ただやれば良いわけじゃない!選手の名前が付く体操の新技の意外な事実【世界体操】
10月2日に開幕する、オリンピックと並ぶ体操の世界一決定戦「世界体操」。今回の大会で注目すべきポイントのひとつが、日本人選手による“新技”です。
体操競技の技の多くは、その技を最初に国際大会で成功させた選手の名字が付くことでお馴染み。
たとえば、今回で4回目の世界体操代表となる白井健三(しらい・けんぞう)選手は、“ゆか”では「シライ/グエン」・「シライ2」・「シライ3」、“跳馬”でも「シライ/キムヒフン」・「シライ2」・「シライ3」と、現在実に計6つのオリジナル技を持っています。まさに、“技のデパート”ですね。
◆新技は…ただやればいいわけじゃない!
さて、そんな選手の名前が付く新技ですが、実はこれ、ただ大会で初めてやれば名前が付く…というわけではないことを知っていましたか?
新技が認定されるためには、ある決められた試合を設定し、その試合前にあらかじめ「こんな新技をやります!」と申請を出し、そのうえで成功させなければ認められないのです。
たとえば、白井選手のゆかの技「シライ3」は、“後方伸身2回宙返り3回ひねり”という内容のH難度の技ですが、これは2015年12月の豊田国際体操競技大会で初めて成功させたものでした。そうして翌2016年2月に国際体操連盟より「シライ3」と命名されたのです。
◆「世界体操」では日本人選手2人が新技に挑む!
そして今回の世界体操では、そんな「シライ3」を超える、男子の体操競技すべての技の中で唯一にして最高の“I難度”の技に挑む日本人選手がいます。
その選手は、今回が初の世界体操代表となる宮地秀享(みやち・ひでたか)選手。
大学入学後に“鉄棒”の才能が開花した彼が挑むのは、H難度の技である「ブレッドシュナイダー」を伸身でおこなう“伸身ブレッドシュナイダー”です。伸身であることにより難度が増し、前述の通り最高I難度の技となっています。
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また女子では、杉原愛子(すぎはら・あいこ)選手が平均台で“足もち2回ターン”に挑む予定。
杉原選手は、2016年の豊田国際の平均台で世界で初めてこの“足もち2回ターン”を成功させ、2017年8月のインターハイでも成功させるなど、技に安定感が増してきています。
今回の世界体操で再び成功させれば「スギハラ」の名前がつく可能性もあり、日本人女子で自身の名前がつく技が誕生すれば、これは実に22年ぶりの快挙となります!
なお杉原選手本人は、「愛子=ラブ子、で“ラブ子ターン”と付けたい」と茶目っ気たっぷりに語っているとのことです。
※世界体操:放送日程(テレビ朝日系)
10月6日(金)地上波 よる7時~9時48分【男子個人総合決勝】
10月7日(土)地上波 午前10時30分~11時50分【女子個人総合決勝】
10月8日(日)地上波 午前10時~11時50分【種目別決勝 第1日】
10月9日(月)地上波 午前9時55分~11時45分【種目別決勝 第2日】