『題名のない音楽会』で“FF VII(セブン)”特集!定説から脱した同ゲームの革命的音楽
オーケストラと異ジャンルの音楽を融合するなど、常にチャレンジし続けているテレビ朝日の最長寿番組『題名のない音楽会』。
5月12日(土)に放送される同番組では、前回大好評だった「ゲーム:ファイナルファンタジーの音楽」に迫る第2弾、「植松伸夫が厳選!ファイナルファンタジー吹奏楽の音楽会」をお届けする。
シエナ・ウインド・オーケストラによる吹奏楽サウンドのもと、国民的ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの作曲家・植松伸夫氏を招いて行われた今回の音楽会。
今回はシリーズの中から、1997年発売の「ファイナルファンタジーVII」の音楽にスポットが当てられ、同作の音楽の中から植松氏自身が5曲を厳選し演奏されているが、一体なぜ“VII(セブン)”に絞られたのか?
『題名のない音楽会』の鬼久保美帆プロデューサーに話を聞いた。
◆「FF VII」の音楽は定説から“吹っ切れた”
――なぜ「FF VII」からセレクトすることになったのでしょうか?
鬼久保P:「まず、ファイナルファンタジーシリーズの中でもゲームとして非常に人気が高いシリーズであるということ。そしてもうひとつは、(VIIは)作曲家の植松伸夫さんが非常に想いを入れた作品であるということです。
RPGゲーム音楽というジャンルは、すぎやまこういちさんが『ドラゴンクエスト』でベースを築かれました。(ゲームの中で)3つの音しか使えなかった時代から、すぎやまさんの頭の中にはもうオーケストラで演奏するというイメージがあって、それが技術の進化に伴って実際に想定していた音がより近いカタチで出来るようになっていきます。
つまり、ベースにあるのは“オーケストラサウンド”、RPGはオーケストラサウンドというのが定説だったなか、植松さんもその定説に則って音楽を作られていたんですけど、あるときに“それはそれとして”という考えのもと、自分が得意なジャンルや好きな音楽でやりたいようにやってしまおうと吹っ切れたのが『FFVII』だった。植松さんはそうおっしゃっていました」
――植松さんは、具体的にどんな曲・音楽を取り入れたのでしょうか?
鬼久保P:「たとえば、植松さんのベースにはロックがあります。実際に今回の演奏会でも自ら解説されていましたが、1971年にイギリスのバンド“エマーソン・レイク&パーマー”が発売したプログレッシブ・ロックの名曲『タルカス(TARKUS)』に植松さんは非常に影響を受けたそうです」
話に出た『タルカス』は、20分を超える壮大な組曲だ。今回放送されるうちの1曲『オープニング~爆破ミッション』は、この『タルカス』の冒頭に登場する低音パターンを下敷きに作られたそう。
また、『片翼の天使』という1曲も番組の中で演奏されるが、植松氏によれば、こちらの曲は「ジミー・ヘンドリックスがストラヴィンスキーの『春の祭典』をオーケストラ演奏で作ったらどうなるか」と考え、“暴力的”な表現を目指して実験的に制作したのだという。
鬼久保プロデューサーは、さらに次のように話す。
鬼久保P:「(植松氏は)ロック以外にも民族音楽などをたくさん聴いてこられて、そうやってご自身が広くアンテナを張りながらすごくハマっていった音楽、そういうものをどんどん取り入れてみようと思ったのが『FFVII』だったんですね。
だから、この『FFVII』の音楽というのは多彩なジャンルがあって、非常にバラエティーに富んでいる。音楽の幅が広く、また植松さんの熱い想いもそこにある。この点が、今回番組で特集したいと思った理由です」
“ゲーム音楽”という枠におさまらず、幅広いジャンル、そして国籍の音楽が取り入れられ作られた「ファイナルファンタジーVII」の楽曲たち。ゲストミュージシャンも登場し展開される特別な音楽会は必見だ。
なお、放送予定曲は以下の通り。
<放送予定曲>
●1:「オープニング~爆破ミッション」
作曲:植松伸夫
編曲:三浦秀秋
指揮:栗田博文
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
●2:「ケット・シーのテーマ」
作曲:植松伸夫
編曲:挾間美帆
指揮:栗田博文
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
●3:「花火に消された言葉」
作曲:植松伸夫
編曲:星出尚志
指揮:栗田博文
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
●4:「星降る峡谷」
作曲:植松伸夫
編曲:佐藤泰将/萩森英明
尺八:ジョン・海山・ネプチューン
指揮:栗田博文
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
●5:「片翼の天使」
作曲:植松伸夫
編曲:佐藤泰将
指揮:栗田博文
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
●番組情報:『題名のない音楽会』 植松伸夫が厳選!ファイナルファンタジー吹奏楽の音楽会
2018年5月12日(土)、テレビ朝日ほかで午前10:00~10:30放送
※テレビ朝日系24局各局で放送時間が異なります。各局の放送時間はこちら
※BS朝日では2018年5月13日(日)午後11:00~11:30放送