トミカ、ゾイド…創業100周年「タカラトミー」は平成時代にこんな商品をヒットさせていた
2024年に創業100周年を迎えたタカラトミー。
これに合わせて100周年記念商品が順次発売されており、7月には100周年ロゴをデザインした「タカラトミー100周年記念 トミカセット」や1953年のブリキ製レースカーをダイキャスト製のトミカでリメイクした「チャンピオンレーサートミカ」など、人気ミニカーシリーズ「トミカ」の記念商品が相次いで登場した。
今では毎月第3土曜日の「トミカの日」に新商品が発売されることでお馴染みのトミカだが、もともとは発売日がとくに決まっているわけではなかった。「トミカの日」が制定されたのは2000年。つまり平成半ば以降からコンスタントに新商品が発売されるようになった。
平成時代にタカラトミーはトミカを含めさまざまなヒット商品を生み出してきた。本記事では、タカラトミーが平成時代にヒットさせた懐かしの商品のなかから、今もなお根強い人気を誇るトミカとゾイドを振り返っていく。
◆平成時代に人気再燃したトミカ!
まずは7月の100周年記念商品としても発売されたトミカ。1970年に誕生したトミカは、これまで累計1170種以上の車種を世に送り出し、累計販売台数は7億4500万台を超えている大ヒット商品だ。
そんなトミカは時代に合わせて流行の車種をミニカーとして発売してきたことも魅力のひとつ。平成時代には「ニッサン シーマ」(1989)や「トヨタ セルシオ」(1990)といったバブル〜平成初期を代表する高級車から、大ヒットしたコンパクトカー「トヨタ ヴィッツ」(2000)、さらに「ピカチュウカー」(2005)や「しまじろうカー」(2009)といったキャラクターものまで出している。
30周年を迎えた2000年には、記念事業のひとつとして、4月から翌2021年3月にかけて毎月第3土曜日に新商品を発売する企画を実施。これが現在まで続く「トミカの日」となった。
1970年の誕生以降、ほぼすべての年で年間10台以上の車種を発売し、多いときは50台近くにものぼっていた。しかし1990年は7台、翌91年は6台と初めて2年連続で1桁台となり、94年にはわずか4台の発売だった。
しかし1999年に年間12台に復調すると、「トミカの日」が制定された2000年以降は一定の台数をキープ。2007年から2019年にかけては毎年必ず24台の車種を発売するほど人気が再燃した。
今のトミカの人気の裏には、平成時代から始まった「トミカの日」があるのだ。
◆アニメと組み合わせ大ヒットしたゾイド!
続いてゾイド。累計出荷数4400万個以上、累計売上830億円以上という大人気商品だが、一時期は人気が低迷したこともあった。
もともと1982年に海外向け商品として誕生したゾイドは、好評を受けて日本では「メカボニカ」という名称で発売。だがあまり売れず、1983年に「メカ生体ゾイド」としてあらためて発売したところ人気に火がついた。
恐竜や動物などをモチーフとしたメカニカルな玩具のゾイドは、造形美に加え、架空の惑星を舞台にした独自の世界観とストーリーの設定も手伝って、発売から8年で国内累計1900万個以上を出荷するヒットとなった。
だが家庭用ゲーム機の普及やミニ四駆のブームで風向きが変わると、1991年にシリーズ“第1期”が終了することになる。
そんなゾイドが再び登場したのは1999年。「機獣新世紀ゾイド」として新シリーズが始まると、テレビアニメの放映も組み合わせた新基軸の戦略が功を奏して人気が再燃し、国内外の累計出荷数は7年間で2500万個以上にものぼった。まさに平成時代を代表する玩具のひとつと言える。
アニメシリーズの終了もあり2006年に“第2期”を終えたゾイドだったが、その後、2018年に“第3期”が始動。40周年を迎えた2023年には記念商品も発売された。
タカラトミーの100周年記念商品では、25年ぶりに初めてリメイクされる「ゾイド『AZ-07 デスザウラー』」の発売を2024年11月下旬に予定している。
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平成時代のタカラトミーはほかにも、プラレールで「きかんしゃトーマス」シリーズを展開したり、「てのひらピカチュウ」などキャラクター商品でヒットを飛ばしたりしてきた。さらに、リカちゃんシリーズに初めて「リカちゃんのパパ」が登場したほか、大ブームを生んだベイブレードの発売も開始している。
この機会に平成時代の玩具を振り返りつつ、その最新モデルにも触れてみてはどうだろう?