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東京五輪の金メダルだけではない。バド奥原希望、異例のプロ転向を決断した理由

8月19日(月)に開幕した「世界バドミントン」。

同大会は各国から強豪選手が集い、“真の世界一”を決める大会となっている。さらに今年は五輪レースの真っ只中で、例年にも増して選手たちにとって特別な意味を持つ。

2016年リオ五輪で銅メダルを獲得した奥原希望も、この大会に懸ける一人だ。

©テレビ朝日

奥原は現在世界ランク4位で、今年も「全英オープン」でベスト4、「ジャパンオープン」で準優勝と安定した成績を残しているが、この結果に全く満足していない。

「私が目指している所は、2位でも3位でもなくて、あくまで頂点に立つことなので。私の中では、コンスタントに結果を残しているとは思っていないです。全然足りないと思っています」(奥原)

目指すところは、あくまでも一番上。2020年東京五輪での金メダル獲得だ。

2019年1月、バドミントン界では異例となるプロ選手に転向したのも、金メダル獲得への最善の方法と考えたためだった。しかし、周囲を驚かせた決断の裏には、それだけではない“ある思い”があった――。

◆「怪我のリスクを最大限に減らしたかった」

日本バドミントン界では、実業団に所属してプレーをしている選手がほとんどだ。代表選手は、所属チームが出場する国内の大会に加え、海外ツアーも転戦している。

過去に怪我で苦しんだ奥原は、東京五輪で金メダルを獲るために、実業団に所属せず、出場試合数を減らすことで「怪我のリスクを最大限に減らしたかった」という。

現在は、太陽ホールディングスがスポンサー企業として奥原を支援しているが、プロ転向を決断した当初は、スポンサーの当てなどは全くない状態だった。

©テレビ朝日

前例もあまり見られず、無謀な挑戦だったようにも見えるが、そこには奥原の“信念”があった。

「自分で納得しないまま進むのがすごく苦手なんです。自分の意思で、物事を判断して進んでいきたくて、(プロ転向は)自分で『こうだ』と思って進めています」(奥原)

東京五輪での金メダル獲得のために――万全の態勢で臨むため、自ら覚悟を持って選んだ道だった。

◆「選択肢を増やしてあげたい」

今の目標は、東京五輪での金メダル獲得だが、奥原は「東京五輪がゴールではない」と断言する。

「(金メダルは)何が何でも獲りたいですけど、通過点です。引退後には第二の人生があるので、また新たな目標を見つけて、全力で走っていきたいと思っています」(奥原)

プロ転向を決めたのも、金メダル獲得のためだけではなかったという。

「今の日本のバドミントン界は、世界トップクラスの実力ですが、私が引退しても、ジュニアの子たちが続いてほしいなと思っています。

そうなってくると、その子たちの進路は様々で、選択肢があればあるほどいいと思っていて、そういう選択肢を増やしてあげたいです」(奥原)

未来の日本バドミントン界を担う子供たちのために、自らが先頭に立って道を切り開いていく――プロ転向は、2020年だけでなく、その先も見据えた決断だった。

©テレビ朝日

そのためにも、まずは2020年の夢舞台へ。「世界バドミントン」での奥原の戦いに注目したい。

※放送情報:「世界バドミントン2019 スイス・バーゼル 決勝」
2019年8月25日(日)よる9:00〜11:05(延長あり)、テレビ朝日系24局ネット・BS朝日

※BS朝日では予定を変更し、決勝の模様を8月25日(日)深夜0時40分から放送します。