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宇賀なつみアナ、168年続く老舗の漬物に感嘆の声!「歯切れの良い食感と程良い酸味が絶妙」

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

水曜日は、宇賀なつみアナウンサーが、伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性から人生を素敵に過ごす秘訣などに密着する名物コーナー「継ぐ女神」をお届け。

11月7日(水)の放送では、滋賀・大津市で168年続く漬物の老舗「八百与(やおよ)」の6代目女将・小倉久代(おぐら・ひさよ)さん(60)に、宇賀アナが迫りました。

◆滋賀・大津市で168年続く漬物の老舗「八百与」6代目女将・小倉久代さん

「近江かぶら ながら漬」100g 400円~(税込み)※お取り寄せ可能。詳しくは店舗に直接お問い合わせください。

滋賀の伝統野菜を使った漬物を、江戸の昔から作り続けてきた「八百与」。一般的なカブより平べったい形が特徴の「近江(おうみ)かぶら」を酒粕(さけかす)で漬けた「ながら漬」は、大正時代に“宮内省御用達”となったんだとか。開業時に八百与が考案したもので、江戸時代には比叡山延暦寺(ひえいざん・えんりゃくじ)にも納められていたといいます。ちなみに名前の“ながら”とは、店がある場所の地名に由来しているんだとか。

今の時期は、1月に仕込んだ分がちょうど漬け上がる時期でもあります。「栽培している農家はいまや1軒のみ」という貴重な伝統野菜を、168年間受け継がれてきた製法で漬けた「近江かぶら ながら漬け」。酒粕と焼酎で漬け込んだそれは、試食させていただいた宇賀アナによれば「噛めば噛むほど酒粕の風味が広がる美味しさ」だといいます。

◆皇室ゆかりの品々が並ぶ小倉家の「蔵で見つかったお宝」とは?

久代さんの自宅へ案内していただいた宇賀アナは、大正天皇の母・柳原愛子(やなぎわら・なるこ)様から贈られた人形や、明治天皇が着用されていたシャツなど、宮内省御用達となったお祝いにいただいた皇室ゆかりの品々の登場に感動。しかし、老舗のお宝はそれだけではありません。

久代さんの夫で6代目店主である与七郎(よしちろう)さん(68)から見せられたのは、蔵の縁の下で見つかったという「古信楽(こしがらき)の壺」。古信楽とは「江戸時代中期以前に作られた信楽焼(しがらきやき)」のことを言うのだそうです(諸説あり)。

過去に目利きの知人から「良い品だ」と言われたことがあるというこの壺を、今回はプロ鑑定士に改めて見ていただきました。高いものだと500万~600万円の値がつくこともあるという古信楽。「古信楽で間違いない」という見立てに期待が高まりましたが、しかし鑑定額は「15万円」。古信楽の価値は作られた年代によって差があり、数百万円の値が付くのは「鎌倉時代から室町時代のもの」なんだそうです。

◆伝統野菜「日野菜」の“ぬか漬け”の美味しさの秘密は、用いる“ぬか”にあり

「ひのな漬」380円(税込み)※お取り寄せ可能。詳しくは店舗に直接お問い合わせください。

伝統の漬物が作られている八百与の作業場へ、宇賀アナは特別に入れていただきました。そこで目にしたのは、宇賀アナが「大根とニンジンの中間のよう」と評した伝統野菜の「日野菜(ひのな)」。10月下旬から収穫が始まるもので、与七郎さんによれば、こちらもカブの一種なのだそうです。

八百与では、一般的なぬか漬け作りで用いる“ぬか床(どこ)”は使わず、「野菜は毎回“新しいぬか”で漬けている」のだといいます。「ぬかを使いまわすと酸味が強くなるから」だといい、これは創業当時からの変わらぬ伝統なんだとか。新しいぬかを使うことで、素材本来の味が引き立つのだそうです。

宇賀アナも日野菜のぬか漬け作りをお手伝いさせていただきました。まずは塩漬けした日野菜を樽(たる)に並べ、並べ終わったら塩を振ります。その上をぬかで覆い、塩水をかけたら仕込みは終了。3週間ほど漬け込んだら、今が旬の「ひのな漬」の完成です。宇賀アナは、その香りの良さに感嘆の声を上げました。試食しての感想は「歯切れの良い食感と程良い酸味が絶妙」だそうです。

◆「待つ」から「攻め」へ営業姿勢を転じさせた小倉久代さんの戦略とは?

「お茶漬け御膳」1000円(税込み 要予約)※現在は仕込みのため実施しておらず、1月から再開予定。詳しくは店舗に直接お問い合わせください。

伝統を守る漬物の老舗に久代さんが嫁いだのは24歳の時。しかし当時の営業スタイルは、久代さんの目には“殿様商売”と映ったそうです。「宮内省御用達店」のプライドからか積極的な売り込みなどは一切せず、「ただお客様が来るのを待つだけ」だったのだとか。

そんな営業姿勢に、久代さんは違和感を抱いたといいます。「日本の食文化が変化して“漬物離れ”が進んでいるのだから、伝統やブランド性ばかり重んじていてはいけない。子や孫に店を託していくためには、若い世代のお客様にも漬物に親しんでいただける工夫をしていくことが必要だ」。こう考えた久代さんは、江戸時代に建てられた風情ある座敷をお客様に開放し、新たな試みを始めました。

新たな試み、それは「ふき味噌」「シイタケのからし漬け」「赤かぶらのお漬物」など10種の漬物が食べられる「お茶漬け御膳」の提供です。久代さんの狙いは見事的中。自慢の漬物にご飯とみそ汁がついて税込み1000円というお茶漬け御膳は、インスタ映えしそうなビジュアルの魅力もあって、若いお客様に好評を博しました。

宇賀アナも、ウワサのお茶漬け御膳をいただきました。内部までよく味のしみた「卵黄の粕漬」はそのまま食べても非常に美味しい逸品ですが、ご飯にのせてお茶をかけると、また新たな味わいが生まれます。

久代さんは座敷に続いて蔵も開放し、漬物名人である与七郎さんに「漬物体験教室」を開かせるなど、新規顧客の呼び込みにつながる様々なチャレンジを続けています。与七郎さんによれば、久代さんは「自分を上手に持ち上げて、やる気を出させてくれる」んだとか。今回の取材の最後に、与七郎さんは「36年間、楽しませてくれてありがとう」と久代さんに感謝の言葉を贈っていました。

◆待っているだけじゃダメ! 一歩前に出る勇気が大切ですよ

今回、久代さんへの取材を通して宇賀アナの心に残った「女神の一言」は、「待っているだけじゃダメ! 一歩前に出る勇気が大切ですよ」です。「ただ“待つ”だけの商売では、どんなに良いものを作っていたとしても世間に気づいてもらえない。自分から知ってもらう努力が大切なんだ」。こう考えた久代さんが「一歩前に出る勇気」を見せたことで、八百与は新しい方向への第一歩を踏み出すことができました。チャレンジが一定の成果を収めた現在もなお、久代さんは「まだまだ新たなことに挑んでいきたい」と意欲満々です。

 

※八百与(やおよ)
住所/滋賀県大津市長等2-9-4
TEL/077-522-4021
営業時間/10:00~19:00
定休日/日曜
紹介した「漬物体験教室」は要予約で、内容は季節によって異なります。現在は仕込みのため実施しておらず、1月から再開予定。詳しくは店舗に直接お問い合わせください。