沢口靖子、『科捜研の女』で「犯人役もやってみたい」その真意を明かす
20年目を迎える「season19」がテレビ朝日開局60周年記念として2019年4月~2020年3月までの1年間放送される『科捜研の女』。
テレビ朝日のプライム帯のドラマが通年で放送されるのは、1998年11月から1999年9月まで放送された『暴れん坊将軍』以来20年ぶり。
最新の科学捜査テクニックと豊饒な人間ドラマに四季折々の京都の魅力が加味されるなど、1年間のロングラン放送に早くも大きな期待が寄せられてる。
そんな『科捜研の女』が、横浜市市民文化会館・関内ホール(大ホール)で開催された一般社団法人「放送人の会」・公益財団法人「放送番組センター」主催の公開セミナー「名作の舞台裏」でテーマとして取り上げられ、沢口靖子、土門刑事役の内藤剛志、脚本を担当する戸田山雅司、櫻井武晴らが出席し試写会とトークショーが行われた。
◆通年放送で脚本を書くのは「ファイトが湧く」
まず沢口が、「マリコは脚本の先生方や今日、ここに来ていただいた皆さんにも作っていただいた“榊マリコ”だと思っています」と感謝を述べる。そして内藤も役についての思いをコメントしたのち、同作をメインライターとして支えてきた戸田山と櫻井も口を開く。
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これまで放送された作品の約半分を担当してきた2人。『科捜研の女』は一般の“警察もの・事件もの”とは違い、最先端の“科学捜査”を扱っているのが大きな特徴だが、それだけに脚本を執筆する上での苦労も多かったのでは?と聞かれると…。
「僕は毎回新しい科学データを入れたい、と思って書いています。ほとんど毎日のように科学論文が発表されているので、最新科学のネタでは困りません。ただ、それだけの手口を使って人を殺すにはそれ相当の動機が必要となるので、犯人のキャラクター作りに苦労しています」と、櫻井。
また、4月からの通年放送で脚本を書くのも大変かと思いきや、戸田山は「いや、1年もやらせてもらえるなんて脚本家冥利に尽きますね。今までは秋から冬までの京都を舞台にすることが多かったですが、1年間となれば四季折々の京都を舞台にできます。例えば、夏の暑い時期だからこそ成立するトリックもありますのでファイトが湧きますね」と、目を輝かせた。
◆沢口靖子「犯人役もやってみたい」
以前、『科捜研の女』では「犯人役をやってみたい」と言っていたこともある沢口。改めてその心境について、
「犯人像に共感できるとき、できないときがあるんです。犯人役をやってみたいと思うときは、犯人の心情を理解できて人間的に魅力を感じたときですね。『科捜研の女』は事件の背景、心情がとても丁寧に描かれています。そんな『科捜研』を誇りに思っている、ということが申し上げたかったんです」と回答。
一方の内藤は、「普通の人間が逸脱していくのが犯人、そういう意味では魅力があります。ただ、僕は刑事として悪をやっつける、という皆さんからの要望があります。ファンの皆さんあってのことですから、やはり刑事役を全うしたいですね」と答え、そんな内藤に会場のファンは大喜びのようすだった。
また、マリコと土門刑事の抜群のコンビネーションを聞かれると沢口は、
「普段、内藤さんと関係性の話はあまりしていません。個人的には同じ大阪出身で、内藤さんの飾らない気さくな性格に甘えさせていただいています。それをベースにマリコと土門の関係があるのですが、2人は事件に向き合う正義感と使命感が似ていると思います。
恋愛のちょっと手前の、信頼と尊敬の強い絆で結ばれている関係でやらせていただいています」と、恋愛には発展しない2人の信頼関係をアピールした。
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『科捜研の女』が20周年、テレビ朝日が開局60周年、そして1984年デビューの沢口は今年で芸能生活35周年を迎える。おめでたい節目だらけの年に始まる『科捜研の女』の通年放送、4月から始まる「season19」に期待だ!
※番組情報:テレビ朝日開局60周年記念『科捜研の女』
2019年4月スタート!【毎週木曜】よる8:00~8:54放送、テレビ朝日系24局