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石原良純が迫る!千葉県・館山市の移動パン店を救った「起死回生の秘策」

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

月曜日は、石原良純さんが様々なテーマを立てて楽しむ「散歩」や、第二の人生を「地方移住」で輝かせている方々などを紹介する名物コーナー「良純未来図」をお届け。

5月21日(月)の放送では、千葉・館山市へ移住して移動パン店「西岬(にしざき)Cafe」を開いた佐藤徹哉(さとう・てつや)さん(56)と、東京で離れて暮らしながら夫の夢を支える妻の晴美(はるみ)さん(58)に、石原さんが迫りました。

◆千葉・館山市に移住して「移動パン店」を開いた佐藤徹哉さん

3年前、東京・池袋から館山市に移り住んだ徹哉さんは、オーブンを搭載した軽トラックを使った「パンの移動販売」をしています。ヨーロッパから輸入した冷凍パンを車のなかで焼き上げるスタイルで、「本場の美味が気軽に楽しめる」と多くのファンを掴んでいるそうです。

「西岬Cafe」は現在、館山市を中心としたおよそ20カ所(スーパーや病院の駐車場など)で出店しているそうです。

◆「カフェの雇われ店長」から「移動パン店主」への転身

東京時代には「カフェの雇われ店長」をしていたという徹哉さん。移住先に館山市を選んだのは「家族旅行で30年前からよく訪れていた場所で、『いつかはこんな自然豊かな場所で暮らしたい』と考えていたから」だそうです。

パンの移動販売を始めたのは、「現在使っている冷凍パンに出会ったから」だといいます。その美味しさに感動した徹哉さんは、「こんなに良い品ならば自分でもやっていけるのではないか」と思い、転職に踏み切ったのだそうです。

開業資金は、軽トラック代やオーブン代などの「およそ400万円」。実店舗を持つよりも、ずっと安く開業できたといいます。さらに、おととしにはパン工房を兼ねた2LDKの自宅も完成し、いずれはこちらでもパン販売をするつもりだといいます。自宅の取得費は、土地と建物あわせて「2000万円ほど」だったそうです。

評判の冷凍パンは「週に一回」のペースで仕入れているのだとか。毎朝一定数のパンを自宅工房で焼き、それがある程度売れたら車の中で新たに焼く、というスタイルだといいます。

◆お互いの生き方を尊重するための「前向きな別居ライフ」

自宅で石原さんを出迎えてくださったのは、徹哉さんの妻の晴美さんです。実は徹哉さんは館山へは「単身赴任」の状態で、晴美さんと2人の娘は池袋に残ったのだといいます。

結婚生活32年の夫婦があえて「別居」という道を選んだ理由は、「理想とする人生プランの違い」だったそうです。

保育士をしている晴美さんは「東京でその仕事を続けたい」と願い、徹哉さんの方は持病の腰痛もあって「自分のペースでやれる仕事に移りたい」と願っていました。互いの希望を尊重し、双方が充実した日々を手に入れるための最良の選択が、現在の「前向きな別居ライフ」だったわけです。

晴海さんは月に2回、電車とバスを乗り継いで2時間半かけて、離れて暮らす夫の元に来ているそうです。また、家事があまり得意ではない徹哉さんのため、週末に料理を作ってクール便で送ったりもするそうです。

現在の両親のライフスタイルを、長女の佳那(かな)さんは「別居する前より、むしろ仲が良くなった感じなので、こういうのもアリなのかな、という感じがします」と肯定的に語っていました。

◆下降した売り上げを戻すべく、佐藤徹哉さんがとった作戦とは?

◇紹介した「アップルクラウン」130円(税込み) ※その他のパンは60円~280円(全て税込み)

妻の愛に支えられながら、館山市で単身がんばる徹哉さん。気になるのがパンの売り上げですが、初年度こそ「月平均40万円」と好調だったものの、その後は「徐々に下がってきた」のだとか。2年目にはなんと、前年同月比が「50%ダウン」にまで落ち込んでしまったといいます。

その最大の理由は「価格設定」。お客様から「とても美味しいパンなんだけど、高価なので『いつも買う』というわけにはいかない」と言われたこともあったそうです。

ピンチを乗り切るべく徹哉さんがとった起死回生の秘策、それは「フェイスブックの活用」でした。SNSを使って近隣に450人もの「友達」を作り、さらに「販売スケジュール」を告知することで、「地元に根差した店」という実績をつけていったのです。

SNSの効果は予想外に大きく、意外な場所にも出店できるようになりました。それはなんと「お寺」です。1300年の歴史を持つ地域の名刹の関係者が「うちでも販売してくれませんか」とフェイスブック経由で声をかけてくれたのだそうです。

SNS作戦と並行してパンの値段を大幅に下げ、さらに種類も4倍に増加したという徹哉さん。地道な努力が功を奏し、現在では生活維持に必要な「月平均売り上げ40万円」への回復が果たせたといいます。

◆パンの移動販売を軌道に乗せた佐藤徹哉さんのもうひとつの「夢」とは?

パンの移動販売を軌道に乗せた徹哉さんですが、実はもうひとつ、叶えたい夢があるんだとか。それは「いつの日か、自然豊かな南房総の地で、晴美さんと共に暮らすこと」だといいます。

現在は長女の佳那さんが出産間近なため、「当分は夫よりも孫の世話の方にかかりきりになりそう」と語る晴美さん。しかし、東京で生まれ育った娘や孫に「素敵な田舎」を作ってくれたことには心から感謝しているそうです。そんな晴海さんですから、徹哉さんの夢が実現する日もいつかは訪れるのかもしれません。

※西岬(にしざき)Cafe
TEL/050-5275-2627
営業日/水曜~日曜
販売場所・時間の詳細はHPやフェイスブックでご確認ください

※館山市への移住に関する問い合わせ先「館山市雇用商工課」
TEL/0470-22-3136
受付時間/月曜~土曜の9:00~16:00(日曜・祝日休)