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賀来賢人、”ものすごく辛かった”殺人シーン。撮影後、妻子を見て「変な気持ちに」

5月19日(日)に放送されるドラマスペシャル『死命~刑事のタイムリミット~』

最期まで<正義の道>を貫き通そうと決めた刑事・蒼井凌(吉田鋼太郎)、そして最期にずっと抑え込んできた<殺人衝動>を解き放とうと決めた榊信一(賀来賢人)。

互いに病で余命宣告を受け、自らの死と隣り合わせな状態のなか、正反対の“使命”を見出した男たちが織りなす壮絶な追走劇を繰り広げる。

©テレビ朝日

本作で賀来賢人は、大ヒット主演ドラマ『今日から俺は!!』(2018年)でのコメディー演技から一転、狂気と繊細さが同居するシリアスな芝居で連続殺人犯を演じ、役者としての存在感を見せつけている。

そんな賀来が撮影時の心境からプライベートの話まで語ってくれたインタビューが届いたので、以下で紹介しよう。

◆殺人のシーンは「ものすごく辛くて苦しい気持ちに」

©テレビ朝日

――先日、主演の吉田鋼太郎さんが「賀来賢人はすごい!」と、お芝居を絶賛されていました。

「ホントですか(笑)!? うれしいですね!そんなこと、会ったときには全然言ってくれないのに(笑)」

――ご自身のなかでも手応えはありましたか?
「う~ん…榊は普通の人とは感覚が違うので、すごく難しい役でしたし、なかなか共感できる役ではなかったんです。だからこそ逆に、彼の心理を毎シーン想像しながら、すごく丁寧に作っていけた気がします。

今回に関しては“その人になりきる”というやり方ではなく、台本を読んだときに僕自身が体感した恐怖みたいなものを、すごく大事にしながら芝居に乗せるような作業でしたね」

――殺人衝動に抗えず、ターゲットを探して夜の街をさまようときなど、榊の目の表情に思わずゾクッとしました。演じるにあたっては、どんなイメージをもって臨まれたんですか?

「榊は自分の死が迫るなか、常に焦燥しているんです。だから街をさまようときは、人間の怖さといった強いベクトルよりも、人間の脆さや弱さを大事にしてましたね。

殺人のシーンを1日にまとめて撮影したんですよ。そのときは、ものすごくつらくて苦しい気持ちになって…。榊を演じる上で、そのときの感覚は大事にしようと思いました」

――殺人のシーンの撮影を1日にまとめるとは…スタッフもドSですね!
「ホントおかしいんですよ、この作品のスタッフは(笑)!でも、それくらいの勢いでやっていただいたので、逆に榊のスイッチが入ったというか…。榊という人間の弱さを理解できるようになったんです」

◆楽な役はひとつもない「全部つらいです(笑)」

©テレビ朝日

――『今日から俺は!!』の影響もあって、世間的に今は“賀来賢人=コメディー”という印象が強いと思いますが、今回は真逆の役どころですよね。シリアスな役だからこその難しさはありましたか?

「やっぱり難しいですよ。というか、どんなキャラクターの役も全部つらいです(笑)。それくらい、役を作っていくのは大変なんですよ。台本を覚えて、自分と全然違う人物に息を吹き込むわけですから…。楽な役はひとつもないです!」

――榊はそういった役作りのつらさに加え、役の設定自体のつらさもあるわけですよね

「そうなんですよ。実は撮影で首を絞めた後、家に帰ったら、妻と子どもが楽しそうにしていて…。癒やされると同時に、あまりに環境のギャップがすごすぎて(笑)、変な気持ちになりました。そのくらい精神的なダメージの大きい役だったので、大変でしたね」

――芝居とはいえ、殺人を犯してしまった罪悪感も…?

「それはやっぱり、ありますよ。『でも、仕事だしな!』と思って(笑)。僕、この仕事には切り替えが大事だと思うんですよ。実際、僕が尊敬する先輩方は『直前までバカ話をしていても、本番に臨めるのが真の俳優だ』という人が多いし、僕もその感覚がすごく好きなんです」

◆演技をするときの吉田鋼太郎は「とにかく圧がすごい」

©テレビ朝日

――今回、吉田鋼太郎さんとも『今日から俺は!!』や現在放送中のCMとは毛色の違う作品・役柄での再共演となりましたが、いかがでしたか?

「場数にしても、経験値にしても、オーラにしても、吉田鋼太郎さんはちょっとスケールが違う役者さんというか、自分にはない引き出しをたっくさん持ってらっしゃる方なんです。

実は今回、鋼太郎さんとはあまりご一緒するシーンがなかったんですけど、最後に直接対決するシーンでの緊張感、鋼太郎さんと対峙したときの圧たるや…! 芝居のアプローチを含めて、改めて本当にすごい方だなと思いましたね。とにかく、圧がすごい(笑)!

僕もその圧を受けることで、鋼太郎さんに引き出していただいた部分がたくさんあるし、すごくいい勉強になりました。でも、鋼太郎さんも普段、控室で話しているときはものすっごいフラットなんですよ! その切り替えもまたすごいな、と思いましたね」

――逆に、ちょっと意外な部分を発見されたりはしましたか?

「意外ではないんですけど、今回分かったのは、いい匂いがするなってこと(笑)。鋼太郎さんってイタリア人みたいな、ダンディーで、いい匂いがするんですよ。これは視聴者の方には伝わらないかもしれないので、ここで言っておこうと思って(笑)」

――賀来さんもコロッといっちゃいそうなくらいの匂い…?

「そうです!カッコいい大人の色気が漂ってました。鋼太郎さんは包容力もあるし、優しいし、仕事モードに入るとクッとなるし…ホントにカッコいいです!」

――今度、鋼太郎さんとガッツリ共演する機会があるとしたら、どんな役で共演したいですか?

「何ですかね!? 最初が親子で、次が刑事と犯人でしょ。(しばらく考えて)…あ、それこそ中尾(明慶)さんが演じられてた蒼井の部下・矢部みたいな感じで、僕が部下、鋼太郎さんが上司という関係で共演してみたいですね。すごく楽しそうな予感がします」

◆ちょっと息抜きしてインプットする時間も必要

――ちなみに、榊はずっと抑えてきた殺人衝動を解き放つという役どころですが、賀来さん自身が今抑えている衝動は何かありますか?

「東京から離れたい、という衝動です。移住ではなく、海とか外国とか1回どこかへ旅に出かけたいという欲が最近強いんですよ。もともと旅とかは好きじゃなかったんですけどね。ただ、最近はありがたいことに忙しくさせていただいて、アウトプットが続いているので、ちょっと息抜きしてインプットする時間も必要だなって。

ただ、なかなか休めない(笑)!だから、今は衝動を抑えながら、『いつかすごい旅をしてやる!』という思いをモチベーションに、仕事を頑張ってるんです」

――では最後に、『死命』の見どころと、絶対に見てほしいシーンを教えてください

「どのシーンもドキドキハラハラするサスペンス作品であると同時に、人間ドラマとしてのスケールがすごく大きいので、見た後にすごく考えさせられる作品になってると思います。

特に、鋼太郎さんと僕が面と向かって対話するシーンは、時間的にはホントに短いけれど、自分が最も集中したシーン。“あっちがこう来たら、僕はこう返そう”という理屈が通用しなかったシーンというか…記憶が曖昧なくらい集中できたシーンでした。そのシーンが視聴者の皆さんにどう届くのかなって、楽しみです」

※番組情報:日曜プライム死命~刑事のタイムリミット~
2019年5月19日(日)午後9:00~午後11:05、テレビ朝日系24局