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山村美紗&紅葉も贔屓に!京都で153年続く老舗和菓子店の“食べられるお茶碗”

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月〜金の日替わりコーナーが放送されています。

水曜日は、宇賀なつみアナウンサーが、伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性から人生を素敵に過ごす秘訣などに密着する名物コーナー「継ぐ女神」をお届け。

7月25日(水)の放送では、京都で153年続く京菓子司「甘春堂」の6代目女将・木ノ下智香子さん(67)に、宇賀アナが迫りました。

◆老舗和菓子店の“食べられる茶わん”

「茶寿器 干菓子付き」2160円(税込)

「甘春堂」の創業は慶応元年。京都の茶席に欠かせない上生菓子などのお茶菓子を作ってきた老舗ですが、こちらの名物は「食べられるお茶碗」。本物そっくりに作られた抹茶茶わんのお菓子で、実際にお茶をたてることもできるんです。作ったのは2代目。茶席のサプライズにと考えたのが始まりで、今では人気のひと品です。女優の山村紅葉さんとその母で作家の山村美紗さんも贔屓にし、みんなの前で器を割って驚かせていたんだそうです。

 

◆大樋焼の茶わん、共箱があれば・・・・・・

そんな木ノ下家で大事にしているというのが、智香子さんが嫁入り道具として持ってきた大樋焼(おおひやき)の茶わんです。大樋焼は金沢で350年続く窯元で作られており、かつては加賀藩の殿様に愛され、初期の作品には高値がつくこともあるとか。

焼き物鑑定のスペシャリスト・山本博史さんによれば、木ノ下家の茶わんは8代目大樋長左衛門の作品に間違いなく、価値は50万円ほどになるそう。ただし、箱があれば、とのこと。焼き物は箱書きとのセットでコレクションとしての価値を持つものがあるのですが、それがまさに智香子さんにも当てはまったのです。この日、箱は見当たらず。現在、実家も含めてその行方を捜索しているとか・・・・・・。

 

◆山芋を使った生地で作る名物茶わん

今回は名物の「食べられるお茶わん」の作り方を特別に見せていただきました。

使うのは京都丹波産の山芋。これに砂糖と米粉、ニッキを混ぜた粉をよく練り込み、お茶碗の形に整えます。

そして釉に見立てた和三盆の蜜を塗り、一カ月かけて乾燥させれば、サプライズを演出するお菓子で作った茶わんの完成です。

 

◆智香子さんのアイデアが老舗のピンチを救う

「干菓子 金魚(干錦玉)」357円(税込) 「干菓子 ハート(和三盆)」324円(税込) 「干菓子 向日葵(落雁)」324円(税込)

智香子さんが夫・善正さん(68)と知り合ったのは大学のアマチュア無線クラブ。その後老舗和菓子店に嫁ぎますが、当時は茶席で使う和菓子は飛ぶように売れ、寝る暇もないほど多忙を極めていたといいます。しかし、徐々にその需要は減り、バブルがはじける頃には「売れずにたくさん残り」、そのまま捨てなくてはいけないほど客足が遠のいていました。

そんなピンチに「一般受けするようなお干菓子を作ったらどうか」と智香子さんは提案。それまで作っていた茶道の関係者にしか売れない砂糖味しかないお菓子に、ちょっとだけアレンジを加えていったのです。色や形を増やすだけでなく、味も梅や柚子など女性好みにしたり、また砂糖で固めるという伝統を壊してゼリーを使うなど、気づけば100種類以上のバリエーションを生み出していました。

今では「若い方にも喜ばれていますし、外国人の方にも“かわいい”とお土産で買っていただいたり」。智香子さんのアイデアは老舗の窮地を救うことになりました。

 

◆今あるものにひと工夫

今回の取材を通して宇賀アナの心に残った女神の一言は、「新しいことはできないかもしれない。でも今あるものにひと工夫で新鮮になる!」です。

昔から作っていたお菓子に、デザインや味のバリエーションをちょっと加えることで新たな命が吹き込まれ、古臭いと思っていたものが新鮮になると自らの体験を振り返りながら語ってくださいました。

※甘春堂
住所/京都府京都市東山区川端通正面大橋角
TEL/075-561-4019
FAX/075-561-4101
営業時間/9:0018:00
定休日/年中無休(11.2日を除く)