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「障がいは個性」脳性まひの小学生が東京2020大会の“金賞ポスター”に込めた思い

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

今回修造が訪れたのは、宮城県女川町。東日本大震災からの復興を目指すこの町の小学校の体育館で、ひとりの女の子と待ち合わせていた。

©TOKYO応援宣言

そこで見た光景に、「何しているの!?」と修造は思わず声をあげる。「シューっと飛んでいるの!」と笑顔で話してくれたのは、女川小学校の6年生・鈴木御代さんだ。生まれつき脳性まひで手足に障がいのある御代さんは、スクーターボードという器具を使ってリハビリの授業を行っていた。

そして彼女は、1万4000枚もの応募の中から東京オリンピック・パラリンピックのポスターで金賞に選ばれた小学生だ

©TOKYO応援宣言

◆「障がいは個性、目立たせたいので金色に」

金賞に選ばれたポスターのモチーフは、パラリンピック。5匹の障がいがある動物たちが競技を行っている。

ⒸTokyo2020

5匹の動物たちは、みな笑顔だ。修造が「どうして笑顔にしたの?」と聞くと、「競技で真剣な顔もいいんですけど、そんな怖い顔してやっていたら、楽しくなさそうだなって」と御代さんは話す。

そして、ポスターの中でも強くこだわったのが“色使い”だ。障がいの部分をあえて金色で表した。

「障がいを偏見の目で見る人もいるけど、そうじゃないんだよっていうのを知ってもらいたかったし、障がいは個性で、別に隠す必要もないし、目立たせたいっていうことで金にしました」(御代さん)

“障がいは個性”と言い切る御代さんだが、そう思えるようになったのはここ1年のことだった。

 

◆“自分にはできない”彼女を大きく変えた出会い

父・行雄さんによると、以前の御代さんは「やっぱり足が悪い」「みんなと違う」と家で泣き出すことが多かったそうだ。“自分にはできない”と決めつけ、何事も人任せ。何かに挑戦することなどもなかった。

そんな彼女を大きく変えた出来事があったのは、去年2017年の6月。被災地支援事業で、元車いすバスケットボール選手・京谷和幸さんが女川町へ訪れた時のことだ。

Ⓒスポーツこころのプロジェクト

京谷さんは、事故での下半身不随を乗り越え、パラリンピックに4回出場した。

「夢を持つことは楽しいということをみんなに知ってもらいたい。僕にとって事故は出会い。あの出会いがあったからこそ、今の自分がある」――そう話す京谷さんに、御代さんの心は揺さぶられた。

「ひとつずつ、できることを増やそう」

例えば、下校。以前は車での送迎だったが、毎日15分歩くようにした。運動会の徒競走や、登山にも積極的に参加。不自由な手のリハビリにも、今まで以上に一生懸命取り組んだ。

そうしたチャレンジが形になったのが、金賞を取ったポスターだった。ポスターは1枚1枚、紙をちぎり丁寧に貼り、3カ月もかけて完成させた。

「自分にものすごい自信がついた。“何かやりたい!”と思ったら、やる! できることはやりたい!」(御代さん)

写真提供:女川小学校

2020年に向けて「自分の可能性をもっと広げたい!」と目標を語る御代さん。その視線は、2年後を超えて遠いミライも見据えていた。<制作:TOKYO応援宣言>

©TOKYO応援宣言

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系