「給油しないサービスステーション」が誕生!ガソリンスタンドの変革を目指す新たな“生活支援基地”
出光興産株式会社が変革を目指すサービスステーション(ガソリンスタンド)「apollostation(アポロステーション)」の事業戦略および新規事業が9月29日(金)に発表された。
同社は2021年4月に新たなサービスステーションのブランド「apollostation」を展開。翌5月には「スマートよろずや構想」が動き出した。
apollostationは、“モビリティとコミュニティの未来を見つめながら、地域社会を支えるライフパートナー”をコンセプトとした未来志向のサービスステーションだ。
2023年末には全国6,100カ所を超えるサービスステーションすべてをapollostationに切り替え、次のステージに進んでいくという。
また、同社は中期経営計画において「スマートよろずや構想」を事業変革の1つに掲げている。
同構想では、“脱炭素社会の実現”と“各地域の社会課題の解決”へ向け、全国のサービスステーションを従来のガソリンスタンドから新たな“生活支援基地”へと変革することを目指している。
29日に行われた「apollostation事業戦略・新規事業発表会」では、「いろんなa!を、このまちに。」をapollostationがスローガンとして掲げることが発表された。
登壇した同社の小久保欣正上席執行役員販売部長は、このスローガンについて「『スマートよろずや構想』のコンセプトを一言で表したフレーズになっています」と説明する。
「『いろんなa!』の『a!』はapollostationの『a』です。いろんなapollostationがあります。また、『a!(あ!)』というのは感嘆詞で、今までのサービスステーションにはない商材やサービスを提供することで、お客様に『あ!』と驚いていただきたい。さらに、『あ! あってよかったな』という安心感の『あ!』も表現しました」(小久保上席執行役員販売部長)
apollostationは将来的に、「環境対応ecoステーション」「分散型エネルギー供給ステーション」「トラック・物流向けステーション」「EV充電・メンテナンスステーション」「MaaSステーション」「コミュニティサポートステーション」など、地域のニーズに応じてさまざまに進化するという。
◆新たなサービスステーション「apolloONE」
さらに同社は、apollostationの変革の1つの類型として、モビリティサービスに特化した専門店「apolloONE(アポロワン)」を新たに展開することも発表。
1号店として洗車とカーコーティングのサービスを提供する「apolloONE 江東東陽町KeePerPROSHOP」が10月7日(土)にオープンする。
「apolloONEは“給油しないサービスステーション”なんです。ガソリンも軽油も灯油も売っていません。しかしサービスステーションです。給油機能の役割を終えた既存のサービスステーションの資産、建物とスタッフを活用して、新たな単独専門店としてリニューアルしていきます。
洗車・カーコーティングに特化した店をはじめ、中古車販売、レンタカー・カーシェア、車検工場等々、さまざまなパターンのapolloONEを展開します」(小久保上席執行役員販売部長)
apolloONEは今後、2030年までに約250店舗の展開を目指すそうだ。
今後の展望について小久保上席執行役員販売部長はこう話す。
「全国の特約店さん、サービスステーションのお客さん、そのネットワークが全国にあります。今までは燃料の安定供給にそのネットワークが使われていました。これからはサービスステーションで地域社会の“生活支援基地”のネットワークにしていく。これは非常に大切な財産です。このノウハウやビジネスで交流していくことで、“よろずネットワーク”を築いていきたいと考えています」(小久保上席執行役員販売部長)