圭(玉森裕太)たちが集まる“あの場所”ができるまで【重要参考人探偵・スタッフインタビュー】
玉森裕太演じる主人公・弥木圭の“史上最もかっこいい時間稼ぎ”によって繰り広げられる謎解きが話題の本格ミステリードラマ『重要参考人探偵』。
パーティ会場やオーディション会場、山中のロッジなど、本作では毎回さまざまな場所が舞台となっているが、それらの世界観を作り上げるのに重要な役割を担うのが「美術デザイナー」だ。
今回、テレ朝POST編集部では、そんな「美術デザイナー」にインタビューを敢行。本作でのこだわりや、第4話の見どころなどを聞いた。
◆モデル事務所「ウェーブ」はこう作られた!
本作では、玉森演じる圭をはじめ周防斎(小山慶一郎)、シモン藤馬(古川雄輝)が所属するモデル事務所「ウェーブ」でのシーンが印象的だ。
仲良くトレーニングをしていたり、“オネエ”社長の浪江篠介(滝藤賢一)&マネージャーのマキマキこと牧太真希子(堀田茜)がワイワイしたりと、楽しいシーンが多いこの場所はどのように作られたのか? 聞いてみた。
美術デザイナー(以下、美術):「最初に、最低限必要なもの、各出演者の居場所(デスク)や、どんなトレーニングマシンが必要かという提示がチーフの塚本監督からあり、あとは雰囲気も含め一任していただきました。
そのなかで私が監督に聞いたのは『おしゃれなモデル事務所』にするのか『さえないモデル事務所』にするのかということ。結果的に『おしゃれ』な方向で指示をいただきました(笑)」
——具体的にはどのようなイメージで作られましたか?
美術:「滝藤さん演じる浪江社長の衣裳がヒントになっているんですよ。中性的な衣裳だったので、逆に男らしい雰囲気にしようかなと思いました。
あとは、衣装の雰囲気がレトロっぽかったので、『ミッドセンチュリーっぽいアメリカンな感じにしよう!』とすぐに思って、レンガの壁を作りました。濃いめの家具を置いてみたりもしました」
たしかに事務所内はレトロっぽさも感じられる、かっこいい作りになっている。さらに、こんな裏話も教えてくれた。
美術:「実は、浪江社長のデスク脇に置いてあるマネキンにスカーフを数本飾っているんですが、毎話変えているんです。
ロケ当日になって監督がそこにスカーフを飾り始めたんです。事前にマネキンを置くことは伝えていたんですが、私たち(美術)が用意したものを監督が演出に使ってくれているんです」
その後、この監督の粋な図らいから「浪江社長はマネキンにかけたスカーフの中から、その日着けるものを決めている」という設定が生まれたのだとか。
◆第4話の舞台セットはあの有名ミステリー作品をイメージ
11月10日(金)に放送される第4話では、圭(玉森)が出演する舞台上で殺人事件が発生する。この撮影は実際に劇場を借り切り、ステージ上にセットを組んだというが、なんと「ロケ場所の劇場が決まった1週間後には建てた」のだという。
しかしそんな急なスケジュールだったとは思えない作りのステージ。どのように作られたのか? 聞いてみた。
——第4話の舞台セットはどのように出来上がったのでしょうか?
美術:「今回は、先におおざっぱに平面図を書いて、(4話の監督の)小松監督に見せながら、細かく調整をしていきました。
監督は、原作に忠実にセットを組みたいと言っていたので、原作を参考にしましたが、原作で描かれている舞台をそのままセットにあてはめると、どうしてもドラマ上、辻褄がうまくあわない部分があったんです。そこは、整合性をあわせて、自分の中で解釈しながら進めました」
——舞台装飾についてはいかがですか?
美術:「味は加えつつ、怪しい雰囲気を取り入れています。舞台のイメージは、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に出てくる洋館のイメージにしています。
暖炉の上に燭台があったり、西洋甲冑が置いてあったり、怪しい感じになればいいなと思いました。
実は、小松監督からは、舞台中央に『ドア』という指示があって…。なのにその前に甲冑を置いたので、実物を見た監督に『これじゃこの中に犯人がいるみたいじゃないか!(笑)』と言われてしまいました(笑)」
——劇場ロビーの装飾についてはいかがですか?
美術:「舞台を見に行くのが好きなので、『こういうものがあったらいいなぁ』というものを置いてみました!
劇場で飾られるポスターについても監督の明確なイメージがあったので、具体的なアイデアをもらって寄り添えるように作っています」
また、劇場内や劇場ロビーだけでなく、出演者控室にも細かな装飾が加えられている。
◇
最後に、『重要参考人探偵』の美術で注目してほしいポイントについて聞いた。
美術:「毎回話が変わるので、それぞれの設定に合った、『違和感のない美術』を目指しています。毎話毎話、みなさんの芝居に寄り添えるような、現実にありそうな感じにしたいなと思っていますし、映像やストーリーに溶け込める美術にしたいなと思っています。
あとは、違和感なくストーリーに溶け込みつつも、華やかさやコミカルな感じも出したいと思っています。主人公が第一発見者になってしまう設定は現実離れしていますし、それぞれのキャラクターの設定が濃いので、美術の面では“リアリティ”を表現するようにしています!」
◇
“小松監督にツッコまれてしまった”という甲冑は、番組公式instagramアカウントにも登場!
甲冑の中に犯人が入っている…かどうかは分からないが、11月10日(金)に放送の第4話、美術デザイナーのこだわりが詰まった舞台セットにも注目しながら楽しみたい!
※番組情報:金曜ナイトドラマ『重要参考人探偵』第4話
2017年11月10日(金)午後11:15~深夜0:15、テレビ朝日系24局(一部地域で放送時間が異なります)