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アニメファンの高杉真宙が語る“実写版”作品でキャラクターを演じる複雑さ

不良少年から王子様キャラまでさまざまな役柄に挑戦している高杉真宙さん。昨年はテレビドラマやCMに加え、主要キャラクターを演じた映画が5本公開。作品ごとに違う顔を見せる若き演技派として注目の逸材。今年は映画3本の公開も控えている。

◆高杉真宙、「役作り」で抜いて入れてパサパサ?

-“若手演技派”、“カメレオン俳優”と言われている今をどう思います?-
「いやあ、何か恥ずかしいですね。自分がそこまで言っていただけるような人物ではないので。単純に自分のやりたいことをやらせていただけていているだけと言いますか、何か本当に、もっともっと頑張らなくてはいけないなという思いがすごくあります」

-昨年はテレビドラマやCMに加え、映画が5本公開。金髪もありましたが、作品によって髪型も雰囲気もずいぶん違いました-
「そうですね。同じ髪型にするのはすごく抵抗があって。どの役も違う人のはずなのに、同じ自分が演じるにあたって、違う人になっていないというのは…。もちろん同じ髪型でも違う人になれるはずなんですけどね。それは自分のスキル不足なのかもしれませんが、何かその髪型になることによって、テンションといいますか、雰囲気も変えられて、役に入っていけるというのもあるので、それで助かっている部分はすごくあるんじゃないかと思います」

-金髪にするときには色を抜いて入れてるんですか?-
「はい。脱色して色を入れています」

-髪が傷むでしょうね-
「ハンパじゃないです。(笑)すごいパサパサになっちゃいます。その時期ちょうど茶髪にしたり、黒髪にしたり、また茶髪にしたりというのが、すごく激しくて、かなり傷みました。抜いて、入れての繰り返しでしたから結構大変でした」

-さまざまな役柄を演じていますが、切り替えはスムーズにできるほうですか-
「自分ではできると思っていたんですけど、周りからは『役が意外と抜けないんだね』って言われるように最近なっていて。

確かに抜きたくない役というのもあるんですよ。今撮影している映画『ギャングース』というのもそうなんですけど、結構抜けないタイプかなって思うようになりました」

◆高杉真宙、目指せ!10kgの増量!

-次から次へと作品が続き、忙しくてお休みはほとんどないのでは?-
「いやいや、そんなことはないです」

-お休みのときはどのようなことを?-
「マンガを読んだり、アニメを見たり…。アニメは子どものときから24時間ずっとついていたと言ってもおかしくないぐらいでした。完全にインドア派です。どうしてもなかなか趣味が広がらないんですよね」

-外に出ると女の子たちに囲まれちゃったりするでしょうしね-
「いえいえ、そんなことは全然ないですよ(笑)

今は衣装さんやメイクさんにきれいにしていただいているので、何となくできあがってはいるんですけどね。普段の僕は本当にもうボサボサの髪に、何日か仕事がなかったらヒゲもそらないですし、ダラダラした生活を送っています(笑)」

-食事などはどうしているのですか?-
「テイクアウトや外食が多いですね。あと、最近、出前ということを覚えたんですよ。(笑)それで、カレーを食べたり、ピザを食べたりしています。あまり太る体質ではないんですけど、最近ちょっと体重を増やしたいなと思っていて。すごく食べるようにして、太るようにしています。今年1年は体重を10キロぐらい増やしたいなあと思って。筋トレをしてちょっとからだを大きくしようかなと思っていて、今その途中なんです」

-舞台『闇狩人』のときにも筋トレをされていましたね-
「最近してなかったんですけど、これからまた筋トレを始めようかなと思っています。現時点で3キロぐらい太ることができたので、あと7キロ頑張ります(笑)」

◆高杉真宙ならではのキャラクターに!

現在放送中のドラマ『賭ケグルイ』はシリーズ累計400万部を超える大ヒットマンガが原作。舞台は政財界の有力者の子女が多数通う私立百花王学園。生徒たちの階級を決定するものはギャンブルの強さ。高杉さんは勝負に弱いヘタレで学園の最下層とされる家畜“ポチ”に身をおとしている鈴井涼太役を好演している。

-アニメファンの高杉さんが今ドラマで実写版を演じていますが-
「複雑ですね。もちろんそのアニメの通りにしていきたい気持ちはありますし、原作通りにしていきたい気持ちはあるんですけど、それを求められているものと、求められていないものがあるので。ファンとしての気持ちで言えば、全部近づけられることがベストだと思うんですけど、それって自分のやる意味というのを考えたりとかするんですよね。実写化する意味だったりとかいうのを。

