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「人生そのものをこのプログラムに」坂本花織、憧れの先輩から受け継いだ“引退プログラム”。現役ラストシーズンに決めた覚悟

「人生そのものをこのプログラムに」坂本花織、憧れの先輩から受け継いだ“引退プログラム”。現役ラストシーズンに決めた覚悟

フィギュアスケートの「グランプリシリーズ2025」が、10月18日(土)スタートのフランス大会を皮切りに開幕する。

今回は、来年2月に開催されるミラノ・コルティナ五輪を控えた4年に一度の五輪シーズンの大会。上位6名が出場できる「グランプリファイナル」は、日本選手にとっては五輪選考対象大会のひとつでもあり、例年以上に激しい争いが予想される。

初戦フランス大会の注目選手は、日本女子のエース・坂本花織。今シーズン限りでの現役引退を発表している彼女にとって、五輪の頂点を目指す最後の挑戦がはじまる。

テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、ラストシーズンに懸ける坂本の思いに迫った。

◆いまだ手にしていない五輪「金」への渇望

2025年6月。スケートリンクのお披露目イベントに参加した坂本は、引退について次のように語った。

「自分の競技人生は1年切っている。中途半端に2年3年やるよりも、これを区切りにしたほうが自分的にもいいかなと。次の4年後を目指すとしたら29歳なので不可能かなと考えて、この26歳になる年で一旦区切りをつけようかなと思っています」

2022年の北京五輪では個人で銅メダル、団体で銀メダルを獲得。世界選手権では56年ぶりとなる3連覇を達成するなど、次の五輪での金メダルが現実味を帯びていた。

しかし、昨シーズンはグランプリファイナルでまさかの敗北。世界選手権でも金メダルを逃し、人目を憚らず悔し涙を流した。

そんな挫折も影響したのか、このシーズンオフ、五輪への意気込みを問われると、「団体も個人も、銀以上取れたら目標達成です」と控えめな目標を語っていた。

番組の取材に対し、坂本は五輪への胸の内を明かす。

「大学卒業して辞める気満々でした。でも北京五輪でまさかのメダルを獲れてしまって、団体でもう1個いい色(金)を獲りたいとめっちゃ思って、そこから(現役続行が)始まった」

ミラノ・コルティナ五輪を目指すきっかけは、メダル獲得だったという。

控えめな目標設定については「個人はもちろん金目指したいとは思ってるけど、現実的に銀以上って言ったほうが確実かなという感じはする」と話したが、「でも金ほしいですよね」と問われると、表情を変えた。

「欲しい。金、欲しい。銀と銅はあるから金欲しい。めっちゃ金欲しい。負けたらこんな悔しいんだってめっちゃ思ったから、もう絶対負けたくない。勝ちたい。負けず嫌いだから」

公の場では明かしてこなかった金メダルへの思い。坂本の決意が垣間見えた。

◆引退シーズンに選んだ「愛の讃歌」 憧れの先輩の教え

そんな現役ラストシーズン、フリーの新プログラムに選んだのは、シャンソンの名曲「愛の讃歌」。実はこの選曲には、坂本のある思いが込められていた。

「ずっと憧れは鈴木明子さんって言ってきました。明子さんがソチ五輪シーズンのショートプログラムで『愛の讃歌』を使われていて、そのときに自分も引退のシーズンには絶対『愛の讃歌』を使いたいって思いました」(坂本)

バンクーバーとソチ、五輪2大会に出場した鈴木明子。類まれな表現力を武器に20代後半まで活躍し、ラストシーズンに「愛の讃歌」を演じた。

坂本は10年以上前から鈴木への憧れを口にしており、2013年のジュニア合宿では「鈴木選手はアピールや魅せる部分がうまいので、そこを真似して五輪に出たい」と、あどけない表情で語っていた。

シニアデビューから2年後の2019年には、直々に指導を受けたことも。

表現力向上を課題に、単調な演技からの脱却を目指していた坂本は、鈴木から力の抜きどころを作る「メリハリの付け方」を教わった。

この指導をきっかけに坂本の表現力は徐々に向上。北京五輪のメダル獲得に繋がったという。

◆「人生そのものをこのプログラムに込めて」

9月、チャレンジャーシリーズ日本大会。「愛の讃歌」を初めて披露する試合を迎えた。

序盤のジャンプを成功すると、見せ場のステップで会場を魅了。表現力をあらわす演技構成点では全体トップを記録し、手応えをつかんだ。

坂本花織の「愛の讃歌」、鈴木明子の目にはどう映ったのか?

「坂本選手の滑りのスケールの大きさと、ワーッと歌い上げて広がっていくような感覚が非常に合っているなと。もっと仕上がってくるのが楽しみだなと感じました。きっといろいろ苦しいことやつらいこともあったと思うので、彼女の人生そのものをこのプログラムに込めて、『これが坂本花織なんだ』っていうものを出してもらえたらいいなと思います」

坂本もプログラムへの強い思いを語る。

「自分自身いろんな葛藤もしてきたし、割と苦労もしてきたほうかなと思うし、もちろんそれ以外の喜びだったりもあったので、『愛の讃歌』が自分のスケート人生と合っているなというのはすごく思っていました」

ミラノ・コルティナ五輪まで4か月。人生をかけた最後の戦いへ。坂本花織の思いは決して揺るがない。

「もう全部自分が望んでいる結果になったらいいなと思っています。金メダルほしいです。勝ちたい」

※番組情報:『フィギュアスケート・グランプリシリーズ2025』フランス大会

◆地上波
10月18日(土)午後1:30~ 女子ショート・ペアショート、テレビ朝日(関東地区)
10月19日(日)午後1:55~ 男子ショート・女子フリー・ペアフリー、テレビ朝日系列
10月19日(日)深夜2:55~ 男子フリー、テレビ朝日(関東地区)

◆テレ朝動画
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