は1ボルダー4分間で争い、完登ボルダー数で順位を決する。安全器具は付けず、落下しても制限時間内ならば再チャレンジできる。各ボルダーをどう攻略するか、各選手の戦略や判断力がみどころだ。

リード種目とは、6分間の制限時間内に高さ12メートルを超える壁を、どこまで登れるかを競う種目。安全のためにロープのつながったハーネスを付けた状態で登るが、落下した時点で再チャレンジはできない。

ゴールした選手、記録が同じ選手が複数いた場合は、前ラウンドの順位か到達タイムで順位を決定する。長い距離を上るため、判断力に加えて持久力も大事な要素となる。

最後に、スピード種目とは、その言葉通り、ゴールまでのスピードを競う種目。高さ10メートルないし15メートルの壁を、どれだけ早く登れるかトーナメント方式で勝敗を決する。ロープの付いたハーネスを装着して競技を行うもので、コンマ数秒を争うダイナミックな動きが醍醐味だ。

三種目に求められる力はどれも微妙に異なる。すべての種目で好成績を収められるかが、野口が五輪でメダルを獲得できるかの鍵となる。

◆強力にバックアップする父親の大胆行動。なんと自宅を…

野口は「ここまで活躍できるのは、周囲のサポートのお陰」と感謝を口にする。その中でも競技を始めてから一貫して強力なバックアップをしてくれているのが野口の父親だ。

なんと、娘のために自宅を改造して、練習場を作ってしまったという。

「父は心配性なのと、思い立ったら聞かない性格なので、強くなりたいなら家に建てちゃえ!ということでボルダリング練習用の壁を建ててくれたんです」

支えてくれた父親の期待に応えたいという想いは強い。

「クライミングを始めてワールドカップに出始めた10代の頃から、大会で勝つことが私の夢でもあり、父の夢でもあったと思います。オリンピックにも親を連れていってあげたいなという気持ちもすごく強かったし、親もすごく不安だったと思いますが、五輪出場が内定して自分の事のように喜んでくれました」

今回の「Master of BLoC」への意気込みを聞くと、「昨年優勝してますし、優勝は譲れないなと思っています。沢山の人に見に来てほしい。世界選手権までは『五輪代表権を獲らないと』と思って登ってきたが、ここから1年は攻めの姿勢というか、東京五輪で金メダルを取りに行くというもっとポジティブに上を目指してやっていきたい。もっと攻めた登りを見てもらえたらうれしいです!」と強い決意を語ってくれた。

東京五輪メダル候補・野口の活躍は必見だ。

※番組情報:『Master of BLoC 2019
9月7日(土)午後4:00〜8:00、AbemaTV

はてブ
LINE
おすすめ記事RECOMMEND