全部近づけられることはないと思うんですけど、全部近づけたからといって、多分全部同じになるわけもないので、どこかで高杉真宙の何かが入ってくると思うので。

僕自身がアニメやマンガが大好きなので、どちらかというとファンの人の気持ちというのが非常にわかるほうではあると思っています。だから、今放送中のドラマ『賭ケグルイ』の鈴井涼太という役は、本当に全然違う役になっていて、それはこういう風にやっていきたいというのが、もちろんあったからですし、それに自分はのって面白いからやらせていただいているというのはあります。」

-せっかく演じるなら高杉さんならではの独自のものをということですね-
「難しいところではあるんですけどね。自分も原作ファンの気持ちはわかるので、『ああ、そっかー』て思うときもありますし…。ただそれによって、どんな風に解釈をして作られているのかなって興味があるんですよね。マンガやアニメが実写になるとどのようになるのかというのも。もちろんみんな愛があって作ってますし、愛がないと作る意味がないと思っているので。

何かボロクソに言われるのも自分は面白いので。『全然違う』と言われたら、『まあ、そうだな』って。(笑)もう撮り終わっているので、変わることはないんですけど。

それでやりきってはいるので、気持ち良く自分はやらせていただいています」

-今の時代はネットで、好き勝手なことを書き込まれてしまいますが、気になりますか-
「あまり気にはならないです。自分がやっていることに対して何を言われても、あまり変わることはないので」

© 2018映画「プリンシパル」製作委員会 (C) いくえみ綾/集英社

◆高杉真宙、真冬の北海道ロケで凍てつく“素足”

3月3日(土)には、〝自身最強の王子様キャラ″を演じたという「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」が公開される。

両親が離婚した糸真(黒島結菜)は、東京で女子高に入学するが、ハブられて孤立してしまい、実の父親を頼って北海道へ引っ越しをする。新たな学校で出会ったのがタイプが真逆のモテ男子2人、弦(小瀧望)と和央(高杉真宙)。高杉さんが演じた和央は、からだが弱く、学校を休みがちだが、親友の弦とともに女生徒たちから絶大な人気を集める王子様キャラ。

-映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』が間もなく公開になりますが、王子様キャラがピッタリでした-
「ありがとうございます。うれしいです。

今回僕は和央(わお)というキャラをやらせていただいたんですが、あそこまで王子様というキャラクターは今までなかったので、最初はちょっと恥ずかしい気もしていました。でも、マンガを読ませていただいて、和央という子が本当に好きなキャラクターになったんです。だから、今回はできるだけ寄せていきたいと思ったので、色々研究しました。台本とマンガで違うところというのをノートに書き出したりして、和央というキャラクターをどうにかして読み解いて理解して、発信できるようにと思って、結構徹底的にやらせていただきました。皆さんにそれが伝わったら良いなと思います」

-和央は一見柔らかい雰囲気ですが、実は内にものすごく熱い思いを秘めているというのが伝わってきました-
「そう言っていただけるとうれしいです。ただの王子様にしたくなくて、そうだと原作とは全然違うものだなあと思って。僕はその信念だったりとか、マンガでは黒王子と呼ばれている部分、そういった部分というのがすごく好きだったので、それがしっかりと出たらな、演じられたらなあと思って、やらせていただきました」

-靴下が好きじゃないという設定で、冬なのに素足でしたね-
「ものすごく寒かったです。ただ靴下がないだけで全然違いますから。『本当に風邪ひくわ』と思いながら撮影をしていました(笑)」

-北海道ロケはいかがでした?-
「楽しかったです。僕だけちょっと撮影がない時間があったので、小樽にも行くことができました。『どこがお勧めですか』って聞いたら、『小樽が良いですよ』と言われたので、買い物と見学をして帰ってきました」

-高杉さんだとバレませんでした?-
「全然バレなかったです(笑)」

-楽しい時間が持てて良かったですね-
「はい。この作品は、本当に北海道でしか撮れないような映像がたくさんありますし、登場人物一人ひとりがすごく信念があるキャラクターばかりなんです。色んな恋の仕方があって、マンガでもそうなんですけど、たくさんの入り交じりがあって面白いので、そういう複雑な部分というのはおとなの人にも楽しんでいただけると思います」

初めて会ったのは、「第36回ヨコハマ映画祭」(2015年)の授賞式。見る度に大人っぽくなっていく。類いまれな美しい容姿におごることなく常に全力投球で役柄に挑む姿勢が気持ち良い。主演映画『世界でいちばん長い写真』、『虹色デイズ』、『ギャングース』の公開も控え、11月には「劇団☆新感線」の舞台『メタルマクベス』(IHIステージアラウンド東京)も決定。進化し続ける若き演技派・高杉真宙さんからますます目がはなせない。(津島令子)

© 2018映画「プリンシパル」製作委員会 (C) いくえみ綾/集英社

※『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』
3月3日(土)公開 監督:篠原哲雄
出演:黒島結菜 小瀧望(ジャニーズWEST)高杉真宙 川栄李奈 谷村美月
配給:アニプレックス