侍ジャパン稲葉監督、星野仙一さんへの特別な思い。踏み出す東京オリンピックへの第一歩
本日3月3日(土)、「侍ジャパンシリーズ2018」の日本×オーストラリア戦がナゴヤドームで行われる。
2017年夏、東京オリンピックに向けて監督に就任した稲葉篤紀監督にとって、今回の試合は初めて年齢制限のないフル代表を招集して臨む一戦だ。
稲葉監督は、「私が監督に就任してから初めてのトップチームの集まりということで、今回は土台作りというか、今のトップのメンバーを集めながら、2020年に向けて試してみたい若い選手も集め、バランスを考えてチームを作りました」と語る。
松井裕樹、則本昴大(ともに楽天)、千賀滉大(福岡ソフトバンク)、小林誠司(巨人)、田中広輔、菊池涼介(ともに広島)、筒香嘉智(横浜DeNA)、秋山翔吾(埼玉西武)といった昨年のWBC経験者、そして、3年ぶりに代表復帰する2015 年トリプルスリー達成の柳田悠岐(福岡ソフトバンク)らの活躍に注目だ。
◆稲葉監督、星野仙一さんへの思い
そして、今回の日本×オーストラリア戦においては、今年1月に急逝した星野仙一さんの追悼セレモニーも行われる。
稲葉監督は、星野さんが代表監督を務めた2008年の北京オリンピックに選手として出場していた。このとき、金メダルの大本命とされながらメダル圏外の4位に終わった悔しさを星野さんと共に味わった稲葉監督。星野さんへの特別な思いについて話を聞いた。
――星野さんの訃報を聞いたときの気持ちは?
稲葉:「非常に驚きました。私が最後にお会いしたのが昨年11月末の(星野さんの)殿堂入りパーティーだったのですが、『おぉ、稲葉!』と言ってくれて、最後の言葉は『頑張れよ!』でした。
そのときもちょっと痩せられたなという感じはあったんですけど、それでも元気ではありましたので、最初聞いたときは“まさか”という感じでしたね」
――稲葉監督にとって、星野さんはどんな存在でしたか?
稲葉:「(北京)オリンピックに私が選手で星野さんが監督という立場で出て、やっぱり星野監督を見るとピリッとするというか、背筋が伸びるんです。それだけ独特の雰囲気を持っていて、優しい言葉の中にすごく愛情が詰まっている方。だから、星野監督に会うのは毎回楽しみでした」
――北京五輪での印象に残っているエピソードは?
稲葉:「いちばん嬉しかったのが、試合で勝ってハイタッチするとき、『稲葉、おつかれさん』って言ってくれるんですね。私はカナダ戦でホームランを打って1-0で勝ったのですが、あのときホームランを打って返ってきてハイタッチするとき、『稲葉、よう打ったな』と僕の名前を言ってくれる。これは僕すごく嬉しくて、そういう選手の嬉しいことを知っているなぁと。
(負けたときは)絶対に選手のせいにはしなかったですし、言い訳もしなかった。そういうところで選手を守ってくれて、すごく男気がある。非常に理想とする上司だなぁと。本当にそういう方でした」
◆「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない」
――3月3日は星野さんの追悼セレモニーも行われますが、天国の星野さんにどんな試合を見せたいですか?
稲葉:「東京オリンピックに向けての第一歩なので、しっかりとした野球を見せていきたいと思いますし、私自身は北京オリンピックで選手として星野監督を男にできなかったので、(2020年に)オリンピックで金メダルを獲って星野監督に“やりました”という報告をしっかりできるための第一歩にしたいです」
――試合に向けての意気込みもお聞かせください。
稲葉:「WBCなどの大会はありますが、“オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない”。私はそれをすごく感じています。
何回でも言いますが、今回は“東京オリンピックで金メダル獲得”への第一歩。若い選手も今回たくさんいますので、そういう選手たちに経験を積んでもらいながら、勝利にこだわっていきたいと思います」
●試合情報:「野球・侍ジャパンシリーズ2018」日本×オーストラリア
3月3日(土)よる6時56分~ テレビ朝日系列地上波にて生中継(9時54分以降、試合が続いている場合は、引き続きBS朝日で試合終了まで放送)
※放送では、テレビ朝日の野球中継で初めてとなるTwitter連動が実施されます。(※参加方法は、「#侍野球」のハッシュタグでTwitterにつぶやくだけ!)