バド桃田賢斗は、何がすごいのか?世界ランク1位独走の裏に隠された“強さの秘密”
今日8月19日(月)から開幕する「世界バドミントン」。
同大会は、各国から強豪選手が集い、“真の世界一”を決める大会となっている。さらに今年は五輪レースの真っ只中で、例年にも増して選手たちにとって特別な意味を持つ。
2020年東京五輪を前に、日本人選手の活躍に期待が高まるが、中でも注目は桃田賢斗(24歳)だろう。
桃田は2018年9月に世界ランク1位となって以降、2019年8月現在まで首位を独走。今年2019年も、「全英オープン」で日本人男子史上初となる優勝を飾り、「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」では連覇を果たすなど、すでに5つのトーナメントを制覇している。
上記のように、バドミントンにそう詳しくない人でも、“桃田が強い”ことを知っている人が多いと思うが、彼の強みを答えられる人は、一体どれくらいいるだろうか?
今回はあえてシンプルに、桃田の何がすごいのかを、北京、ロンドン五輪に出場したバドミントン元日本代表の池田信太郎氏(テレビ朝日解説)にぶつけてみた――。
◆桃田の強さは「相手の足を止められるところ」
池田氏に「桃田の強さは?」と尋ねると、実にシンプルな答えが返ってきた。
「相手の足を止められるところです」(池田氏)
桃田は、同じようなフォームで、ストレート、クロスと複数のショットを打ち分けるため、相手に行動を読まれにくいのだという。
そうすることで相手の動きを鈍くさせ、自らのペースに持ち込むことができるというのだ。ではなぜ、桃田だけが相手の足を止めるができるのだろうか?
「まず、左利きであるということは大きいと思います。右利きより左利きの方が圧倒的に選手として少ないので。
そしてある意味、桃田君の“感性”みたいなものがあるんですよね。教えたから出来るものではなくて、自分で強い選手を見て分析して取り込まなくてはいけないので…。そういった感性が素晴らしいなと思います」(池田氏)
左利きという有利な点があることに加え、繰り返し分析をして、最大限にアウトプットすることができる感性を兼ね備えているというのだ。
◆「自分の力で連覇したい」
しかし、海外勢が桃田をマークしていることは明らかで、桃田のショットにも確実に対応してきているという。
「桃田君のリズムでやらせてしまうと難しいというのは、みんな分かっているので、最初からトップスピードでギアを入れて、桃田君のストローク戦に持ち込ませないように、先手でプレッシャーをかけることが多くなった気がします」(池田氏)
挑戦者として、相手選手がアグレッシブに攻めてくることは必至で、桃田はそこを守り抜くことに加えて、“攻守のバランス”を大切にすることが重要だと池田氏は分析する。
「攻撃とディフェンスの割合が、どういう配分になるかというのが、かなり大切だと思います。
(7月に行われた)『ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン』では、ディフェンスと攻撃の割合が6:4ぐらいで、要所で攻撃できていたので、ちょうどいいバランスのような気がします」(池田氏)
桃田自身も、世界一の選手として追われる立場になっていることは自覚している。だからこそ、「世界バドミントン」に懸ける思いも例年以上に強い。
「去年は棄権する選手がいたり、クジ運が良かったりと言われたので、今年はしっかり自分の力で連覇したいです。偶然だったと言われないように、連覇を狙いに行きたいと思います」(桃田)
2020年東京五輪での金メダル獲得に向けて――まずは「世界バドミントン」で王者の力を見せつける。
※放送情報:「世界バドミントン2019 スイス・バーゼル 決勝」
2019年8月25日(日)よる9:00〜11:05(延長あり)、テレビ朝日系24局ネット・BS朝日
※BS朝日では予定を変更し、決勝の模様を8月25日(日)深夜0時40分から放送します。