巨人・阿部慎之助監督が期待する“戦力外左腕”「すごいボールを投げる」2軍監督時代から注目していた武器
テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、13年ぶりの日本一を目指す読売ジャイアンツ・阿部慎之助監督を特集。
開幕前の1月に行われたインタビューで、打撃改革への取り組みや日本一奪還の秘策、そして監督2年目を迎える胸の内を聞いた。
そのなかで、阿部監督が以前より加入を熱望していたという“左腕”に言及する場面があった。
◆「戦力外通告」からのラブコール
昨季、リーグ1位の防御率で優勝を果たした巨人だが、中心選手だったエース・菅野智之がメジャー移籍。その穴を埋める新たな先発候補として、意外な名前が浮上していた。
阿部監督:「自由契約になって、支配下でお願いして獲得していただきました」
監督がそう語るのは、投手・石川達也(27歳)だ。
昨シーズンまで4年間DeNAに在籍し、通算46登板。2023年10月に戦力外通告を受けていた。予想していなかったラブコールに、石川は驚きを隠せなかったという。
石川:「入団会見の時に電話でお話させてもらって、『戦力としてリーグの連覇と日本一に貢献してくれ』と言っていただきました。やっぱり見てくれる人は見てくれていたんだなという思いもありますし、そう思っていただいたからには貢献していきたいなと思っています」
2軍監督のころから石川に注目していたという阿部監督は、当時の印象を次のように語る。
阿部:「ひと回りぐらい細かったんですけど、すごいボールを投げるなと思いながら。やっぱりチェンジアップがすごい武器になるだろうなと思って見ていましたね」
石川の最大の武器は、チェンジアップ。対戦経験があり現在ではチームメイトの岡本和真や長野久義らにも「止まっているように見える」と評されるボールだ。その変化球を、阿部監督は早くから高く評価していた。
さらに驚きだったのが、これまで中継ぎ専門だった石川を、巨人入団後に先発に転向させたこと。阿部監督は最初からそのつもりで石川を獲得したという。
阿部:「1年間中継ぎをずっとやっていて先発調整していなかったので、途中から先発調整に変えて、時間もあったので出来たことかなと思う。まあいけるんじゃないかなと思ってやりました」
というのも阿部は2軍監督時代、石川がプロのキャリアで唯一先発した試合(ブルペンデーを除く)を目の当たりにしていたのだ。
実際に、石川は阿部監督の期待に見事に応えてみせた。
キャンプを1軍でスタートさせると、対外試合では4試合連続無失点。なかでも注目されたのは、MLBのシカゴ・カブスとのプレシーズンマッチだ。
この試合で石川は3回を投げて4奪三振のパーフェクトピッチング。カブスの主力・鈴木誠也も「印象に残った選手は?」との質問に、「石川投手です。チェンジアップがすごかった」と評価していた。
そんな活躍もあり、阿部監督は石川を先発ローテーションに抜擢した。
阿部:「今、ウチの中では一番安定してるんじゃないかなと思ってます。じゅうぶん二桁勝てる要素は持っていると思う。だからこそ先発ローテに入れました。野球センスに長けてるようにも見えるので、フィールディングもうまいですし。それが一番ローテに入れたかった理由ですね」
監督からの厚い信頼に、石川も強い決意をにじませる。
石川:「菅野さんが抜けて、去年15勝した方の穴をどうやって埋めるかオフシーズンから取り上げられていると思うので、1勝でも補えるように頑張っていきたいと思います」
阿部巨人の悲願である日本一に向け、新たな戦力として期待がかかる石川達也。今シーズンの活躍に注目だ。
※番組情報:『GET SPORTS』
毎週日曜 深夜1:55より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)