テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

史上最年少13歳で全米女王→16歳で引退→復帰1年で金!フィギュア新女王はなぜ強い「ほかの選手をライバルとして見ていません」

10月24日(金)に開幕するフィギュアスケート・グランプリシリーズ第2戦中国大会。女子シングルには、現世界女王のアリサ・リウ(20歳)が登場する。

写真:毎日新聞社/アフロ

昨シーズン、世界選手権で4連覇を目指していた坂本花織を破り、アメリカ人女子としては19年ぶりの優勝をはたしたリウ。来年2月に開催されるミラノ・コルティナ五輪でも、日本勢にとって強力なライバルになりそうな逸材だ。

◆16歳で引退を決意「もうスケートはしたくない」

リウの復活は、昨シーズン、フィギュア界をもっとも驚かせた出来事といえるだろう。

かつて大技・トリプルアクセルを軽々と跳び、全米選手権を史上最年少の13歳で制覇。“天才少女”として脚光を浴びた彼女は、16歳で北京五輪に出場し6位入賞、2022年の世界選手権では銅メダルを獲得するなど、将来を嘱望されていた。

それにも関わらず、彼女が選んだのは16歳での現役引退だった。

「真剣にスケートをはじめたのは8歳の頃で、コロナが流行るまで一度も休めませんでした。コロナが流行って初めて休みを取ったとき、もうスケートはしたくないと思ったんです」(リウ)

引退後はスケート漬けの生活から離れ、普通の10代としてプライベートを満喫。およそ2年間、氷の上に立つことはなかった。

そんななか、彼女にある転機が訪れる。

「去年初めてスキーに行ったときに、疲れて脚が痛くて寒さも感じて、それがスケートの感覚と同じで、スキーが好きになりました。スキーが好きなら、スケートに戻るべきだと思ったんです」

直感的にスケートへの想いが蘇り、競技への復帰を決意した。

しかし、2年というブランクはあまりにも大きく、コーチからは「復帰したらまた結果を出さないといけないから辞めたほうがいい」と反対されたという。

その言葉通り、復帰直後は簡単なジャンプにも苦戦。「とにかく体力がなくて、連続でジャンプするだけでも大変でした。スピンするだけで目が回って、試合なんて出られるわけがないと思いました」と、当時の苦労を明かす。

それでも練習を重ね、徐々に感覚を取り戻すと、2024年10月には3年ぶりにグランプリシリーズに復帰。カナダ大会ショートで坂本花織に次ぐ2位につけた。

手応えを掴み、今年3月の世界選手権では金メダルを獲得。国際大会復帰からわずか数か月で世界女王に登り詰めるという快挙を成し遂げた。

◆笑顔あふれる20歳の素顔

そんなリウの持ち味は、一切のプレッシャーを感じさせない、弾けるような演技。見る者の心を明るくさせる、まさに唯一無二のスケーターだ。

8月、練習拠点・サンフランシスコで過ごした彼女のオフに密着した。この日は、大勢の友人と買い物へ。

「すごくかわいい! ウィンドウショッピングが大好き!」と声を弾ませる。その姿は、20歳の女性そのものだ。

続いて向かったのは、日本から進出した人気のラーメン店。食べ物に限らず、日本が大好きだという。

「おはよう、さようなら、こんばんは、私はアリサです。日本の選手と話せるように、日本語を学びたい。会うたびにそう思うんだけど結局勉強できていなくて。今回はちゃんと勉強すると思う」

◆「私たちはみんな独立したアーティスト」

その前日、リウは五輪シーズンに向けた練習に取り組んでいた。

世界女王として迎える五輪シーズン、「プレッシャーを感じる?」と尋ねると、笑顔でこう答えた。

「感じないですね。ひとつの試合で勝ったからといって、すべての試合に勝てるわけではないので。歌手はパフォーマンスをしても点数はつけられない。それが私の競技に対する考え方。私はほかのスケーターをライバルとして見ていません。私たちはみんな独立したアーティストだから」

“帰ってきた天才少女”が今シーズンも旋風を巻き起こすのか、その活躍から目が離せない。

※番組情報:『フィギュアスケート・グランプリシリーズ2025』中国大会

◆地上波
10月24日(金)深夜3:00~ 男女ショート、テレビ朝日(関東地区)
10月25日(土)深夜3:00~ 男女フリー、テレビ朝日(一部地域を除く)

◆テレ朝動画
グランプリシリーズ/ファイナル2025を有料LIVE配信!
見逃し視聴、特典映像も!詳しくは、テレ朝動画HP