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【ル・マン24時間】パレードでトヨタにハプニングも、それが功を奏す展開に

現地時間の6月16日土曜日午後3時(日本時間は同10時)、いよいよ「ル・マン24時間レース」がスタートする。

それを目前にして、ドライバーたちは金曜日夕方、ル・マン市街においてドライバーズパレードに参加した。

このドライバーズパレードは、いちばん近いものに例えるとすると、日本の夏祭りで山車が出たり、よさこい祭りなどで練り歩く姿を大勢の観客が楽しむ、という姿に近い。山車がクルマとなり、練り歩く人がチーム関係者、ということだ。

夕方5時にパレードはスタートするが、関係者に聞くと、実際はなんとなく出発時間がわかっている程度で、詳細を理解してパレードに出席しているドライバーや関係者は少ないのではないか、とのこと。しかし、街のシンボルとも言うべきサン・ジュリアン大聖堂をバックにパレードがスタートする姿は、いわゆる“インスタ映え”する。

通常、1台のマシンにのる3人のドライバーが同じクルマでパレードするので、トヨタは7号車と8号車それぞれにドライバー3人が乗るクラシックカーがあるのだが、1台のマシンがスタート前に動かなくなるというハプニング。しかし、逆にそれが功を奏した。

なんと6人のドライバーたちが1台のマシンに乗り込みパレードをスタート。その後、小林可夢偉は先導車に乗り込んで、露払い役を買って出た。

そしてドライバーたちは、コースターを沿道のファンに投げたり、飴を投げたりと大いに盛り上がりながら30分ほどかけてパレードを終える。しかし、すべてのマシンに乗るドライバーがそれぞれ趣向を凝らしながらパレードするので、午後5時にスタートしたパレードは7時を過ぎても終わりが見えない。

また、街なかには歴代の優勝ドライバーたちの手形が飾られている。パレードついでにここで記念写真を撮影するファンも多い。よくよく探してみると、1991年に日本車として初めての優勝を果たしたマツダに乗った3人のドライバーたちの名前と手形も見つかる。パレードに参加したドライバーや関係者たちだけでなく、街全体が金曜日は大いに盛り上がっているのだ。

だが、そうしたお祭り気分も金曜日で終了。本番が始まる土曜日の朝、トヨタのドライバーたちは朝7時40分頃にチームホスピタリティに到着した。

先に2階にあるドライバーズルームへ到着したのは、フェルナンド・アロンソ、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミという8号車の面々。その後、7号車に乗る小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスが到着した。

9時からスタートしたウォームアップ走行では、本番であるレースのセッティングでマシンの調子を再確認する。こうなってくると段々と周囲にも緊張感が高まってくるのだが、ル・マンの場合はこのあと、数万人規模の観客がコースグリッドに並ぶマシンを前に“グリッドウォーク”という見学時間が始まる。

このグリッドウォークに参加するには、いちばん高額なスタンド席などを買う必要があり、チームの招待者や公式サイトからグリッドウォーク付きのチケットを購入したが、所せましと並ぶ姿は壮観だ。

そんな時間帯を過ぎると、いよいよ第86回ル・マン24時間レースのスタートとなる。果たして、トヨタの2台はどんなスタートを切るのか。注目してみたい。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

※なお今回トヨタ自動車では、ル・マン24時間レース挑戦の模様をTOYOTA GAZOO Racingサイト内にてダイジェスト配信。24時間すべてを追うのは大変という人に向け、6回に分けてスタートからゴールまでを追っていく。(こちらから)

また、東京と横浜では生中継に合わせたイベントを開催するとのことだ。(※詳しくはTOYOTA GAZOO Racing公式サイトまで)