菅野美穂、24年ぶりのテレ朝連ドラ主演!「手塚治虫文化賞」大賞受賞作『ゆりあ先生の赤い糸』がドラマ化
2023年の「第27回手塚治虫文化賞」でマンガ大賞に輝いた入江喜和氏の『ゆりあ先生の赤い糸』(講談社)。
この話題作が2023年秋、菅野美穂を主演に迎えて連続ドラマ化されることが決定した。
テレビ朝日の連続ドラマで主演を務めるのは、1999年放送の『恋の奇跡』以来、実に24年ぶりとなる菅野。
彼女が「石のような男前な女性で、本当に応援したくなる…今このタイミングで、この役と出会えるなんて“めっけもの”!とても幸運だと思います」と声を弾ませて演じるのは、“新しい現代のヒロイン”だ。
これまでのヒロインドラマでは「強い女」や「カッコいい女」など、痛快な女性像を描き、時代をけん引してきた。
しかし、『ゆりあ先生の赤い糸』では“かつてない地味でタフで明るい、平凡な主婦ヒロイン”が自らの人生、さらにはホームドラマの新たな可能性を果敢に開拓していく。
珠玉の社会派ヒューマンドラマを多数手掛けてきた橋部敦子氏の脚本、そして菅野の熱演によって泥臭くも生き生きと躍動しはじめる、平凡だけど力強い主婦・ゆりあ。
とてつもない底力を秘めた“令和の新ヒロイン”が、新たな風を吹き込む。
◆踏ん張る“おっさん”主婦の数奇な人生&家族の物語
菅野が演じるのは、心優しい売れない小説家と結婚した主婦・伊沢ゆりあ。
年齢を重ね、女として薄らいでいく自分を実感するものの、自宅で刺繍教室を開きながら、穏やかな幸せを味わっている“ごくごく平凡な女性”だ。
ところがそんな彼女の人生は、夫がホテルで昏倒し、緊急搬送されたことから急展開。慌てて病院に駆けつけると、意識不明状態となった夫の傍らには、さめざめと泣きながら“恋人”だと名乗る美青年がいた。
長年連れ添った夫の“思いもよらない別の顔”を突きつけられ、愕然とするゆりあ。しかし、降って湧いた問題はそれだけではなかった。
なんと彼女は、出口の見えない夫の介護に加え、“夫を「パパ」と呼ぶ2人の女の子”と、その母親である“夫の彼女”までも出現するという、1ミリも想像したことがなかった局面に次々と直面してしまう。
ところが、「カッコよく生きる」が座右の銘で、幼いころのあだ名は「おっさん」。そんな愚直で辛抱強いゆりあは、ここで心が折れてしまう女性ではない。
「みんなでダンナの介護をしよう!」と奇想天外な提案をし、夫の愛人2人&血の繋がらない子ども2人も家に招き入れて“奇妙な共同生活”をはじめることに。
さらに、そんな数奇な人生の渦中で踏ん張り続けるゆりあに、やがて二度とないと思っていた“新たな恋の予感”まで到来する。
混沌と混乱、一周回って可笑しみが入り乱れる、今を生きる人間たちの“ひとつ屋根の下”のヒューマンドラマ。
生きていれば何が起こるかわからない、人生100年時代の今…すべての人に“生きていく芯を創るきっかけ”をお届けする、人生の応援歌ともいうべき本作に注目だ。
◆菅野美穂(伊沢ゆりあ・役) コメント
――今回の主演オファーを受けたときの率直なお気持ちを教えてください。
テレビ朝日さんの連続ドラマで24年ぶり、しかも原作が「手塚治虫文化賞」の「マンガ大賞」を受賞したばかりのタイミングで、主演を務めさせていただけるなんて…ビックリしました!
ゆりあさんは石のような男前な女性で、私自身も心から応援したくなる存在です。若い頃はもっと洗練されていてスマートなヒロインに憧れるものですが、ゆりあさんはその逆。
燃費も悪いし(笑)、なんだかゴツッとしているし、しなやかじゃないんだけれど、私自身も年齢を重ねた今だからこそ、より共感と尊敬の念を覚える“すごいヒロイン”です。今このタイミングで、この役と出会えるなんて“めっけもの”! とても幸運だと思います。
今はまだプライベートで育児に手がかかり、日々のノルマに追われている最中ではありますが、体力・気合いとともにコンディションを整えながら、“眉間にしわを寄せて一生懸命生きているヒロイン”を魅力的に演じられたらいいなと思います。
――ゆりあを演じるにあたって、準備されていることはありますか?
ゆりあさんは男前な気概や生き様に加え、刺繍教室を開いたり、少女時代にはバレエに夢中になったこともあるなど、乙女なものが好きな一面も兼ね備えているところが、特有の魅力でもあると思います。
そんな彼女の気持ちに近づくためにも、余白の時間もいろいろ考えを広げたいと思って、実は刺繍とバレエの教室に通いはじめました。
バレエは毎回、恥をかきに行っている状態ですけど(笑)、同時に楽しくもあり、夢中になる人の気持ちがわかりました。ドラマのご縁がなかったら「体も硬いし、やったこともないのに、こんな年から…」とためらい続けて、バレエの素晴らしさも教室の共同体感や癒しも味わえなかったと思うので、本当にいい機会をいただきました。
刺繍も学びが多いです。束になっている5本の糸をほぐし、そこから3本だけをまとめて刺していくことで艶のあるふっくらとした刺繍になると知って驚きましたし、糸を絡ませながら立体的な模様を作るレゼーテージステッチにしても「人生に通じるな!」と。
人生の糸を自分でたぐり寄せ、絡ませながら縫い込んでいくと、途中はどうしようもないと思っていた人生も、最後には愛着や味わいが深まるんだろうなって、あらためて感じました。
――最後に、視聴者へメッセージをお願いします。
このドラマでは介護問題なども含め、“現代の現実”を見つめているような気にもなる物語が紡がれていきます。
私自身も父の介護を経験したときに、家族が1週間でガラガラと音を立てて壊れていくのを実感したことがあるのですが、世の中には問題のない家庭はないんじゃないかなというくらい、傍から見ていたら本当に幸せそうに見える家でも、いろいろとあったりすると思うんです。
ゆりあさんの家ほどこじれている家もあまりないとは思いますが(笑)、ぜひドラマを見てくださった方に“悩みと笑い、前向きになれる気持ちを共有できる時間”を届けられたらいいなと思います。
※番組情報:2023年10月期 木曜ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』
2023年10月スタート!【毎週木曜】よる9:00~9:54、テレビ朝日系24局