ネット上で「童貞であること」が拡散したら…?『オトナ高校』のリアル追求した答え
異性との性経験がない30歳以上の男女が「オトナ高校」という学校に集まり性や恋愛について学ぶという設定や、主演・三浦春馬をはじめとしたキャスト陣の振り切った演技、そして、ときに涙もする胸キュンストーリーが注目を集めている土曜ナイトドラマ『オトナ高校』。
11月25日(土)に放送された第6話では、国家の極秘プロジェクトだったはずの「オトナ高校」の情報がネット上で広く拡散されるという事態が発生! 悪気のない卒業生が、教室での様子を撮った写真をSNSにアップしてしまったのだ。
その写真にガッツリ顔が写っていたのは、東大卒のエリート童貞・荒川英人(三浦春馬)と、その上司でEDに悩んでいる55歳童貞部長・権田勘助(高橋克実)。2人は、ネット上で本名・経歴・会社名まで特定されてしまう。
「オトナ高校」が臨時対応で学級閉鎖となるなか、2人はこの絶望的な状況で身を寄せ合いながら会社へ向かう…。すると、意外な状況が待ち受けていた。
なんと、未経験であることを好意的に受け止める女性が集まり、彼らは人気者となっていたのだ。たちまち女性たちに囲まれ、プレゼントを渡され、握手を求められ、合コン志願者まで現れる事態。
さらに、2人が「オトナ高校」の生徒であること、つまり未経験であることを知った会社の専務は、「私も初体験が遅かったから気持ちがわかる」と、彼らを見下すどころか理解を示す。
最も恐れていた“身バレ”だったが、世間がそこまで童貞に冷たくないという事実に2人は少し安堵したようだった。
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そんななか、「オトナ高校」は学級閉鎖ということで、“ペガサス先生”こと担任教師の山田翔馬(竜星涼)が経営するスナックで課外授業が行われることに。
その内容は、“結婚後の将来に向けての子育て実習”。生徒たちでペガサス先生の5人の子供の子守りをすることになった。
実はペガサス先生は奥さんを亡くしており、男手ひとつで子供たちを育てている。働きながら一生懸命子育てに励むペガサス先生に、生徒たちからは「えらい」という言葉が投げかけられるが、これに先生は「えらい? 楽しいですよ、子供は。誰かのために生きるのは、豊かなことです」と返す。
この一言に衝撃を受けたのが、勘違いが先走るエリート童貞の英人だ。彼は、「(自分が)高学歴・高身長・高収入でも女性に恵まれないのは、自分のためばかりで、誰かのためにじゃなかったから? 逆に言えば、それがあれば僕は…」と、若干自分に都合よく理解しながら、課外授業でしっかりと大事なことを学習する。
しかし、そうしているうちに「オトナ高校」の情報はますますネット上で拡散。
ついには、口元が写真に写り込んでいただけの“スペア”ことキャリアウーマン・園部真希(黒木メイサ)も「オトナ高校」の生徒として特定され、情報が出回り始めてしまった。
常に二番手止まりで、恋愛観が重すぎるために男性から抱いてもらえず32歳になってしまった真希。実は内心で彼女に想いを寄せている英人は、ここで“誰かのため”を思い出してひらめく。
「ここだよ!今だよ!誰かのために生きるときは。彼女も待ってるはずだ!孤独と不安に震える彼女のために駆けつける僕の情熱を!そして、いつのまにか芽生えた互いの愛情を確かめ合えたのなら、僕らはその後…」
そうして、美人キャリアウーマンでありながら“処女”な彼女に男性たちが群がっている現場にかけつける英人。
真希はこの場で、「人違いよ!私が“オトナ高校”に通うような、そんなモテない女に見える? 記事は悪質なイタズラよ!振られた男の腹いせかしら」と上手くごまかしていたのだが、それを知らない英人は大きな声でこう言い放ってしまう。
