31歳の若き男性が手掛ける“ポツンと羊の放牧場”。12年前の震災きっかけに移住、現在も復興に力注ぐ
日本各地の人里離れた場所になぜだかポツンと存在する一軒家と、そこに住まう人物の人生にも迫っていく番組『ポツンと一軒家』。
3月5日(日)は、ゲストにフラワーデザイナーの赤井勝と藤本美貴を迎えて放送される。
赤井はフラワーデザイナーの視点でも番組を楽しんで見ているそうで「山奥では、流通にはないその土地ならではの植物や花を見ることができるので、生けるときのヒントにしたいと思って」と語る。
藤本も「たしかにカブトムシでも、家の近くのものと、山奥のものとで生命力が違う気がする」と話し、山奥で育つ生き物の強さを感じているという。
宮城県北部、海に近い山のまっただ中でポツンと一軒家を発見!
衛星写真で確認すると青い屋根と白い屋根が印象的でしっかりと道が通っているのも確認できる。
藤本が「若い人が暮らしていそうな雰囲気がありますね」と話すと、赤井は「海にも近いということなので、海のものをここで加工しているとか」と予想する。
太平洋から山へと向かう道沿いにある最寄りの集落へと向かった捜索隊。地元に詳しいという女性に衛星写真を確認してもらうと、「ヒツジを飼っているハウスでは?」という有力情報を入手。「集落から1本道」というそのビニールハウスを訪れることに。
山あいの道を車で20分以上走り続けると、やがて未舗装の砂利道に。細い山道を進むと、山頂の斜面に大きなビニールハウスが見えてくる。
そこで迎えたのは、何頭もいるヒツジたちだった!
声をかけてみるものの、人の気配はない。捜索隊は麓の集落へと戻り、あらためてビニールハウスについての情報を収集することに。
最初に話を聞いた女性の元を訪ねると、今度は女性の夫が在宅しており、「ヒツジを飼育している人をよく知っているんです。夕方には戻ってくると思うので案内しますよ」と、親切にも案内役を買ってでる。
夕方を待ち、再びビニールハウスを訪れると、黙々とヒツジの世話をしている31歳の男性の姿が! 話を聞いていくと、男性がこの地へと移住したきっかけは東日本大震災だったという。
「大学に進学した年でした。大きな衝撃を受けて、なにかできることはないかと学生向けボランティアに参加しました」と明かし、その経験が考え直すきっかけになったのだという。
心の底から復興支援の力になりたい――。移住後はNPO団体に参加し、地元漁師の手伝いや子どもたちのための遊具づくりやイベントなどを手掛けるなか、活動資金を調達するために食用ヒツジの飼育もはじめたのだという。
主にオーストラリアで飼育されている“ソルトブッシュラム”をヒントに、地元の漁場で大量に廃棄されていたメカブの硬い茎の部分をヒツジの餌にすることで、ミネラル豊富なおいしいブランド羊を育てはじめ、現在では「南三陸わかめ羊」として販売しているという。
東日本大震災から12年が経過した現在も地域の復興に力を注ぐ男性。水も電気も通っていない山頂の放牧場での過酷なヒツジの世話とは?
さらに、がけ崩れの影響などから、麓の放牧場へとヒツジを引っ越しさせるという話を聞いた捜索隊は、その引っ越し当日にも密着。若き男性のこの地に懸ける思い、そして“ポツンと羊の放牧場”が役目を終える日の一部始終に迫る。
※番組情報:『ポツンと一軒家』
2023年3月5日(日)午後7:58~午後8:56、ABCテレビ・テレビ朝日系列にて全国ネット