“駅伝を生んだ”大学、ラストランにかける兄弟の想い<全日本大学駅伝・東海地区選考会>
2018.07.20
梅雨入り間もない6月10日。雨がぱらぱらと降るなか、たった2枚の切符を巡り、熱き戦いが繰り広げられた。
学生三大駅伝のひとつ、全日本大学駅伝。東海地区選考会からは、愛知工業大学。そしてもう1枠を、去年の初出場から2年連続となる皇學館大学が手にした。
◆初めて“駅伝”を生んだ由緒正しき大学
学校創立136年を誇る皇學館。実は、駅伝ととても深い繋がりがある。
“駅伝”という言葉が初めて使われたのは、今からおよそ100年前の「東海道駅伝徒競走」。それを名づけたのが、皇學館第6代館長の武田千代三郎なのだ。
そんな伝統ある大学だが、全日本大学駅伝に出場したのは去年2017年が初めて。ゴールの伊勢神宮にほど近い8区のコース上にある大学の前を駆け抜け、初出場とは思えない激走で17位と東海地区の2枠を死守してみせた。
そして今年、再び伊勢路を駆け抜けるために、ある特別な思いを持って選考会に臨む兄弟がいた。
チームを牽引するキャプテン、兄・一真(4年)と、兄の背中を追いかけ同じ大学に進んだ弟・直也(2年)の上村兄弟だ。
◆兄弟で挑む最後の舞台
今回が兄弟そろって挑む最後の選考会。
弟・直也は去年、10位と本戦出場に貢献できず悔し涙を流した。今年こそはと、悔しさを糧に1年間厳しい練習に取り組んできた。
迎えた当日、上村兄弟は、同じ組でスタート。すると、弟・直也は去年の屈辱を晴らす1位でゴール。笑顔がこぼれた。
一方、兄・一真も3位と健闘。ゴール後、「弟は力強い存在。今回のレースで助けられた部分も何回もあった」と弟を讃えた。
2人の活躍もあり、2年連続の全日本出場を果たした皇學館大学。本当の戦いは11月。兄弟で挑む最後の伊勢路へ。<制作:テレビ朝日スポーツ>