「なにしてるんだ!スペアさんから離れろ!彼女がなにかしたか?君たちに迷惑かけたか? 誰だって生まれたときは処女であり童貞だろ!“オトナ高校”の何が悪い。彼女は、スペアさんは、一生懸命働いて必死に努力する、日本一の処女なんだよ!」
本人としてはかっこよく決まったつもりだったが、真希にしてみれば、せっかく上手く切り抜けようとしていたところを英人に邪魔されたカタチだ…。真希は激怒し、「ふざけんなよチェリート!」と英人を突き飛ばす。
英人は、なにがいけなかったのかわからない…。が、その後も真希との夢を見るなど、もう頭の中は真希のことでいっぱいだ。
◇
その後、ある日の朝、生徒たちは「オトナ高校」に集められた。
学校が閉鎖になるという噂を聞いていた英人の口をついて出たのは、「なんか寂しいっていうか…」という言葉。これには、言った本人が驚く。あんなに行きたくなかったのに…と。
そんな英人ら生徒たちに、校長から重大発表が!その内容は…
「オトナ高校は存続します。ただし、極秘という規定は削除されることになります。この際、本校を積極的に国民にアピールして、広く理解を求めていこうというのが内閣の方針です。取材や見学もどんどん入れるつもりなので、心得ておくように。以上!」
このまさかの存続決定に「付き合ってられない」と教室を出ていってしまったのは、真希だ。
英人は真希を追いかけ、「君にずっと言いたかったことがある。君にこんな感情を抱くとは、正直僕も驚いている」と、正直ウザい、遠回しな切り出し方で恋心を告白しようとする。
しかし、そこにライバル出現! なんと、EDに悩んでいた権田部長が、Sっ気の強い真希の態度によってそれが克服できそうだというまさかの告白をはじめたのだ。
真希が必要だと話す部長…。これに焦った英人は、ついに思いを叫ぶ。
英人:「頭からずっと離れないんです。寝ても覚めても、スペアさんのことばかり。30年生きてきて、初めての感覚なんです」
真希:「その言葉に一生責任もてる?」
英人:「たぶん。だって、先のことなんてわからないよ、誰にも。そんなの確認して、何になるんだよ。石橋を叩いて叩いて叩き割って渡れなくなるよりも、崩れそうな橋でも、2人で一緒に渡ってみようよ。橋から落ちても泳いで川を渡りきろうよ。だって僕は、きっと君のことが…好きなんだよ。好きなんだ。好きなんだよー!」
英人らしい、素直すぎる告白。「きっと」という言葉に引っ掛かった真希だが、はたして、これに対する答えは?! そして、2人はこの先どうなるのか?
12月2日(土)に放送される第7話から、『オトナ高校』はついに最終章へ突入する。
ちなみに、上述の英人と権田部長が“童貞”であることが世間に広く拡散してしまう展開。
2人がモテモテになるという意外な流れになったが、この展開について同作の貴島彩理プロデューサーに解説してもらった。
「もし現実世界で実際にこんなことが起こったらどうなるかな?と考えたら、実はこうなんじゃないか…と思い、“アイドル化してモテる”という展開にしました。
英人ら生徒たちは“童貞”と後ろ指を指されるんじゃないかと怯えていた。でも蓋を開けたら、無関係の世間の人からすれば、誰が未経験かなんて結構どうでもいいこと。それよりも、『うけるw』とプラスに思えれば、炎上していても人気になれるのが今のSNS社会…という、現代性を描けたら面白いなと思いました」
このように、驚くべき設定のフィクションの中で、実はリアリティーベースを追求しているドラマ『オトナ高校』。
第7話では、内閣の判断でまさかの“極秘”規定が削除された「オトナ高校」にマスコミ取材が押し寄せる事態になるとのことだが、一気に盛り上がる世間の“オトナ高校熱”はどのように描かれるのか?
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※番組情報:土曜ナイトドラマ『オトナ高校』第7話
2017年12月2日(土)午後11:05~午後11:59、テレビ朝日系24局