吉田鋼太郎、自身の出演ドラマ『死命』を激賞!「3回以上見ちゃった」
最期まで<正義の道>を貫き通そうと決めた刑事・蒼井凌(吉田鋼太郎)、そして最期にずっと抑え込んできた<殺人衝動>を解き放とうと決めた榊信一(賀来賢人)。
互いに病で余命宣告を受け、自らの死と隣り合わせな状態のなか、正反対の“使命”を見出した男たちが壮絶な追走劇を繰り広げるドラマスペシャル『死命~刑事のタイムリミット~』。
5月19日(日)に放送される同作を一足先に鑑賞した主演の吉田鋼太郎が、その魅力を語った。
撮影中から「ある程度のものは出来た」という自負があったという吉田だが、完成作品を見て、いい意味で裏切られたそう。「とにかくカッコいいシーンばかりなんですよ」と興奮まじりに語る。
「ドラマの冒頭、霊安室で遺族が泣き崩れるなか、僕がカメラに背中を向けて歩いていき、『死命』というタイトルが出る。そこからもう、ガーッと作品の世界に入っていけるんです。また、音楽がとってもいい! ともすればクサくなってしまうような、すごく思い切った選曲がされているんだけど、それがピッタリ合っているんです。出演者の皆さんのお芝居自体にすごく力があるので、音楽が全然浮かないんですよ。いろんな要素がとてもいいバランスで調和しているなって思いましたね」
なんと本作を「3回以上見ちゃった」という吉田。周囲の役者たちの力強い演技にぐんぐん引き込まれる一方で、自分自身の芝居に関しても、いつもとは違う感覚を覚えたという。
「自分が出演しているにもかかわらず、最初から最後まで見入っちゃった! いつもは『自分の芝居って好きじゃないなぁ』と思うから、あんまり見ないんですけど、今回に限っては『吉田鋼太郎、結構いい芝居をしてるんじゃない?』と思っちゃいました(笑)」
◆賀来賢人の芝居に「改めてすごいなって」
物語の主軸は、刑事・蒼井(吉田)と連続殺人犯・榊(賀来)の追走劇。追いつ追われつの関係にある2人が真正面から対峙する場面は限定されており、吉田も完成作品で初めて観るシーンが多々あった。そんななか、吉田は賀来の芝居に衝撃を受けたという。
「榊は過去の因果によって間違った考え方と心を持ってしまった人間。それを演じる賀来くんの集中力たるや…!『あれは何だったんだ!?』と思うくらい、『今日から俺は!!』とはまるで別人で、改めて俳優・賀来賢人はすごいなって思いました」
賀来が超卑怯者の金髪ヤンキーに扮した『今日から俺は!!』では、吉田は彼の父親を演じ、破壊力抜群のコメディードラマを展開。そんな2人が真逆の世界観で魅せる“新たな化学反応”も、『死命』の楽しみどころのひとつだ。
「『今日から俺は!!』をご覧になっていた方が『死命』を見たとしたら、俳優っていろんなことをやるんだなって、ギャップを楽しんでいただけるんじゃないかな。さらに、『死命』を見た後、録画した『今日から俺は!!』を見たら、人間が信じられなくなると思います(笑)」と吉田もコメントしている。
◆自らの死に様についても「やっぱり考えました」
残り少ない余命に身を震わせながらも、刑事としての使命に心を奮い立たせ、命懸けで榊を逮捕しようとまい進する――そんな蒼井を演じ切った今、吉田は彼の生き様に改めて思いを馳せたそう。
「蒼井は自分がやるべきことに誰よりも生真面目に一生懸命、命懸けで取り組んでいる。それは、お芝居をずっとやっている僕ら役者も同じなんです。特に食えない頃は、周りに『食えないのによくやるなぁ』と思われても、とにかく信じてやるしかなかった。自分はこの仕事が好きだ、お客さんに楽しんでもらうことが好きだ、お客さんを感動させることが好きだ、と…。そう思ってお芝居を続けてきた姿勢は、命懸けで犯人を追い詰める蒼井とまったく同じだと思うし、とても共感できます」
演じていたときも「分からない部分がひとつもなかった」という吉田。蒼井と一体化するなか、自分自身の“死に様”についても考えた瞬間があったという。
「死に様については、やっぱり考えましたね…。『舞台の上で死にたい』という思いは役者の中に“ひとつの憧れ”としてありますが、実際は病院のベッドの上で死ぬのが一番いいだろうなって。ただ、もし僕自身が舞台の上で最期を迎えることになったら、それはそれで幸せなんだろうなって気もしているんです」
そして最後に吉田は、「世代を問わず、この作品をご覧になれば、自分自身の人生を顧みていただけるはず。蒼井や榊だけでなく、さまざまな立場の人間模様が濃密に描かれているので、『死命』に限っては老若男女問わず、みんなに見てもらいたいです」と語った。
※番組情報:日曜プライム『死命~刑事のタイムリミット~』
2019年5月19日(日)午後9:00~午後11:05、テレビ朝日系24局