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宇賀なつみアナ、プライベートで訪問!坂本龍馬、ペリーも飲んだという「命を保つ酒」

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

水曜日は、宇賀なつみアナウンサーが、伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性から人生を素敵に過ごす秘訣などに密着する名物コーナー「継ぐ女神」をお届け。

4月25日(水)の放送では、広島・福山市で132年続く「入江豊三郎本店」6代目女将・入江孝子(いりえ・たかこ)さん(69)に、宇賀アナが迫りました。

「十六味保命酒(900ml)」1700円(税込み)

◆歴史上の偉人も愛飲した伝統の「保命酒」

入江豊三郎本店の主力商品は「命を保つ酒」と書く、その名も「保命酒(ほうめいしゅ)」。坂本龍馬や平賀源内、黒船で来航したペリー提督なども飲んだという由緒あるお酒です。

実は宇賀アナは以前にこちらへプライベートで訪れたことがあるのだとか。残念ながらそのとき保命酒は飲めなかったそうで、今回ようやく口にすることができると期待は大いに高まります。

◆「自慢の家宝」のみならず「予想外の品」も意外な高額!

保命酒をいただく前に、恒例の「家宝拝見」です。見せていただいたお宝は、明治後期に建てられたという歴史ある店舗の2階に置かれていました。12畳と8畳の2間には貴重な品々が眠っています。

そのなかで「最も価値があるはず」と孝子さんが胸を張るのが、幕末の志士に大きな影響を与えた儒学者「頼山陽(らい・さんよう)」が描いたという屏風(びょうぶ)絵。孝子さんの曽祖父(そうそふ)が入手したものだといいます。

同席した娘の里彩(りさ)さんは「ただ古いだけという感じで、2~30万円くらいではないか」とおっしゃいますが、孝子さんは「2~300万円はするはず」と譲りません。

親子で意見が分かれたところで、プロ鑑定士にジャッジしていただきました。その結果は「頼山陽が亡くなる2年前の作品で、保存状態も良い。晩年の作品は少ないので貴重な品」ということで、200万円の値が付きました。

期待に沿った結果に大喜びの孝子さん。しかし、それ以上に高価な品が入江家には眠っていました。

鑑定士が「屏風絵以上に気になる品」と語ったのは、店に飾られていた備前焼(びぜんやき)の人形徳利(とっくり)。江戸時代初期に保命酒を入れるために作られたものだそうですが、「こんなに大きいもの(高さ75cm×幅55cm)は見たことがない」というのです。

その鑑定額はなんと300万円! 価値あるものだと思ったことなど一度もなかった孝子さんは、ただただ仰天の様子でした。

◆健康酒として古くから愛飲されてきた「保命酒」の製造工程

お宝鑑定が無事終わったところで、いよいよ宇賀アナは念願の保命酒をいただきます。琥珀(こはく)色の輝きと独特の香りが特徴的な保命酒は、宇賀アナいわく「苦いのかと思ったら予想外に甘い」。

実は保命酒とは「16種類の薬味を漬け込んで作る健康酒」なのです。江戸時代には「飲めば長生きできるお酒」と言われ、そこから保命酒の名が付いたのだとか。夏バテ予防用としても重宝されたそうです。

孝子さんオススメの飲み方は「1:1の牛乳割り」で、試してみた宇賀アナによれば「杏仁豆腐のようで美味しかった」といいます。

保命酒に漬け込まれている薬味とはどんなものなのか、宇賀アナは特別に見せていただきました。明かしていただけたのは「高麗人参」「山椒」「黄精」「菊花」「桂皮」「枸杞子」「丁子」「甘草」の8種類。残り半分は企業秘密なのだそうです。

保命酒の仕込みは毎年4月に始まります。蒸したコメの上に麹菌(こうじきん)をまき、40℃を保ちながら48時間かけて菌を生育するそうです。

その後、コメは木箱に移され、麹菌の育ち具合を手作業で確認しながら冷ましていくのですが、これがかなりの重労働。全体で800kgもあるため、15kgずつ分けても50回以上運ばなくてはならないわけです。

宇賀アナも少しだけお手伝いさせていただきましたが、大事な麹菌をこぼさず運びきるのに四苦八苦でした。

仕込みを終えた麹菌を蒸したもち米と合わせて焼酎に混ぜることで、独特の甘さが生まれます。そこに薬味入りの袋を漬けておよそ45日間経つと、歴史上の有名人たちも口にした保命酒が完成します。

◆嫌っていた家業を入江孝子さんが引き継いだ理由とは?

保命酒の老舗に長女として生まれた孝子さんでしたが、当初は家業を嫌っていたといいます。家を継がずに済むようにと、大学4年のときに見合いした耕司さんとスピード結婚。パナマへ赴任する耕司さんと共に日本を離れました。

運命の歯車が動いたのは、パナマで2年、ブラジルで6年を過ごした頃。なんと耕司さんから「保命酒をやらないか」と提案されたのです。孝子さんは猛反対したそうですが、耕司さんは日本に戻り、宣言通りに保命酒を作り始めたといいます。

故郷へ戻ったものの、孝子さんは保命酒作りを耕司さんに任せきりだったそうです。ところが突然、店を継いでいた耕司さんが亡くなってしまいました。呆然とする孝子さんでしたが、そのとき生まれて始めて「家業を守らなくては」という思いが湧いてきたといいます。

とはいえ、作業にも経営にも一切タッチしてこなかったため、どうしていいのか全く分かりません。困惑する孝子さんを救ってくれたのは、亡くなった耕司さんが保命酒の知名度アップを狙って開発した「保命酒のど飴」でした。これを手本に、孝子さんは保命酒のアレンジ商品を次々と開発していったのです。

スタッフからもアイデアを募り、保命酒を隠し味に使った「サイダー」、保命酒入りの「せんべい」、麺とスープに保命酒を混ぜた「鯛塩らーめん」などの新商品を開発していった孝子さん。それらはいずれもノンアルコールで、どなたでも美味しくいただくことができます。現在は夏場に向けて「保命酒アイス」を考案中なんだとか。

保命酒のアレンジ商品の好評を受け、お店は観光客で大賑わいとなっています。「夫から店を託されて以降、一度も涙は見せたことがない」という孝子さんは、「娘に家業を完全に譲って肩の荷を下ろすまでは泣けません」とおっしゃっていました。

◆嫌なことでも必死にやれば、きっと好きになります!

今回、孝子さんへの取材を通して宇賀アナの心に残った「女神の一言」は、「嫌なことでも必死にやれば、きっと好きになります!」です。

夫の遺志を継いで仕事に取り組んだおかげで、あれほど嫌っていた家業が「今では楽しくてたまらなくなった」という孝子さん。自身の経験を踏まえて、「とにかく必死にやれば、好きになれる部分がきっと見えてくる」というアドバイスをくださいました。

※入江豊三郎本店
住所/広島県福山市鞆町鞆534
TEL/084-982-2013
営業時間/9:00~16:00
定休日/無休

※その他紹介した商品(全て税込み)
「保命酒のど飴」240円
「鞆の浦サイダー」210円
「保命酒せんべい」310円
「鯛塩らーめん」630円